2013年12月5日木曜日

12月5日(木曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し

12月5日(木曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

昨日の米ADP全米雇用報告と、今日のチャレンジャー社企業人員削減、新規失業保険申請件数は予想外に良好で、雇用の改善が見られ、米第3四半期GDP・改定値は上方修正され、米雇用統計でも雇用の改善が期待される。

日経平均株価は、二日続けての大幅な下げとなり、米ダウ工業株価が今週に入り続落傾向をたどり、為替市場でも利益確定の動きが続き、米債利回りは上昇へ。

BOEとECBは共に現行の金融政策の維持を決定。ドラギECB総裁の記者会見では、ユーロ圏は長期にわたる低インフレに直面している可能性を指摘、一時EUR売りが強まったが、成長見通しの引き上げにEUR買いへと変化。


*** 今後の見通し ***

◎USDJPYは、株安に円売りも弱く、FOMCと年末を控えたポジション調整の流れが続いている。中長期の円安は変わらずだが、短期的なシグナルは売りへと変化し、円売り再開には予想外に時間が必要となってきている。IMMの円ショートポジションも大幅に拡大、米雇用統計とFOMCを前に巻き戻す動きがより強く支配する動きへと変化し、短期的には101.70~80を割り込むとストップロスの売りが出やすいので注意。

◎EURUSD、1.35台を維持1.36台の上値は重く動きが緩慢になっている。ドラギECB総裁の記者会見を受けEUR売りが一時強まったが、1.3550以下の買いは引き続き厚い。強い米経済指標と米雇用統計前のポジション調整に積極的な動きは見られないが、EURロングもそれほど多いとは思えず、1.3650を狙う動きは続いている。

◎AUDUSD、前日の予想外の弱いGDP、豪ドル高けん制発言の継続に、追加緩和の期待感がまたしても浮上し、一時0.90割れまで下落。過去5日間の安値を完全に割り込み、0.90割れ達成後の買い戻しも力弱く、底値を試さざるを得ない状態になっている。テクニカルでも買いを支持する動きも見られず、0.9040~60が大きな壁になる。


*** 発言・その他 ***

ロックハート・アトランタ連銀総裁=米経済は好調で、FRBはこれからのFOMCで資産買い入れプログラムの縮小の開始を検討する必要がある。

オズボーン英財務相=2015年から、海外投資家が自宅として使用していない住宅の売却にキャピタルゲイン税を徴収する方針。

ドラギECB総裁の記者会見=ユーロ圏は長期にわたる低インフレに直面している可能性がある。 必要な限り緩和策を維持。ユーロ圏の成長リスクは引き続き下向き。

ECBスタッフ予想=2014年成長見通しを1.1%へ上方修正し、インフレ見通しを下方修正。

ECB金融政策発表=政策金利0.25%の据え置きと、下限金利0.0%と上限金利0.75%の据え置きを決定、予想通り。

BOE金融政策発表=政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り。

ノルウェー中銀=政策金利1.5%に据え置きを予想通り決定、利上げ時期は市場予想の2014年12月の予想に反して、2014年夏→2015年夏に変更。

ラガルドIMF専務理事=スペインの銀行は資本増強と再編により底堅く健全。

オズボーン英財務相(議会証言)=英国の成長率見通し3月予想分との比較は、2013年0.6%→1.4%、2014年1.8%→2.4%、2015年2.3%→2.2%、失業率見通しは、2015年=7.0%、2018年=5.6%→ GBP買い材料。

日本政府は経済対策を承認=国費5.5兆円、事業規模18.6兆円。

黒田日銀総裁=インフレ率が2.0%を持続的に達成できるまで、現行の緩和を継続する。

中国、中央経済工作会議を近く開催=成長率目標、インフレ率などの経済目標を討議。

日経平均株価は午後から下落が始まり前日比-230.45-1.50%と大幅下落へ、中国株も軟調に推移。

*** 経済指標の結果 ***

9:30 AUD 10月 貿易収支=-5.29億豪ドル(予想-3.75億豪ドル 前回-2.84億豪ドル)→ 赤字幅が拡大へ
15:30 FRN 第3四半期 失業率=10.9%(予想 前回10.8%←10.9%)
21:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り
21:30 USD 11月 チャレンジャー社 企業人員削減数=前月比-4.2%、前年比-20.6%(予想 前回-4.2%)→ 削減数は大幅に減少
21:45 EUR ECB金融政策発表=政策金利0.25%の据え置きと、下限金利0.0%と上限金利0.75%の据え置きを決定、予想通り
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=29.8万件(予想 前回32.1万件←31.6万件)
22:30 USD 第3四半期GDP・改定値=前年比3.6%(予想2.9% 速報値2.8%)、デフレーター2.0%(予想1.9% 速報値1.9%) 個人消費1.4%(予想1.5% 速報値1.5%)→ 上方修正される
22:30 USD 第3四半期 企業利益=前期比2.6%(予想3.0% 前期3.5%)→ 予想と前回を下回る

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