2013年12月7日土曜日

12月7日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月7日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

◎米雇用統計は予想外に強い数字に一時「金利上昇+株安+ドル買い」へ。続く、米個人消費支出も強く消費の回復を示し、ミシガン大学消費者信頼感指数も5カ月ぶりの高水準で信頼感の回復が強まるが反応は、なぜか逆方向へと変化。

◎米短期金利は上昇するも長期金利は変わらず、米株価は上昇、為替市場はUSDJPYでのドル買いは続くが、他の主要通貨では総じてドル安へ。

◎市場の動きはドル安+EUR全面高+円全面安。
①EURUSDはついに1.37台を達成、EURAUDは一時0.91台を達成、EURGBPは一時0.8390近くまで上昇。
②USDJPYは102.80台へ上昇、23年ぶりの高値を付けたCHFJPYの上昇は止まらずついに一時105.40台へ、EURJPYは一時ついに141円台を達成、GBPJPYも一時168.20台まで上昇、AUDJPYも一時93.70近くまで上昇。
③AUDUSDはついに一時0.91台を達成、NZDUSDは0.8280台を回復、USDCHFは一時0.8910台へと続落。

*** 今後の見通し ***

強い米雇用統計、強い米消費者マインド。12月18日のFOMCで、量的緩和の縮小期待は払しょくできず、1月のFOMCでその可能性が以前より強まり、2014年度の財政協議の期限13日を前に、市場はなぜかリスクポジションを維持。

週末の動きに一喜一憂することは躊躇するが、
円クロスの円売りの値動きをみていると、大きな円売りの流れ再開としか考えにくく、USDJPYもその影響を受け103.37円の先の高値をトライし、さらに続伸する可能性が高まっている。

EURUSDがついに10月25日の1.38台を付けた後に、下げが加速した水準となる1.37まで上昇したことで、1.3830台の高値更新の動きが高まっている。

AUDUSDは、米雇用統計直後に約3度目の下値トライとなる0.90割れから0.91台まで復活したことで、底値達成感も感じられる。大幅に続伸するまでの勢いはあるとは思えないが、0.9050~0.9150のレンジを続け、0.9100~0.9200のレンジへと緩やかな押し目買いへと変化する可能性がでている。


*** 発言・その他 ***

⇒ バンカメ調査=4日終了週に世界の株式ファンドは、FRBの量的緩和の縮小が不透明で、20億ドルの資金純流出となった。前週は流入130億ドルで流出は4週間ぶり。

⇒ エバンズ・シカゴ連銀総裁=強い米雇用統計で、米経済は正しい方向に進んでいる。雇用市場の改善を示す一段の兆候を見極めたい。FRBは金利見通しをより明確にすべきで、利上げ時期の目安となる数値基準の失業率6.5%を6.0%に変えることが方法となる。

⇒ プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=雇用統計は非常に前向きで、FRBは資産買い入れの縮小に踏み切ることが賢明。資産買い入れの上限と終了時期を設定すべきで、早い方が望ましいい。

⇒ ファーマン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長=失業率の低下は、短期失業者の就業によるもので、非常に多くの長期失業者がいる。失業保険の給付期間を延長することが重要で、緊急失業保険は、議会の期間延長で合意がなければ1月1日に失効する。

⇒ PIMCOのグロース氏=米雇用者数の増加で、FRBが債券購入の縮小に動く可能性は50%。FRBは2016年まで政策金利を現行水準に据え置くと予想。主要市場は人為的な影響による水準にあり、金利上昇のリスクが強まっている。

⇒ 自民党税制調査会=法人実行税率の引き下げは中期的な課題で、2014年度税制改正での結論を見送る。

⇒ 中国政治局会議=構造改革を2014年に加速する方針。

⇒ ECB=欧州の銀行はLTRO70.7億ユーロを来週返済→ 11月以降返済額が急拡大。

⇒ 独連銀=成長率見通し2013年0.3%→0.5%、2014年1.5%→1.7%に引き下げ、インフレ見通し2013年1.6%で据え置く、2014年1.5%→1.3%に引き下げる。

⇒ 伊藤教授(公的年金の改革を議論する政府の有識者会議の座長)=三谷年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長の「基本ポートフォリオは目標値で、中心に向けて調整するのがわれわれに課せられた責務と解釈しており、乖離許容幅の範囲内なら、どこでも良いかは厚生労働省や運用委員会と相談する必要がある」との発言は誤解。

⇒ 伊藤教授は、基本ポートフォリオのかい離許容幅を利用し下限52%まで引き下げるべき。GPIFは国内債券の一部を直ちに売却すべきで、早期の対応がデフレ脱却と運用改善、財背負担増の回避で整合的→ この発言を受けて円売りが強まる。

⇒ 米財政協議は提言の期限となる12月13日までに合意する可能性。


*** 経済指標の結果 ***

17:00 GBP 11月 ハリファックス住宅価格指数=前月比1.1%(予想0.6% 前回1.3%)、。前年比7.7%(予想7.2% 前回6.9%)→ 予想を上回りGBP買いが強まる
17:15 CHF 11月 消費者物価指数=前月比0.0%(予想-0.2% 前回-0.1%)、前年0.1%(比予想-0.1% 前回-0.3%)→
20:00 GER 10月 製造業受注=前月比-2.2%(予想-0.5% 前回3.1←3.3%)、前年比1.9%(予想4.1% 前回7.8%←7.9%)→ 予想を下回り前回は下方修正される
22:30 USD 10月 個人所得=前月比-0.1%(予想0.3% 9月0.5% 8月0.5% 7月0.2%)、個人消費支出=前月比0.3%(予想0.2% 9月0.2% 8月0.3% 7月0.1%)、PCE価格指数=前月比0.0%(予想0.1% 9月0.1% 8月0.1% 7月0.1%)、前年比0.7%(予想0.7% 9月0.9% 8月1.1% 7月1.3%)、、コアPCE価格指数=前月比0.1%(予想0.1% 9月0.1% 8月0.1% 7月0.1%)、前年比1.1%(予想1.1% 9月1.2% 8月1.2% 7月1.1%)→ 個人消費は予想と前月を上回り消費の回復を示す
22:30 USD 11月 雇用統計: 失業率=7.0%(予想7.2% 10月7.3% 9月7.2%)、非農業部門雇用者数=20.3万人(予想17.5~18.5万人 10月20.0←20.4万人 9月17.5←16.3万人)、民間部門雇用者数=19.6万人(予想18.5万人 10月21.4←21.2万人 9月16.8→15.0万人)、政府7000人(10月-14000←-8000人)、製造業27000人(10月16000←19000人、9月8000←4000人)、平均週間労働時間34.5(予想34.5時間 10月34.4時間 9月34.4時間)、時間当たり賃金+0.2%(予想0.2% 10月+0.1%)・24.15ドル(10月24.11←24.10ドル 9月24.09←24.08ドル)、労働参加率63%(10月62.8%)→ 予想を上回る改善に一時ドル買いが強まるが、逆にドル安へと変化
22:30 CAD 雇用統計: 11月 失業率6.9%(予想6.9% 10月6.9%)、雇用者数2.16万人(予想1.2万人 10月1.32万人)
23:55 USD 12月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=82.5(予想74.0 11月75.1)、景気現況指数97.9(11月88.0)、消費者期待指数72.7(11月66.8)、1年インフレ3.0%(11月2.9%)、5年インフレ2.8%(11月2.9%)→ 予想を上回り5カ月ぶりの高水準で信頼感の回復が強まる
5:00 USD 10月 消費者信用残高=前月比181.9億ドル(予想145億ドル 前回162.9←137.4億ドル)

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