2014年1月17日金曜日

1月17日(金曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月17日(金曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** 昨日のポイント ***

◎USDTRY=史上最高値を更新、USDZARはリーマンショック以来の高値。新興国通貨は激しく弱く、安全資産買い=円の買い戻しが強まる。
◎ハーパー・カナダ首相は、カナダドルは過小評価。
◎米国市場では、金利低下=株安で、資金は株から債券へシフトが続く。
◎ルー財務長官発言、株安に、円ショートポジションの巻き戻しは止まらず。
◎弱い豪雇用統計に追加利下げ観測が強まり、AUDUSDは0.8770台まで下落。
◎クーレECB理事とノワイエ仏中銀総裁の緩和期待にEUR買いも続かず。
◎ユーロ圏とドイツの消費者物価指数は、ほぼ予想通りの結果に動けず。
◎米消費者物価指数は、コア前月比は前回より低下したが、総合は前回を上回る。米株下落+米債券利回り低下、ドル売りが加速。
◎週間新規失業保険申請件数は、ほぼ予想通りながら、米株下落+米債券利回り低下、ドル売りが加速。
◎対米証券投資は、前回の大幅な買い越しから一変マイナスへ。
◎フィラデルフィア連銀景況指数は、予想を上回り改定された前回より大幅に上昇し、ドル買いが強まる。
◎米NAHB住宅市場指数は予想外に低下。


XXXX


USDJPYは、104.80円を上抜けたが、オプションバリアと円ショートの巻き戻しに上値は重く、105円の大台を達成できず、104.50台を割り込み、クロスを含め円の買い戻しが加速。米消費者物価と新規失業保険申請件数を受けた株安+金利低下に、104.10円台まで続落。強い米フィラデルフィア連銀景況指数とオプションカットの動きに下げ止まるが、104.50円を超えることはできず。

EURUSDは、1.3590~1.3630のレンジで上下、今日も方向性定まらず。米消費者物価と新規失業保険申請件数にEUR買いが強まるが1.6350を超えられず。強い米フィラデルフィア連銀景況指数とオプションカットの動きにユーロ売りへと変化、フィキシングでは1.3600近くまで値を下げ、1.3580台まで続落。結局は、1.3580~1.3650のレンジ。

AUDUSDは下落。豪州の雇用統計で、新規雇用者数が予想外のマイナスに、追加利下げ観測が強まり、AUD売りが加速。0.8800の大台を割り込み一時0.8780台まで下落。米国市場に入り、ようやく下げ止まり、0.8820台を回復するが、戻りも緩慢。NZDUSDもAUDUSDに連動して下落基調が続くが、米国市場では前日終値を上回り上昇、AUDNZDは続落。


*** 今後の見通し ***

USDJPYは、予想外に105円の上値は重く、他の主要通貨がレンジ入りの中で、クロスの円買い戻しが続き米株の下落に、円の買い戻しが続いている。引き続き円安の流れの変化は見られず、下値はターゲットの104.20円近くで下げ止まっているが、103.95円が大きな下値のポイントとなっており、103.95~104.60円のレンジが予想される。

EURUSDは、先の1.3550~1.3650のレンジに逆戻り。ECB理事らの追加緩和の可能性発言に上値は重い。ロリエ仏第1副総裁が言う通り「経済成長見通しは欧州より米国が高く、現在のユーロ高は驚くべき水準。貿易収支は、米国が赤字で欧州は非常に良好」。ユーロ圏の貿易黒字がユーロ高を下支えしている。1.3650を上回ると、1.3620~1.3700のレンジと、一昨日の値幅水準に戻ることになるが、気がつけば、今年1月2日の後半以降は、1.3550~1.3700のレンジを継続。材料は別としてFOMCのビックイベントや米債務上限到達のイベント前に、大きく動けず。

AUDUSDは、0.8950~60を割り込み続落傾向が止まらず。雇用統計の悪化に、一時0.8900割れのストップを付け、0.8880をも割り込んでしまった。0.8780で下げ止まっているが、直近の安値を下回ったことで、0.8500を試さずにいられないムードが高まっている。引き続きアンタッチャブルな通貨で、ポジションテークはAUDNZDのショートを継続。


*** 発言・その他 ***

BOE=銀行の借り入れを容易にする目的に、新たな資金供給オペ導入を開始。適格担保基準の緩和、供給量の上限撤廃、供給の柔軟性を増す。2月11日幾、毎月1回インデックス・ロングターム・レポ(ILTR)を実施。低格付けの担保の容認。

バーナンキFRB議長=量的緩和策は経済に貢献、資産価格バブルを作り出している直接的な兆候はない。量的緩和やフォワードガイダンスは共に有益。労働参加率の低下は長期的な傾向

ムーディーズ=米財政赤字の縮小ペースは加速しており、格付けにプラス材料。

ルー財務長官=日本は内需を拡大すべきで、為替に過度の依存はできない。2月終盤に債務は上限に達する。中国は経済改革の変化の速度に懸念。

バイトマン独連銀総裁=ユーロ圏はデフレシナリオに陥るリスクにない。長期間低水準に据え置く金利を懸念、超緩和的な政策を経済の恒久的な治療にしてはならない。独経済は低失業率と消費需要の拡大に上向き傾向を予想。危機的国のトンネルからの出口は見えている。低金利は経済に衝撃を与える。

ウィリアムズSF連銀総裁=2007~2009年の深刻な景気後退は歴史的に見れば入れの出来事ではなく、FRBは政策金利の運営を良く理解する必要がる。

クーレECB理事=必要があればリファイナンス金利引き下げの余地ある。中銀預金金利は必要ならマイナスに引き下げ可能。フォワードガイダンスを強化する準備がある。短期オペで、無制限供給を少なくとも2015年7月まで続ける。常設のファシリティで十分で、長期リファイナンスオペ(LTRO)の再開は必要としない可能性がある。中期インフレ期待が2%から更にかい離すること強く認識すれば、政策対応へ。

ジョルダン・スイス中銀総裁=スイスフランは依然として高水準。

ECB月報=緩和的な金融政策を必要な限り維持することを断固強調。

ノワイエ仏中銀総裁=ECBは必要なら追加措置を取る。

日銀支店長会議=地域経済報告(さくらレポート)公表後、初めて全9地域の景気判断に回復を盛り込み、4月の消費増税後も景気先行き楽観的。

本田内閣官房参与=今年4月以降に、追加の金融緩和が議論される。来年の消費増税の判断、年末から延期するのも選択肢。

ロリエ仏第1副総裁=経済成長見通しは欧州より米国が高く、現在のユーロ高は驚くべき水準。貿易収支は、米国が赤字で欧州は非常に良好。

豪州の新規雇用者数が予想外の減少。


*** 経済指標の結果 ***

8:50 JPY 11月 機械受注=前月比9.3%(予想3.8% 前回0.6%)、前年比16.6%(予想14.1% 前回17.8%)
8:50 JPY 11月 第3支産業活動指数=前月比0.6%(予想0.8% 前回-0.9←-0.7%)
8:50 JPY 12月 企業物価指数=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.0%←0.1%)、前年比2.5%(予想2.6% 前回2.6←2.7%)
9:01 GBP 12月 RICS住宅価格指数=前月比56%(予想60% 前回58%)
9:30 AUD 12月 雇用統計: 失業率=5.8%(予想5.8% 前回5.8%)、新規雇用者数=-2.26万人(予想1.03万人 前回2.1万人)→ 予想外のマイナスに、追加利下げ観測が強まり、AUD売りが加速。
16:00 GER 12月 消費者物価指数・確報値=前月比0.4%(速報値0.4% 11月0.2%)、前年比1.4%(速報値1.4% 11月1.3%)、EU基準前月比0.5%(予想0.5% 11月0.2%)、EU基準前年比1.2%(11月速報値1.2 11月1.6%)
19:00 EUR 12月 消費者物価指数・確報値=前月比0.4%(予想0.3% 速報値-0.1%、11月0.2%)、前年比0.8%(予想0.8% 速報値0.9%)、コア前年比0.7%(予想0.7% 速報値0.9%)→ 前月比はガソリン価格の上昇もあり、前回と速報値を上回ったが、前年比は前回を下回る。
22:30 USD 12月 消費者物価指数=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.0%)、前年比1.5%(予想1.5% 前回1.2%)、コア前月比0.1%(予想0.1% 前回0.2%)、コア前年比1.7%(予想1.7% 前回1.7%)→ コア前月比は前回より低下したが、総合は前回を上回る
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=32.6万件(予想32.5万件 前回32.8←33.0万件)→ 予想を若干上るが前回より減少へ
23:00 USD 11月 対米証券投資=-166億ドル(前回1881億ドル)、長期有価証券(株式スワップ等除く)=-293億ドル(前回287←354億ル)→ 前回の大幅な買い越しから一変
0:00 USD 1月 フィラデルフィア連銀景況指数: 業況指数=9.4(予想8.7 前回6.4←7.0)、新規受注=5.1(前回12.9←15.4)、支払価格=18.7(前回16.4←20.1)、従業員数=10.0(前回4.4←2.2)→ 改定された前回より大幅に上昇し、ドル買いが強まる
0:00 USD 1月 NAHB 住宅市場指数=56(予想58 前回57←58)→ 前回と予想を下回る

0 件のコメント:

コメントを投稿