2014年1月10日金曜日

1月19日(金曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月19日(金曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

イエレン次期FRB議長は、2014年の米成長率は、他のFOMCメンバーを含め大半が3.0%台を期待と強気。今日10日の米雇用統計発表を控え、基本的に動けず。非農業部門雇用者数は先日のADP全国雇用統計が強かった影響に、拡大が期待されている。

その中で、中国のCPIは予想外に低下し、注目された、BOEのフォワードガイダンスの修正はなく、ドラギECB総裁の追加利下げや量的緩和導入の可能性を示唆発言のサプライズも多少見られたが、相場の動きは鈍い。

USDJPY、105円を何度もトライしながら失敗。日本・中国株が下落する中、ドラギECB総裁のユーロ危機脱せずとの発言に欧州株も弱く、米株も下落し、米自動車メーカーが強力な為替操作の阻止方策を提案し、一時104.50台まで値を下げ、結局は104.60~105.00円のレンジ。

GBPUSD、BOEは、政策金利0.5%と資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定したが、予想通りで、フォワードガイダンスの修正検討の示唆もなく、GBPUSDは発表直後20ポイント近く上昇するも直ぐに値を戻し、結局は1.6450~1.6500のレンジ。

EURUSD、ECBは、政策金利0.25%の据え置きと、下限金利(中銀預金金利)0.0%と上限金利(限界貸出金利)0.75%の据え置きを決定、予想通りでEURUSDは動けず。

ドラギECB総裁の記者会見は、「フォワードガイダンスを強化+長期間・低金利」の維持を強調し、追加利下げや量的緩和導入の可能性を示唆。当時に発表された、米新規失業保険申請件数が減少し、ドル買いが強まる。EURUSDは一時1.3550割れまで下落するが、結局は元の水準1.3610近くに値を戻す。

AUDUSD、豪小売売上高は強く、宅建設許可は前月より拡大し一時AUD買いへと動いたが、中国の消費者物価指数は前年比2.5%(前月3.0%)へと予想外の低下幅に何度か0.8870割れを試すが続かず。米国市場に入ると、AUDNZD+AUDCADの買い戻しに0.89台へ値を戻し、結局は0.8870~0.8910のレンジ。

USDCAD、弱い住宅着工件数、住宅建設許可、新規住宅価格指数と、米週間新規失業保険申請件数に一時1.0870台へ上昇するも、早朝には1.0830まで下落、結局は1.0820~70のレンジ。


*** 今後の見通し ***

今日は週末の金曜日。米雇用統計を控え、それまでは大きく動くことは期待薄。市場参加者は強い非農業部門雇用者数を織り込みながらの展開に、市場のインパクトは予想外の悪化に反応が強くなる可能性が高い。市場予想は19万人台で、一部では24万人の予想もあるが、8月の23.8万人超=ドル買い、9月の17.5万を割り込むと=ドル売りに繋がりやすい。

イエレン次期FRB議長は、2014年の米成長率は、他のFOMCメンバーを含め大半が3.0%台を期待。強い米経済指標と経済成長の拡大見通しに、ドルに対しての信認も徐々に強まり、バーナンキFRB議長が残した2014年に緩和終了の可能が期待される。

逆に、ECBは慎重で、「短期金融市場がひっ迫すればECBは行動する」と、追加利下げや量的緩和導入の可能性を示唆し、ユーロ圏の債務危機脱出の宣言もせず。

USDJPYは、引き続き円安トレンドは変わらず。年末年始のポジション調整が続くが引き続き底値では買い需要が強く、株価の動きに変動しながらも、105円台定着できるかを確かめ、幅広いコアは104.00~105.50円、狭いレンジでは104.50~105.00円のレンジで動けず。

EURUSDは、EURの好材料にも買いは限定的で、1.3650を超えられず、弱いダウントレンド入り。ただし、昨日のドラギECB総裁発言にも大きく値を崩すこともなく、潜在的なEUR買いが続いていることを示唆。暫くは大枠1.3500~1.3700のレンジへで、狭いレンジでは1.3550~1.3650のレンジ。

AUDUSDは、中国の経済指標も弱含みで、0.8900を割り込み再びダウントレド入り。0.8850~0.9050のレンジ下限をトライ中ながら、大きな動きは期待できず。引き続き0.8800がボトムなのか、0.9050がトップなのか判断ができず、アンタッチャブルの通貨。ただし、AUDNZDやクロスではやや買い戻しが強まっており、続落の可能性も弱い。



*** 発言・その他 ***

米自動車メーカー=TPPの支持条件として、強力な為替操作を阻止する方策を提案。

米30年債入札=最高落札利回り3.899%(予想3.914%)、応札倍率2.57倍(予想2.35倍)と強い。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=債券買い入れ規模の縮小は、金利環境の正常化に向け前向きな一歩だが、非常に緩和的な金融政策が続く可能性が高く、潜在的なコストや影響が残り、資産購入の継続とゼロ金利維持方針は懸念材料。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=今年の米成長率は、財政問題が一段落し労働市場の改善に、2.5%~3.0%を予想。インフレ率が目標の2.0%を下回っても、輸入物価の下落した特殊要因で懸念せず。

イエレン次期FRB議長(タイムズ紙インタビュー)=2014年の米成長率は、他のFOMCメンバーを含め大半が3.0%台を期待。回復はいらだたしいほど緩慢だが、雇用面は前進し、インフレ率(現在1.1%)も長期目標の2%に向かって回帰すると予想。

イエレン次期FRB議長(タイムズ紙インタビュー)=低インフレ率は懸念材料だが、失業率を5.2%~5.8%の長期レンジに低下させることが最優先課題。住宅市場は今年一段と回復し、財政政策への向かい風も弱まる。

イエレン次期FRB議長(タイムズ紙インタビュー)=FRBの政策は長期金利の押し下げが狙いで、消費促進を通じて景気回復を支援。

ドラギECB総裁=追加緩和の条件として二通りのシナリオを具体的に示す→インフレ見通しが悪化と、短期金融市場がひっ迫すればECBは行動する。

ドラギECB総裁=ユーロ圏は長期にわたる低インフレに直面している可能性があり、インフレリスクの潜在的な下方リスクに注意すべき。12月のインフレ率低下はドイツの指標が影響しており、インフレは少なくとも2年間は低水準で推移。緩和的な金融政策を必要な限り維持することを強調。

ドラギECB総裁=12.1%の高失業率と輸出頼みの弱い成長に、ユーロ圏債務危機の終息宣言は時期尚早。ユーロ圏の成長リスクは下向き。


PIMCOのグロー氏=米政策金利は2016年までゼロ%近くにとどまる。市場は失業率に注目しているが、個人消費支出(PCE)価格指数の前年比の変化は、2014年のFFレート分析で極めて重要な統計。

ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)=過剰流動性が1000億ユーロを割り込み、ECBリファイナンス金利0.25%に近づけば、追加緩和の観測が強まり、注意が必要→8日の発表では2790→1574億ユーロに減少し金利は上昇していた。

ミゴー・フランス会計院委員長=昨年の公的債務はGDP比で約93.4%と危機的な領域に達した→この発言を受け、フランス株は下落、市場に懸念が広まる。

BOEは、政策金利0.5%と資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定したが、予想通りで、フォワードガイダンスの修正検討の示唆もなく、GBPUSDは発表直後20ポイント近く上昇するも直ぐに値を戻す→失業率7.0%に低下するまでは利下げ検討しない方針と、カーニー総裁は自動的な利上げはないことを示しているが、現在は7.4%近くまで低下し、フォワードガイダンスの修正が期待されている。

ECBは、政策金利0.25%の据え置きと、下限金利(中銀預金金利)0.0%と上限金利(限界貸出金利)0.75%の据え置きを決定、予想通りでEURUSDは動けず。


*** 経済指標の結果 ***

6:45 NZD 11月 住宅建設許可=前月比11.1%(予想 前回0.3←-0.6%)→ 前回から大幅上昇へ
9:30 AUD 11月 小売売上高=前月比0.7%(予想0.4% 前回0.5%)→ 予想を上回る
9:30 AUD 11月 住宅建設許可件数=前月比-1.5%(予想-1.0% 前回-1.6←-1.8%)、前年比22.2%(予想 前回23.1%)→ 予想外にマイナス幅が拡大したが、前月より改善
10:30 CHN 12月 消費者物価指数=前年比2.5%(予想2.7% 前回3.0%)→ 前月を下回り、予想より伸び率は低下し、AUD売りが強まる
10:30 CHN 12月 生産者物価指数=前年比-1.4%(予想-1.2% 前回-1.4%)
18:30 GBP 11月 貿易収支=-94.39億ポンド(予想-94億ポンド 前回-96.51←-97.32億ポンド)→ 赤字幅は前月より小幅改善
19:00 EUR 12月 景況感指数=100(予想99.0 11月98.4)、企業景況感=-3.4(予想 11月-3.9)、消費者信頼感=-13.6(予想-13.6 速報値-13.6、11月-15.4)、サービス業景況感=0.2(予想 11月-0.9)、業況判断指数=0.27(予想 11月0.31)→ 景況感指数は100に上昇、2年5カ月ぶりの高水準
19:00 EUR ギリシャ 10月 失業率=27.8%(前回27.7%)→ 過去最悪を更新
20:00 GER 11月 鉱工業生産=前月比1.9%(予想1.5% 前回-1.2%)、前年比3.5%(予想 前回1.1←1.0%)→ 予想を上回る伸び率
21:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.5%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り
21:45 EUR ECB金融政策発表=政策金利0.25%の据え置きと、下限金利(中銀預金金利)0.0%と上限金利(限界貸出金利)0.75%の据え置きを決定、予想通り
22:15 CAD 12月 住宅着工件数=18.97万件(予想19.6万件 前回19.78←19.22万件)→ 予想と前回を下回る
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=33.0万件(予想33.5万件 前回34.5←33.9万件)→ 予想と前回を下回りドル買いが一時強まる
22:30 CAD 11月 住宅建設許可=前月比-6.7%(予想-2.3% 前回8.0←7.4%)→ 予想外のマイナス幅
22:30 CAD 11月 新築住宅価格指数=前月比0.0%(予想0.3% 前回0.1%)→ 予想と前回を下回る

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