2013年12月9日月曜日

12月9日(月曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し

12月9日(月曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

週明けの為替市場は、先週金曜日の強い米雇用統計=ドル安相場のサプライズにやや疑問をもちながらも、10月の政府機関一部閉鎖で、一時的にレイオフされた反動との観測もあり、労働人口の減少による失業率の低下もドルロングになりきれない理由となっている。

結果、FRBの量的緩和の縮小開始も、12月、1月とする予想はあるが、次期FRB総裁の就任後の3月との予想も引き続き多い。いずれにしても、強い米雇用統計や強い数字にもドル高へと動かない相場に対して、ドル円を除き、ドル先安感が強まっている。

8日(日曜)に発表された中国の貿易収支を好感してAUDUSD+NZDUSDは買い先行で始まったが、中国の消費者物価指数は予想より若干ながら弱く伸び悩む。

日本の経常収支が久々の赤字転落、日本の第3四半期GDP改定値は下方修正されたが、日経平均株価が先週末比+350.35+2.29%と大幅に上昇、USDJPYは103円台の大台で伸び悩んではいるが、押し目も非常に限定的。


*** 今後の見通し ***

USDJPYは、3日の高値103.38円を直前にして伸び悩んでいるが、上昇トレンドは変わらず。102.90,102.60円をボトムにし、上値を試す動きは暫く止まず。

EURUSDは、1.36の攻防を打ち破り1.37台を達成し、10月後半の高値1.3825が手の届く位置にきている。1.37台は利食いの売りが多そうで一時的に売りが強まる可能性が高い水準となっているが、1.3650をボトムにし、1.3670~80近辺では買いへ。

AUDUSDは、0.9110~30の売りに上げどまりながらも、0.9070~90のレンジで推移し底値も緩やかに切り上がっている。この水準では買いも売りも決め打ちできかねるが、0.9050近辺では買いイントが強まり、先の高値0.9130を再びトライする動きを期待している。


*** 発言・その他 ***

ギリシャの第3四半期GDP・改定値=前年比-3.0%(速報値-3.0%)、11月インフレ率=前期比-2.9%(10月-1.9%)→ 予想外の低下で統計開始の1960年以来最大のマイナス幅。

フランス中銀=第4四半期GDPの前期比予想を0.4%→0.5%に引き上げる。

メルシュECB専務理事=ECBの量的緩和は可能だが、政治・司法・経済上で多大な問題が生じる。

ファーマシカゴ大学教授・ノーベル経済学賞受賞者=11月の米雇用統計には自信が持てない。欧米諸国で財政赤字が膨らみ、信用喪失で資金調達ができなくなり世界経済の脅威となり、2014年に世界的なリセッションのリスクがある。

米財政協議=13日の期限前に最終調整が続く。


*** 経済指標の結果 ***

12:42 CHN 11月 貿易収支=338.01億ドル(予想217億ドル 10月311.1億ドル)、輸出2022.1億ドル(10月1854.1億ドル)・12.7%(予想6.2% 10月5.6%)、輸入1684.0億ドル(10月1543億ドル)・5.3%(予想6.4% 10月7.6%)→ 貿易収支の黒字額は予想を上回るが、輸出入の伸び率は予想を下回る
8:50 JPY 10月 経常収支=-1279億円(予想1489億円 前回5873億円)→ 予想外のマイナスで1月以来となる赤字転落へ、貿易収支=100919億円(予想-10055億円 前回-8748億円)、輸出58332億円、輸入69251億円、サービス収支-3137億円、所得収支13615億円、貿易サービス収支-14055億円→ エネルギー資源の輸入が相変わらず高水準
8:50 JPY 第3四半期GDP・二次速報=前期比0.3%(予想0.4% 前回0.5%)、前年比1.1%(予想1.6% 前回1.9%)→ 予想を下回り速報値から下方修正される
10:30 CHN 11月 消費者物価=前年比3.0%(予想3.1% 前回3.2%)、生産者物価=前年比-1.4%(予想-1.5% 前回-1.5%)→ 予想をやや下回る
15:45 CHF 11月 失業率=3.2%(予想3.2% 前回3.1%)
16:00 GER 10月 経常収支=191億ユーロ(予想170億ユーロ 前回200←197億ユーロ)、貿易収支・季調済=168億ユーロ(予想185億ユーロ 9月187億ユーロ)、輸出929億ユーロ・(予想 前回927億ユーロ)・(1.6%←1.7%)、輸入761億ユーロ(予想 前回740億ユーロ)・(2.9% 前回-1.9%)→ 
17:15 CHF 10月 小売売上高=前年比1.2(予想2.1% 前回1.0%)
18:30 EUR 12月 センティックス投資家信頼感指数=8.0(予想10.4 前回9.3)→ 予想と前回を下回る
19:00 GRE ギリシャ 第3四半期GDP・改定値=前年比-3.0%(速報値-3.0%)、
19:00 GRE ギリシャ 11月 消費者物価指数(HICP)=前期比-2.9%(10月-1.9%)→ 予想外の低下で統計開始の1960年以来最大のマイナス幅。
20:00 GER 10月 鉱工業生産=前月比-1.2%(予想0.7% 前回-0.7%←-0.9%)、前年比1.0%(予想3.1% 前回0.6%←1.0%)→ 前月比は予想外にマイナス幅が拡大し、前年比も弱い

0 件のコメント:

コメントを投稿