*** ポイント ***
金曜週末、ビックイベントの米雇用統計でマーケットは混乱。
米国市場では、米失業率が労働参加率が62.8%と30年ぶりの低下に、7.0%(予想7.0%)→6.7%に低下し、非農業部門雇用者数は24.1万(予想19.3万人)→7.4万人に予想外に弱い低水準で、強い数字期待が裏切られるネガティブサプライズに、直後はドル買い→ドル売りへと変化。
ドルは全面安。USDJPYは一時105.30台に上昇後→103.80台まで下落、EURUSDは一時1.3570台へ下落後→1.3680台へ上昇、GBPUSDは一時1.6380台へ下落後→1.6490台へ上昇、AUDUSDは一時0.8880台下落後→0.9000台へ上昇。米株は弱く、米債券利回りは低下、金価格は上昇へ。
同時刻に発表された、カナダの雇用統計は、失業率が6.9%→7.2%に上昇し悪化、雇用ネット変化は3.48万人(予想1.46万人)→-4.59万人へと下落。USDCADは1.0860→1.0940台まで上昇し、カナダドル安が目立ったが、終盤にかけては1.0890割れまで値を戻す。
アジア・欧州市場の動き
USDJPYは、緩慢な円売りで、105円のオプション期日前に105円近辺での攻防が続くが、米雇用統計を前に104.80~00円の狭いレンジで動けず。
EURUSDは、前日の強い米ADP全国雇用者数を受けた、直後のドル買い=EUR売りのスタート水準を超えられず、米雇用統計を前にして、1.3590~20の狭いレンジで推移。
AUDUSDは、中国の貿易収支は、輸出が予想外に減少し輸入が予想外に拡大、貿易収支は予想を下回る。発表直後は輸入拡大=内需拡大期待のAUD買い、貿易黒字の削減のAUD売りで拮抗し、0.8880~0.8910の狭いレンジで推移。
GBPUSDは、英鉱工業生産と製造業生産が予想を下回り、1.6470→1.6400台へ下落。米雇用統計を控え動きも鈍く安値圏で推移。
*** 今後の見通し ***
先の強いADP全国雇用者数に膨らんだ期待感は見事に裏切られ、米非農業部門の雇用者数は予想にはるか届かず。労働参加率の低下の要因もあり失業率は6.7%に低下、いよいよ6.5%のターゲットに近づき、FRBは年何に量的緩和を縮小する可能性も残っている。債券利回りは低下しているが、金利先物では一部限月で金利の上昇を示し始めている。
今後も引き続き、米株と金利動向を見ながらの取引になりそうで、来週の米消費者物価指数を見るまでは、極端なドル売りも期待薄。
USDJPYは、引き続き円安トレンドは変わらず。ドルのプラス材料+円の売り材料は変わらず。しかし、米雇用統計を受けてUSDJPYで円高へと動き、一時104円を割り込み直近のストップロスを誘発している。終値ベースで104.50円が重要なポイントとなり、この水準を超えると再び円安方向へ戻ることになるが、それまでは、103.40円をボトムに、104.00~50円、103.60~104.50円のレンジ相場を予想。
EURUSDは、昨日の欧州経済に弱気なドラギECB総裁発言にも大きく値を崩すこともなく、潜在的なEUR買いが続いていることを示唆し、米雇用統計を受けようやく1.3650を超えることができた。目先は1.3620~1.3690、1.3650~1.3720のレンジに入りやすくなっている。
AUDUSDは、中国の経済指標も弱含みで、0.8900を割り込み再びダウントレド入りかと思われたが、0.8880以下の買いに下げ止まり、米雇用統計を受け0.90台へ上昇したが、大きな動きは期待できず。引き続き0.8800がボトムなのか、0.9050がトップなのか判断ができず、0.8950~0.9025のレンジを予想。
*** 発言・その他 ***
オバマ米大統領はFRB理事3名を指名=ブレイナード元財務次官、ウエル理事(再指名)、副議長の後任にフィッシャー前イスラエル中銀総裁。
ブラード・セントルイス連銀総裁=労働参加率が62.8%と30年ぶりの低水準となったが、循環的な動向でははなく、人口動態に起因しており大幅に改善する可能性は少ない。持続的な低インフレが今年も不確定な要素で、年内に1.0%→1.6%に上昇を予想。失業率は6.2%に低下し、GDPは3.2%に上昇を予想。
ラッカー・リッチモンド連銀総裁=1月28~29日のFOMCで、100億ドルの債券購入の追加削減が討議される。オバマケアが経済に与える影響や、財政政策や家計支出の減少、雇用・投資への企業の消極姿勢に、2014年米成長率は2.0%近くまで鈍化を予想。
PIMCOのグロス氏=FRBは2016年までFF金利を0.25%比較に維持。量的緩和を2014年末までに終了。
ウルビライネン・フィンランド財務相=残念ながらユーロ圏危機の終了は約束できない。
ロイター社の推計データ=2013年のアジア13カ国の外貨準備は過去最大で、前年比約12.0%増加した。
仏中銀=仏第4四半期GDPは前期比0.5%の見込み。
コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁=米国は高失業率と低インフレに直面しており、FRBの量的緩和縮小に反対。
米超党派議員=国際的な通常協定で、貿易促進権限(TPA)と呼ばれる法案ご議会に提出。米政府が合意した通商協定の内容について、議会による修正を制限する内容で、米国の通商交渉相手に対し為替操作の回避が目標として設定される可能性がある。
米暫定予算協議難航(9日)=1月15日期限の米暫定予算を決める歳出法案の協議が難航。
バーナンキFRB議長(9日上院議員との会議)=連邦財政赤字の問題より、中間層の所得や平均的な世帯の成長を強く懸念。米経済見通しは楽観的。
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