*** ポイント ***
年末年始の長期休み明けの為替相場は、週末の株価に連動した、ドル買い+円買いの流れを継承して始まった。しかし、予想外に弱い米ISM非製造業景気指数に米株は小幅下落し、ドル売りへと変化したが、雇用関連の数字は強く、ドル売りの流れも限定的。目立ったのは、円の買い戻しと、動けない豪ドル。
アジア市場は、日経平均株価の大幅下落や、弱い中国経済指標を受けた中国株の下落に、USDJPYは104.20円割れまで下落し、クロスを含め円は全面高、ドル買いの流れが続いた。
欧州市場では、欧州株は小幅上昇し、USDJPYは実需の買いに下げ止まり104.80円台まで上昇。ユーロ圏の総合PMI改定値は前月から上昇、センティックス投資家センチメント指数が強く、EURUSDは1.3570台から上昇へと変化。英サービス業PMIが弱く続落しながらも、GBPUSDは1.6340割れをボトムに、ドル売りの流れに上昇へと変化。
米国市場では、予想外に弱いEU基準の独CPIにも底堅く、米ISM非製造業景気指数が予想外に弱く、欧米株の下落とドル売りが始まり、主要国通貨は上昇し、先週末から始まったドル買いの流れがようやく変化へ。USDJPYは一時104.00円を割り込むが、AUDUSDだけはコアで0.8940~80のレンジで動けず。
*** 今後の見通し ***
昨年末の市場センチメントの、円安+ドル安+豪ドル安の流れは一変したが、正月明けの相場だけに、何が真実か判断することはできず、正月明けの相場についていくことへの懸念と警戒感は強い。
USDJPYは、円安トレンドの明確は変化もなく、円高期待感による動きよりも、株価と円ショートポジションの巻き戻しが中心で、新たな方向性を示す動きとは、考えにくい。テクニカルでは一時104.00円を割り込み、円の買い戻し続き、押し目買い+戻り売りの相場で、103.80円~104.80円のレンジに入りやすく、引き続き円安トレンドは変わらず。
EURUSDは、1.39直前からの2.2%近くの下落で、市場センチメントがEURブル相場とEURベア相場に分かれ始めている。ビックポイントは1.3300で、目先は1.35~1.40のレンジが完全に崩れたわけではなく、EURAUDは上昇出発点の1.5050を維持しており、EURUSDが1.35を割り込むまでは、EURブル派にとっては兆悲観的になることは考えにくい。目先は1.3600~1.3680のレンジを予想。
AUDUSDは、0.88で底打ちしたのか、それとも、0.9000~50を天井として、再び下値トライとなるのか、現状では判断できず、今後の値動きを注目したい。暫くは、0.8850~0.9050のレンジに入りやすいが、強い中国や豪州の経済指標で0.90台を定着できれば、緩やかな上昇の可能性も出てくる。しかし、中銀のAUD高けん制発言への警戒感は解けず、上昇力も緩慢で、目先は0.8940~80のレンジを予想。
*** 発言・その他 ***
WSJ紙=悪天候でイエレン次期FRB議長の承認採決が延期される可能性がある。
バルニエ欧州委員=大手銀行を対象に自己勘定取引の禁止を検討。
スイス中銀=2013年は金価格の下落で、外貨プラス30億+UBS救済基金売却プラス30億の利益にもかかわらず、90億スイスフラン(約1.4兆円)の赤字を経常。
オズボーン英財務相=英国の景気は回復基調にあり、財政赤字への対応のための増税は不要。
中国国務院=シャドーバンキングへの規制強化の新規制を通達、中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行業監督管理委員会(CBRC)、中国証券監督管理委員会(CSRC)といった監督機関それぞれの責務を明確化し、規制上の抜け道をふさぐ方針。
デロイト調査=英大手企業は劇的な変化が起きリスク意欲が戻る。ユーロ圏のリスク認識とリセッション懸念が後退し、信用供与が拡大し、企業の銀行借り入れがと株式発行が顕著に拡大すると予想。
欧州短期金利が大幅低下=ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)は、昨年末0.446%→0.152%に低下へ。
*** 経済指標の結果 ***
10:45 CHN 12月 HSBC サービス業PMI=50.9(予想 前回52.5)→ 予想と前回を大幅に下回り2011年8月以来の低い伸び
17:49 FRN 12月 総合PMI・確報値=47.3(予想 速報値47.0 11月48.0)、サービス業PMI・確報値=47.8(予想47.4 速報値47.4 11月48.0 )→ 速報値から上方修正
17:53 GER 12月 総合PMI・確報値=55.0(予想 速報値55.2 11月55.4)、サービス業PMI・確報値=53.5(予想54.0 速報値54.0 11月55.7)→ 速報値から下方修正
18:00 EUR 12月 総合PMI・確報値=52.1(予想52.1 速報値52.1 11月51.7)、サービス業PMI・確報値=51.0(予想51.0 速報値51.0 11月51.2)→ 予想と速報値から変わらず
18:30 GBP 12月 サービス業PMI=58.8(予想60.3 11月60.0)→ 予想と前回を下回わりGBP売りが一時強まる
18:30 EUR 1月 センティックス投資家センチメント指数=11.9(予想9.5 12月8.0)→ 予想と前回を上回る強い伸び
22:00 GER 12月 消費者物価指数・速報値=前月比0.4%(予想0.4% 11月0.2%)、前年比1.4%(予想1.4% 11月1.3%)、EU基準消費者物価=前月比0.5%(予想0.4% 11月0.2%)、前年比1.2%(予想1.4% 11月1.6%)→ EU基準の前年比は予想外に低下。統計手法の変更も影響しているが、デフレ圧力が強まっている可能性も残るが、EUR売りは見られず逆に買い戻しが始まる
0:00 USD 12月 ISM非製造業景気指数: 総合指数(NMI)=53.0(予想54.5 11月53.9)、景気=55.2(前回55.5)、新規受注=49.4(前回56.4)、支払価格=55.1(前回52.2)、雇用=55.8(前回52.5)→ 予想を下回りドル売りが強まるが、雇用は拡大へ
0:00 USD 11月 製造業受注指数=前月比1.8%(予想1.8 10月-0.5←-0.9% 9月1.8%)
0:00 USD 12月 総合PMI・改定値=56.1(速報値56.2 前月56.2)、雇用指数55.0(11月52.4)、サービス部門55.7(速報値56.0 11月55.9)、雇用指数55.2(11月52.4)
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