*** ポイント ***
FOMCと年末を控えたポジション調整の流れが続き、ECBのマイナス金利と量的緩和を期待したEURショートポジションの巻き戻しと、大幅に膨らんだ円ショートポジションの巻き戻しが強まる。
前日の米ADP全米雇用報告と、今日のチャレンジャー社企業人員削減、新規失業保険申請件数は予想外に良好で、雇用の改善が見られ、米第3四半期GDP・改定値は上方修正され、米雇用統計でも雇用の改善が期待されるが、ドル買いの動きは弱い。
日経平均株価は、二日続けての大幅な下げとなり、米ダウ工業株価が今週に入り続落傾向をたどり、為替市場でも利益確定の動きが続き、米債利回りは上昇へ。
BOEとECBは共に現行の金融政策の維持を決定。ドラギECB総裁の記者会見では、ユーロ圏は長期にわたる低インフレに直面している可能性を指摘、一時EUR売りが強まったが、経済の穏やかな回復を示唆、ECBスタッフ見通しでは成長見通しの引き上げたことで、EUR買いへと変化。過去6日の揉み合いから1.3650を上抜けし、10月31日の水準へ上昇。
ポンドは、英政府の成長見通しの大幅上方修正にもかかわらず、英国が2015年から、海外投資家の住宅売却益にキャピタルゲイン税を徴収する方針を決めたことで軟調に推移、EURUSDの上昇も加わり、EURGBPは0.8290台→0.8370台へ上昇。
日経平均株価は午後から下落が始まり前日比-230.45-1.50%と大幅下落へ、中国株も軟調に推移。欧州株は弱くEUROSTOXX50は-38.59-1.29%下落し、米株も軟調に推移。
*** 今後の見通し ***
今日は週末で、米雇用統計の発表が控えている。直近の米成長率は強く、雇用関連の経済指標は強く、今日の非農業部門雇用者数も17.5万~18.5万人増と強い数字が予想されており、20万との予想も見られ、結果待ちの動きになりやすいが、良い数字はある程度市場に織り込み済み。
◎USDJPYは、株安に円売りも弱く、FOMCと年末を控えたポジション調整の流れが続いている。中長期の円安は変わらずだが、短期的なシグナルは売りへと変化し、円売り再開には予想外に時間が必要となってきている。IMMの円ショートポジションも大幅に拡大、米雇用統計とFOMCを前に巻き戻す動きがより強く支配する動きへと変化し、101.70~80を割り込み続落の可能性が高まり、戻りも102.20~40円へと限定的。
◎EURUSD、ドラギECB総裁の記者会見後のEURR売り底値を確認し、ついに1.3650を上回る。EURショートの巻き戻しが中心で、EURロングポジションも少なく上昇余地は広く、過去6日の揉み合いから上抜けし、1.36をボトムにし1.37~1.38の水準へ。ただし、今日の米雇用統計の発表が控えていることから、その結果待ち。
◎AUDUSD、前日の予想外の弱いGDP、豪ドル高けん制発言の継続に、追加緩和の期待感がまたしても浮上し、一時0.90近く下落。なんとか0.90の大台を維持し、0.9040~50を上抜けしてからは短期投機筋の買い戻しに上昇したが、0.9100の大台を回復するまでは、引き続き戻り売り圧力が続く可能性が高い。ただし、年末年始のタイミングに思いがけない動きは注意しなければならないものの、短期的なAUD売りに反して、中長期的には0.90以下は売り水準とは思えない。
*** 発言・その他 ***
フィッチャー・ダラス連銀総裁=量的緩和の縮小で、失業率目標を6.5%から引き下げることに反対。新興国経済に深刻なリスクが存在する可能性がある。失業率は低下しているが満足できる水準ではない。
PIMCOのグロス氏=FRBは債券購入の終了を考えており、2014年末に終了させた後に、フォワードガイダンスに特化するだろう。
ロックハート・アトランタ連銀総裁=米経済は好調で、FRBはこれからのFOMCで資産買い入れプログラムの縮小の開始を検討する必要がある。米第3四半期のGDPは強い伸びとなったが成長のトレンドは示唆せず。
英政府は経済成長率見通しを大幅に上方修正=オズボーン英財務相は議会証言で、2013年成長率0.6%→1.4%に、2014-2015年1.8%→2.4%に大幅に上方修正へ。英経済は米国や他の先進国よりも強く成長し、政府借り入れのGDP比率は7.5%→6.8%に低下を予想。
英予算責任局(OBR)=構造的財政赤字が解消するのは2017年・2018年で、目標期限の2014年・2015年から遅れる。
英政府はキャピタルゲイン税の徴収へ=オズボーン英財務相は2015年から、海外投資家が自宅として使用していない住宅の売却にキャピタルゲイン税を徴収する方針。
ドラギECB総裁の記者会見=あらゆる手段を検討する用意があるが、具体的に決めていない。マイナス金利は簡単に議論した。ユーロ圏は長期にわたる低インフレに直面している可能性がある。 必要な限り緩和策を維持。ユーロ圏の成長リスクは引き続き下向き。今回の会合で利下げの提案はない。経済は穏やかに回復へ。
ECBスタッフ予想=成長見通し2014年(9月予想)1.0%→1.1%へ上方修正し、2015年1.5%、インフレ見通しを2014年1.3%(9月予想)→1.1%に下方修正、2015年1.3%。
ECB金融政策発表=政策金利0.25%の据え置きと、下限金利0.0%と上限金利0.75%の据え置きを決定、予想通り。
BOE金融政策発表=政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り。
ノルウェー中銀=政策金利1.5%に据え置きを予想通り決定、利上げ時期は市場予想の2014年12月の予想に反して、2014年夏→2015年夏に変更。
ラガルドIMF専務理事=スペインの銀行は資本増強と再編により底堅く健全。
オズボーン英財務相(議会証言)=英国の成長率見通し3月予想分との比較は、2013年0.6%→1.4%、2014年1.8%→2.4%、2015年2.3%→2.2%、失業率見通しは、2015年=7.0%、2018年=5.6%→ GBP買い材料。
日本政府は経済対策を閣議決定=国費5.5兆円、事業規模18.6兆円。
黒田日銀総裁=インフレ率が2.0%を持続的に達成できるまで、現行の緩和を継続する。
中国、中央経済工作会議を近く開催=成長率目標、インフレ率などの経済目標を討議。
*** 経済指標の結果 ***
9:30 AUD 10月 貿易収支=-5.29億豪ドル(予想-3.75億豪ドル 前回-2.84億豪ドル)→ 赤字幅が拡大へ
15:30 FRN 第3四半期 失業率=10.9%(予想 前回10.8%←10.9%)
21:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り
21:30 USD 11月 チャレンジャー社 企業人員削減数=前月比-4.2%、前年比-20.6%(予想 前回-4.2%)→ 削減数は大幅に減少
21:45 EUR ECB金融政策発表=政策金利0.25%の据え置きと、下限金利0.0%と上限金利0.75%の据え置きを決定、予想通り
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=29.8万件(予想 前回32.1万件←31.6万件)
22:30 USD 第3四半期GDP・改定値=前年比3.6%(予想2.9% 速報値2.8%)、デフレーター2.0%(予想1.9% 速報値1.9%) 個人消費1.4%(予想1.5% 速報値1.5%)→ 上方修正され2012年第1四半期来の高水準
22:30 USD 第3四半期 企業利益=前期比2.6%(予想3.0% 前期3.5%)→ 予想と前回を下回る
22:30 CAD 10月 住宅建設許可件数=前月比7.4%(予想1.0% 前回4.1%←1.7%)→ 前回が上昇修正され、予想を大幅に上回る
0:00 USD 10月 製造業受注指数=前月比-0.9%(予想-1.0% 9月1.8%)
0:00 CAD 11月 Ivey購買部協会指数=53.7(予想59.5 前回62.8)→ 予想と前回を下回る
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