2014年1月18日土曜日

1月18日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月18日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** 昨日のポイント ***


来週月曜日(1月20日)は米国市場は休場で3連休。

⇒ 欧米株は小幅上昇する中、米経済指標はまばらだが、強い米11月の求人件数にドル買い継続。弱い米住宅着工件数と建設許可件数、強い米鉱工業生産と設備稼働率、弱い米ミシガン大学消費者信頼感指数。

⇒ 懸念された先週の米雇用統計の悪化の影響にも、29日のFOMCで量的緩和の縮小を討議するとの観測が強まり(ラッカー・リッチモンド連銀総裁)、ドルは引き続き堅調に推移。

⇒ 市場では、ルー米財務長官の「円安けん制発言の真意は不明」との思いが強い中、先の米議員の多数が、TPPの支持条件として米自動車メーカーが「強力な為替操作を阻止する方策」を提案ひ、昨年米下院議員230人が「TPPに為替操作に対する規定を織り込むように要請」したことが思い出される。

⇒ 南アランドはやや値を戻しているが、トルコ政情不安の要因にトルコリラは最安値を更新、USDTRYは2.23台を維持。新興国株(MSCIEM)は軟調に推移。

⇒ AUDUSDは、昨年8月の安値を割り込み、2010年8月の安値を更新、USDCADは前日ハーパー・カナダ首相の「カナダドルは過小評価」とカナダドル安危惧発言をしたにもかかわらず、引き続きCADドル安の水準で推移。

⇒ USDJPYは、105円台と区切りのよい水準を高値に、円ショートポジションの自浄作用なのか、円の買い戻しが続いている。反面、押し目では、実需筋の買いも厚く、売り買いが拮抗。

⇒ EURUSDは、1.3570~80の買いを消化し、EURGBPの売りもあり、先のレンジの下限となる1.3550を割り込み続落、過去6週間の安値を更新。ムーディーズがアイルランド格付を、S&Pがポルトガル格付け見通しを引き上げたが、ユーロ売りの流れは止まらず。

⇒ ドル指数は4カ月ぶりの高水準の中で、ポンド高が目立っている。英小売売上高が予想外の拡大、前月比の伸びは2010年2月以来、前年比は2004年10月以来の高水準に、クロスを含めGBP買いの流れは止まらず。


*** 今後の見通し ***

来週月曜日は米国市場は休日となり、29日のFOMCのビックイベントを前にはやくも消極姿勢に入っているが、資源国通貨安の流れやドル高の流れが続く。

来週は、BOEとECBの金融政策の発表が控えているが、共に現行政策の継続が予想されている。

USDJPYは、予想外に105円の上値は重く反落、104.20円をボトムに下げ止まりながらも104.50円を超えることはできず、103.95円が大きな下値のポイントとなっており、103.95~104.60円のレンジが予想される。上値ではポジション調整の円買い戻し、下値では実需の買いが予想される。一週間を通じても103.00円~105.00円のレンジに入りやすい。

EURUSDは、今年1月2日の後半以降は、1.3550~1.3700のレンジの下限を割り込み続落傾向止まらず。ただし、1.3500はサイコロジカルのボトム感や、オプション絡みの動きも予想され一朝一夕に割り込むことは難しく、レンジ予想は1.3480~1.3650。

AUDUSDは、0.8950~60を割り込み続落傾向が止まらず。雇用統計の悪化に、0.8900割れのストップを付け、0.8880をも割り込んでしまった。先の安値をも下回り3日連続の下落。本当に0.85を試すつもりなのか? 0.8850の上値が重くなる。



*** 発言・その他 ***

◎ムーディーズ=アイルランド格付けを「BAA3」に引き上げ、見通しはポジティブ。

◎米労働省=11月の求人件数は400万件で、2008年3月以来の高水準。

◎ラッカー・リッチモンド連銀総裁=労働市場の著しい改善に、FOMCでさらなる縮小を検討する可能性は高い。 インフレ目標の達成のために、金融政策の実施が左右されるべきではない。6.5%の失業率基準は有効。12月の米雇用統計は特殊な例。

◎ブロードベントBOE金融政策委員=ポンド高は根本的な要因ではなく、海外経済、特にユーロ圏経済の成長が脆弱であることを反映。英GDPは年後半に平均を上回る。

◎世界経済フォーラム(2014年世界が直面するリスクに関する年次報告書)=①富裕層と貧困層の所得格差と付随する社会不安 ②過酷な気象条件。

◎ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)は、流動性の低下に、政策金利0.25%を上回り0.3%に上昇、ECBに低金利資金の供給を求める声が強まる。

◎S&P=ポルトガル格付け見通しを、景気安定の兆候に「クレジットウォッチ・ネガティブ」から「ネガティブ」へ引き上げる。

◎米上院=1.1兆ドルの歳出法案を可決。オバマ大統領の署名を経て成立し、9月30日まで政府機関の閉鎖は回避へ。


*** 経済指標の結果 ***

18:30 GBP 12月 小売売上高=前月比2.6%(予想0.4% 前回0.1←0.3%)、前年比5.3%(予想2.6% 前回1.8←2.0%)→ 予想を大幅に上回り前月比の伸びは2010年2月以来、前年比は2004年10月以来の高水準で、利上げ期待が高まりGBPは急伸
19:00 EUR 11月 建設支出=前月比-0.6%(予想 前回-1.2%)、前年比-1.7%(予想 前回-2.4%)→ 前回よりマイナス幅は縮小
22:30 USD 12月 住宅着工件数=前月比-9.8%(予想-8.3% 前回23.1←22.7%)、99.9万件(予想100万件 前回110.7←109.1万件)→ 寒波の影響に予想を上回る低下。 建設許可件数=前月比-3.0%(予想0.3% 前回-2.1←-3.1%)、98.6万件(予想101.0万件 前回101.7←100.7万件)→ 前回を上回るマイナス幅へ
23:15 USD 12月 鉱工業生産=前月比0.3%(予想0.3% 前回1.0←1.1%)、設備稼働率=79.2(予想79.1% 前回79.1←79.0%)→ 第4四半期は6.8%と高成長で2010年第2四半期以来の伸び率
23:55 USD 1月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=80.4(予想83.2 前回82.5)、景気指数=95.2(前回98.6)、消費者期待指数=70.9(前回72.1)→ 予想外の低下

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