2014年2月18日火曜日

2月18日(火曜) 昨日の海外市場の動き

2月18日(火曜) 昨日の海外市場の動き


*** 昨日の動き ***


週明け月曜日は米国市場が休場で動きに乏しい展開の中、ドルは比較的堅調に推移。

オセアニア市場からドル売りの動きが活発化し、伸び悩んだ日本の第4四半期GDPにも、株安=円高へ反応。しかし、USDJPYは仲値近辺を円高ピークに、株高=円売りへと変化し、GBPUSD1.6820台、EURUSD1.3720台、AUDUSD0.9060台のトップから売りへと変化し、ドル買いが強まった。欧州市場に入ってもその流れは変わらず、米国市場不在の中でも継続した。

USDJPYは、期待外れの日本の第4四半期GDPや、ムーディーズが日本経常黒字の縮小の影響を警告。日銀の量的・質的金融緩和第2弾の期待に、円売りセンチメントが強まり、101.80円を超え円売りが加速したが、102円台売りは厚く極端な円売りは見られず。円クロスも総じて小幅な値動きが続く。

EURUSDは、1.37台を維持できず、グリアOCED事務局長の「ユーロ圏は景気の下方リスクに警戒が必要」との発言や、GBPUSDの売りに値を下げながらも、独連銀月次報告書で経済成長拡大見通しや、EURGBPの買いに、なんとか、1.3700台をかろうじて維持。

GBPUSDは、カーニーBOE総裁の金融引締め期待へのけん制発言が続き、1.68台を維持できず、先週末終値1.6740台を割り込み一時1.6700割れまで続落。



















*** 昨日のポイント ***

日本の第4四半期GDPは前期比年率1.0%と予想外に弱く、シドニーG20(2月22~23日)を前に、日銀が異次元の量的・質的金融緩和第2弾を打ち出すことへの期待感も残り、円売り圧力は低下へ。
⇒ ただし、短期・中期のテクニカルは円売りが続き、期待を裏切ると円高へ弾みがつくことになる。

伊藤教授が示した、GPIF(124兆円)ポートフォリオ見直し(株式比率拡大・債券比率縮小)案は、日銀が大量の国債を買っている間に、国債を売り・株式を買うとのこと。安倍首相が先月のダボス会議でプレッシャーをかけ、政府主導の株高政策をフォローした動きになっている。
⇒ 株高=円売りの潜在的圧力。


*** 発言・その他 ***

ドイツ連銀の月次報告書=中国経済は大きな混乱もなく成長を続ける。一部新興国の混乱があっても世界経済の回復に大きな影響はない。ECBの不胎化オペの調整に柔軟姿勢。ドイツ経済は2013年第3四半期と今年第1四半期に勢いが拡大。

伊藤教授・公的・準公的資金の運用・リスク管理を見直す、政府の有識者会議座長=年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産の半分を内外株式に投資し、約5%の収益率を目指すことが望ましい。

GPIF厚生年金と国民年金の積立金124兆円の運用基金で、内外債券を計35~40%に押さえるのが妥当で、日銀が巨額の国債を買い入れている今、国債を早く減らすべき。株式24%・債券71%の基本ポートフォリオ年央までに見直すべき。

グリアOECD事務局長=①ユーロ圏は景気の下方リスクに警戒が必要。②FRBの緩和縮小の影響は未知数。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=①欧州経済が大幅に改善し、ユーロ圏市場の崩壊危機観測も消え、ECBの債券購入プログラム(OMT)にはもうさほど重要でなくなった。②インフレ率2%を超えないようなら、低水準の金利を維持。③ユーロ圏のインフレ率見通しは2015~2016年まで2.0%以下の水準。④中銀預金金利のマイナスはECBの政策手段の一つで、何も決定していない。

ムーディーズ=①経常黒字の縮小は、日本の貯蓄・投資バランスが転換点に近づいていることを意味し、対外債務への依存に頼ることになり、政府の資金調達コストと政府債務の持続性に悪影響を及ぼす。②経常収支の悪化が長期化すれば、高水準の対外純資産を減少させることになる。③所得収支の黒字だけで、大幅な貿易赤字を相殺し、経常収支の黒字を維持している
⇒ 誰もが危惧していることで、実際にその可能性が消えないうちは、潜在的な円大幅安のリスクをはらんでいる。

甘利経済再生担当相=GDPの予想外の下振れは、新興国経済が不安定で輸出が伸び悩んだことが背景。
⇒ 昨年6月にも経験しており、今回だけが想定外の出来事だったとは思えない。

安倍首相=実質賃金の低下は、賃上げまでの過渡期と認識。
⇒ 本当であることを願うだけであるが、第4四半期GDPデフレーターは-0.4%と、第3四半期と同じで、第2四半期-0.5%とあまり変わらず。

菅官房長官=安倍首相が主張する法人実効税率の引き下げをやりたい。追加緩和の是非は黒田日銀総裁の判断に任せる。

シドニーG20(2月22~23日)の予想されるテーマ=①FRBの金融緩和縮小後の金融市場の混乱、②日本は内需拡大の方針の説明、大規模な金融緩和=円安誘導の関連性の説明。③欧州は銀行システムの強化で銀行融資の拡大強化を説明、欧州経常黒字国が世界経済の圧迫要因として追及される可能性。

G20について米財務省当局者=①世界経済の不均衡問題について活発な議論を求める意向、②一部の国が輸出を利用して成長を促進するという危機前の戦略に戻りつつある。③経常黒字国は国内で成長を押し上げる必要があり、競争のための通貨安誘導を控え、柔軟性があり市場原理によって決まる為替相場を確保すべき

ムーディーズ(14日)=イタリア格付け見通しを「ネガティブ」→「安定的」に引き上げた。経済見通しの改善、借り入れコストの低下、公的資金による国内銀行の資本増強へのリスク低減を評価。

カーニーBOE総裁・英BBCインタビュー(16日)=①バランスシートの修復、金融システム改善などの悪影響が継続する可能性があり、これらの要因が積み重なって金利水準を押し下げている。②これらの景気回復の阻害要因は今後も続き、経済がそれを耐え回復するまで利上げは行わない。③国内経済がフル稼働に近い状態になった場合に限り利上げを開始する。

米連邦債務上限引き上げ法案成立(15日)=オバマ大統領は債務上限を2015年3月まで、無条件で引き上げる法案に署名し、成立→ 11月の中間選挙に向けて財政問題を目先解決した可能性がある。


*** 経済指標の結果 ***

◎6:45 NZD 第4四半期 小売売上高=前期比1.2%(予想1.6% 前回0.3%)→ 予想を下回るが前期からは大幅上昇
◎8:50 JPY 第4四半期 GDP・1次速報値=前期比0.3%(予想0.7% 前回0.3%)、前年比年率1.0%(予想2.8% 前回1.1%)、名目GDP=前期比0.4%(予想0.8% 前回0.2←0.3%)、デフレータ=-前年同期比-0.4%(予想-0.2% 前回-0.4←-0.3%)→ 予想を下回り前期とかわらずで、成長が停滞、一時株価は弱く円高が進むが、逆に追加の金融緩和期待に株高と円売りへと変化
◎9:01 GBP 2月 ライトムーブ住宅価格=前月比3.3%(予想 前回1.0%)、前年比6.9%(予想 前回6.3%)→ 予想を上回り、2007年以来の大幅な伸び率にGBPは堅調に推移
◎23:00 EUR ユーロ圏財務相会合

0 件のコメント:

コメントを投稿