2014年1月10日金曜日

1月10日(金曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動きと、今後の見通し

1月10日(金曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

米雇用統計でマーケットは混乱。

金曜週末、ビックイベントの米雇用統計は失業率が労働参加率の低下に、7.0%(予想7.0%)→6.7%に低下、非農業部門雇用者数は24.1万(予想19.3万人)→7.4万人に予想外に低下し、強い数字期待が裏切られるネガティブサプライズに、直後はドル買い→ドル売りへと変化。

USDJPYは105.00円→一時105.30台→104.20円まで下落、EURUSDは1.3570台→1.3660台へ上昇、GBPUSDは1.6380→1.6490台へ上昇、AUDUSDは0.8880台→0.8940台へ上昇。米株先物は一時100ポイント近く下落、米債券利回りは下落。

同時刻に発表された、カナダの雇用統計は、失業率が6.9%→7.2%に上昇し悪化、雇用ネット変化は3.48万人(予想1.46万人)→-4.59万人へと下落、USDCADは1.0860→1.0940台まで上昇し、カナダドル安が目立った。

USDJPYは、アジア・欧州市場は、緩慢な円売りで、105円のオプション期日前に105円近辺での攻防が続くが、米雇用統計を前に104.80~00円の狭いレンジで動けず。

EURUSDは、アジア・欧州市場は、前日の強い米ADP全国雇用者数を受けた、直後のドル買い=EUR売りのスタート水準を超えられず、米雇用統計を前にして、1.3590~20の狭いレンジで推移。

AUDUSDは、アジア・欧州市場は、中国の貿易収支は、輸出が予想外に減少し輸入が予想外に拡大、貿易収支は予想を下回る。発表直後は輸入拡大=内需拡大期待のAUD買い、貿易黒字の削減のAUD売りで拮抗し、0.8880~0.8910の狭いレンジで推移。

GBPUSDは、アジア・欧州市場は、英鉱工業生産と製造業生産が予想を下回り、1.6470→1.6400台へ下落。米雇用統計を控え動きも鈍く安値圏で推移。


*** 今後の見通し ***


先の強いADP全国雇用者数に膨らんだ期待感は見事に裏切られ、米非農業部門の雇用者数は予想にはるか届かず。労働参加率の低下の要因もあり失業率は6.7%に低下、いよいよ6.5%のターゲットに近づき、FRBは年何に量的緩和を縮小する可能性が高まっている。

米国市場では、米株と金利動向を見ながらの取引になりそうで、極端なドル売りも期待薄。

USDJPYは、引き続き円安トレンドは変わらず。ドルのプラス材料+円の売り材料は変わらず。米雇用統計を受けてUSDJPYで円高へと動いているが、米株先物の下落によるところが大きく、この後の米株式市場を見ながらの取引となりそうである。また、オプションカットでは105円のストライクで期日が集中していると思われ、午前零時の値動きから、ロンドンフィキシングの午前1時にかけての動きを注目したい。引き続きレンジ104.00~105.50円のレンジを予想。

EURUSDは、米雇用統計を受けたドル売りや、EURの好材料にも買いは限定的で、1.3650を超えられず。ただし、昨日の欧州経済に弱気なドラギECB総裁発言にも大きく値を崩すこともなく、潜在的なEUR買いが続いていることを示唆。暫くは1.3550~1.3700のレンジを予想。

AUDUSDは、中国の経済指標も弱含みで、0.8900を割り込み再びダウントレド入りかと思われたが、0.8880以下の買いに下げ止まる。0.8850~0.9050のレンジ下限をトライ中ながら、大きな動きは期待できないが、引き続き0.8800がボトムなのか、0.9050がトップなのか判断ができず、暫くは0.8850を維持して上値トライの可能性も。


*** 発言・その他 ***

PIMCOのグロス氏=FRBは2016年までFF金利を0.25%比較に維持。量的緩和を2014年末までに終了。

ウルビライネン・フィンランド財務相=残念ながらユーロ圏危機の終了は約束できない。

ロイター社の推計データ=2013年のアジア13カ国の外貨準備は過去最大で、前年比約12.0%増加した。

仏中銀=仏第4四半期GDPは前期比0.5%の見込み。

コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁=米国は高失業率と低インフレに直面しており、FRBの量的緩和縮小に反対。

米超党派議員=国際的な通常協定で、貿易促進権限(TPA)と呼ばれる法案ご議会に提出。米政府が合意した通商協定の内容について、議会による修正を制限する内容で、米国の通商交渉相手に対し為替操作の回避が目標として設定される可能性がある。

米暫定予算協議難航(9日)=1月15日期限の米暫定予算を決める歳出法案の協議が難航。

バーナンキFRB議長(9日上院議員との会議)=連邦財政赤字の問題より、中間層の所得や平均的な世帯の成長を強く懸念。米経済見通しは楽観的。



*** 経済指標の結果 ***

9:01 GBP 12月 BRC 小売売上高=前年比0.4%(予想 前回0.6%)→ 前回を下回る
9:00 AUD 11月 HIA新築住宅販売件数=前月比7.5%(前回-3.8%)→ 伸び率は拡大
11:00 CHN 12月 貿易収支=256億ドル(予想31.15億ドル 前回338.01億ドル)、輸出前年比4.3%(予想4.9%)、輸入前年比8.3%(予想5.3%)→ 輸出が予想外の減少、輸入が予想外に拡大し、貿易収支は予想を下回り、発表直後は売り買いが交錯
15:45 CHF 12月 失業率=3.2%(予想3.2% 前回3.2%)
17:00 CHF 12月 消費者物価指数=前月比-0.2%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比0.1%(予想0.2% 前回0.1%)
18:30 GBP 11月 鉱工業生産=前月比0.0%(予想0.3% 前回0.3←0.4%)、前年比2.5%(予想2.8% 前回3.2%)→  予想を下回りGBP売りが強まる
18:30 GBP 11月 建設支出=前年比2.2%(予想7.5% 前回5.1%)
18:30 GBP 11月 製造業生産=前月比0.0%(予想0.4% 前回0.2←0.4%)、前年比2.8%(予想3.2% 前回2.6←2.7%)→ 前年比は2011年5月以来の高水準だが、予想を下回りGBP売りが強まる
19:00 EUR 第3四半期GDP・確報値=前期比0.1%(予想0.1% 前回0.3%)、前年比-0.4%(予想-0.4% 前回-0.3←-0.4%)
22:30 USD 12月 雇用統計: 失業率=6.7%(予想7.0% 11月7.0%)、非農業部門雇用者数=7.4万人(予想19.3万人 11月24.1←20.3万人 10月20万人)→ 失業率は低下、非農業部門雇用者数は急減、為替相場はドル買いから売りへと変化、米株先物は一時急落、債券利回りは急落
22:30 CAD 12月 雇用統計: 失業率=7.2%(予想6.9% 前回6.9%)、雇用ネット変化=-4.59万人(予想1.46万人 前回3.48←2.16万人)→ 失業率は予想外に上昇、雇用ネット変化は前月が大幅に上方修正されたが、予想を大幅に下回りマイナスとなり、CADは急落しUSDCADは上昇へ

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