2014年1月15日水曜日

1月15日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月15日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

為替相場は、JPY安+AUD安+CAD安。GBP高。NZD+EUR変わらず。

米株は上昇。
米債券利回りは上昇。
フィッシャー・ダラス連銀総裁は、早期資産買い入れの縮小を目指すが、株価・債券の調整局面のリスクを示唆。
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁は、早期資産買い入れの縮小を望む。
小売売上高は、予想を上回り米第4四半期の景気回復が加速。

欧州株は上昇。
英消費者物価は、0.2%とBOEターゲットまで低下。
IFOは2013年の独経常収支は、中国を抜き、世界第1位へ。
ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、欧州の経済成長拡大を示唆。

日本株は大幅下落。
日本の経常赤字は、ついに過去最悪となり円売り材料が復活。
サントリーホールディングスは、英ビーム社を160億ドルで買収へGBPJPYが注目。
三菱UFJがサントリーに100~120億ドルのつなぎ資金に同意との報道も。

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◎USDJPYは、日本の経常収支の赤字額は-5928億円と予想外の過去最大の赤字額、貿易赤字額も高水準が続き、円売りが強まるが、アジア株、欧州株は下落へし、日経平均株価は15422.40円と前日比-489.66(-3.08%)激しく下落、103.50円の上値が重くなる。欧州市場に入り、円クロスの買い戻しや実需の買いに103.70円台を回復。米国市場に入り、強い米小売売上高や米株の上昇に103.80円を超えると続伸、104.20台まで上昇。

◎GBPJPYは、サントリーホールディングス=英ビーム社を160億ドルで買収に買い期待に続伸。三菱UFJが100~120億ドルのつなぎ資金に動意との報道もある。

◎EURUSDは、アジア市場の沈滞したムードから、ノボトニー・オーストリア中銀総裁の欧州経済に対して強気発言に、1.3660→1.3700近くまで上昇。IFOの独経常黒字が世界最大へとの予測や、強いユーロ圏鉱工業生産に欧州第4四半期の景気回復の加速が示されたりしたが、クロスのEUR売りも入り、1.3660~90のレンジで推移し、1.37台の復活となはらず。

◎GBPUSDは、アジア市場の小動きから、強い卸売物価とEURUSDの買いに1.6450近くまで上昇したが、前年比2.0%と、BOEターゲットまで下がった弱い消費者物価指数に上値が重くなった。サントリーホールディングス=英ビーム社を160億ドルで買収の案件もあり、投機的な買いが強まり、一時1.6460台へ上昇。

◎AUDUSDは、弱い中国株の流れは止まらず、0.90台での通貨当局のAUD高けん制発言を気にして、いつもの弱いものいじめムードのAUD売り一色。早朝の0.9060台をピークに欧米市場に入っても売り継続で0.8960割れまで続落。AUDNZDは1.0800台→1.0680台まで下落、引き続きAUDNZDの売り方向性は変わらず。


*** 今後の見通し ***

USDJPYは、104.10~20円の金月窓埋め達成。今後の方向性を重視する。103.50円がボトムになり、104円台維持できれば104.60、105円台の再トライへ。

EURUSDは、1.3640~1.3700のレンジを世襲。EURクロスの動きを見ながら、緩やかな上昇の可能性を期待するが、1.38台の上値は重い。ポジションテークは引き続きプライスを見ながらEURGBPの売り。

AUDUSDは、0.8950台維持できるか? 0.8950~0.9050のレンジへの復活のカギで、緩やかな上昇トレンドの継続はまだ変わらず。0.8900割れではストップが多く、ポジションテークは引き続きプライスを見ながらAUDNZDの売り。

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◎サントリーホールディングス=英ビーム社を160億ドルで買収は、実際の手当ての有無や時期は不明ながら短期的に注目されている。三菱UFJがサントリーに100~120億ドルのつなぎ資金に同意との報道もあり、三菱UFJが円からドル変えてドルで融資するのか?(USDJPYの買い要因) それと、サントリーがドルからGBPに変えて買収資金を手当てするのか?(GBPUSDの買い要因)

◎USDJPYは、週初から始まった円売りの調整局面も103円割れまで続落したことで、一巡し、日本の経常赤字が過去最悪に膨らんだことで、この基調は変わらず拡大し再び円売りの材料に使われている。先のボトム103.90円を超え、104.10~20円の金月の窓埋めを達成。問題は、この水準を維持できるかで104.60円、そして、105円台復活への道が開ける。ただし、この水準での売り圧力は強そう。

◎日本株安=円高の方程式で、今後も日本株や海外の株高傾向が続くことが、強い円安の要因となる。債券利回りと株価の関連性と動きが注目されるが、昨日はようやく米株高=債券利回り上昇のパターンが復活。フィッシャー・ダラス連銀総裁は、債券買い入れを早期縮小を期待しながらも、株価の調整局面を示唆しており、今後は株かと円相場の連動性がやや薄れてくる可能性も。

◎EURUSDは、1.3640~1.3700のレンジで変化は見られないが、先のレンジ1.3550~1.3650から、スライドし上昇したこや、欧州の景気回復期待の高まりと、米国の2014年経済成長見通しの一部下方修正に、EUR強気ムードは変わらず。EURクロスの動向に影響を受けるが、時間をかけながら上昇トレンドへ戻り、緩やかに1.38台まで上昇が見込まれるが、引き続き1.38台の上値は重そう。1.3580~85を割り込むとギブアップ。

◎AUDUSDは、上昇も約36時間で終了し、逆に下落し、0.8950~60が重要なポイントでようやく下げ止まる。市場センチメントはミックスだが、0.90台では通貨当局のAUD高けん制発言を警戒していたので、下落はそれほどのサプライズではない。0.8950~60を底値にして、0.8950~0.9050のレンジを予想するが、0.8900割れではストップも見えており、気になっている。0.8950をボトムとして維持できれば、時間を要するが0.9100トライの復活へ。



*** 発言・その他 ***

フィッシャー・ダラス連銀総裁=資産購入は早期の完全終了をめざす。債券買い入れを続ければ、バブル増大のリスクが高まり、株価が低迷しても債券買い入れを早期に縮小スすべき。株価や債券の資産はバブルではないが、正常水準への調整局面に備える必要がある。

プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=米成長は加速し、失業率は一段と低下の見通しで、債券買い入れはバーナンキ議長が示した年内の終了より早い段階での終了を望む。今年は過去の成長より足取りがしっかりとし、予想は、失業率6.2%に低下、インフレ率は2.0%に上昇、成長率は3.0%。労働参加率の低下は、ベビーブーマーの高齢化な人口動態の変化が主因で、低下の加速が見込まれる。

ECB=今年実施するストレステストで、償還日まで保有するソブリン債に時価評価をもとめない。

ギリシャ政府=2013年の中央政府の基礎的財政収支は6.91億ユーロの黒字。

独IFO経済研究所=2013年独経常黒字は、輸出収支が海外に債投資され、2600億ドルと過去最大を更新し、中国を上回り世界第1位の可能性。GDP比7.3%と欧州委員会が設定した上限の6.0%を超え、2014年も7.4%に拡大が予想される。

英消費者物価の前年比は2.0%と、BOEのターゲットまで低下へ。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=欧州経済は1年前とらべ改善、2014年ユーロ圏の成長は、予想1.1%を上回る可能性がある。ドイツやオーストリアは2.0%に達する可能性がある。

サントリーホールディングス=英ビーム社を160億ドルで買収→ GBPJPYの買い材料。


*** 経済指標の結果 ***

8:50 JPY 11月 経常収支=-5928億円(予想-3804億円 前回-1279億円)、貿易収支=-12,543億円(予想-13,095億円、前回-10,919億円)→ 経常収支は過去最大の赤字額
6:00 NZD 第4四半期 NZIER 企業景況感=52%(予想 前回38.0%)
6:45 NZD 12月 QV 住宅価格=前月比2.6%(前回2.4%)、前年比10.0%(予想 前回9.2%)
9:30 GBP 12月 DCLG住宅価格=前月比5.4%(予想5.9% 前回5.5%)
16:00 GER 12月 卸売物価指数=前月比0.4%(前回-0.2%)、前年比-1.8%(前回-2.2%)
16:45 FRN 12月 消費者物価指数=EU基準前月比0.4%、前年比0.8%(予想0.7% 前回0.7%)
18:30 GBP 12月 消費者物価指数=前月比0.4%(予想0.5% 前回0.1%)、前年比2.0%(予想2.1% 前回2.1%)、コア前月比0.1%(予想 前回0.1%)、コア前年比1.7%(予想1.8% 前回1.8%)、小売物価指数(RPI)=前月比0.5%(予想0.5% 前回0.1%)、前年比2.7%(予想2.7% 前回2.6%)、実勢インフレ率(RPIX)=前月比0.5%(予想0.6% 前回0.1%)、前年比2.8%(予想2.8%  前回2.7%)→ 予想を下回り2009年11月以来の低水準
18:30 GBP 12月 生産者物価指数: 産出指数=前月比0.0%(予想0.0% 11月-0.2%)、前年比1.0%(予想1.1% 11月0.8%)、産出指数=コア前月比0.1%(予想0.0% 11月-0.1%)、コア前年比1.0%(予想0.9% 11月0.7%)、投入指数=前月比0.1%(予想-0.2% 11月-0.7%)、前年比-1.2%(予想-1.5% 11月-1.0%)、コア前月比-0.5%(予想 11月-0.5←-0.4%)、コア前年比-1.5%(予想 11月-1.0←-0.8%)
19:00 EUR 11月 鉱工業生産=前月比1.8%(予想1.5% 前回-0.8←-1.1%)、前年比3.0%(予想1.4% 前回0.5%)→ 予想を上回り第4四半期の景気回復が加速へ
22:30 USD 12月 小売売上高=前月比0.2%(予想0.1% 前回0.4←0.7%)、除く自動車前月比0.6%(予想0.4% 前回0.1←0.4%)→ 前回を下回るが予想を若干上回る
22:30 USD 12月 輸入物価指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回-0.9←-0.6%)、前年比-1.3%(予想 前回-1.5%)、輸出物価=前月比0.4%(予想0.1% 前回0.1%)、前年比-1.0%
0:00 USD 11月 企業在庫=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.8←0.7%)、企業売上高=前月比0.8%(前回0.5%)


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