2013年12月5日木曜日

12月5日(木曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月5日(木曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

ADP全米雇用報告が強く、6日の米雇用統計の改善が期待され、18日のFOMCで量的緩和の縮小の可能性の高まりに、米金利は上昇しドル買いへ。

新築一戸建て住宅販売は強かったが、米ISM非製造業景況指数が弱く、米株も下落へと変化。S&Pの英経済見通し引き上げの可能性を受けたGBP買いに、ドル売りへと変化。

米地区連銀経済報告書は、米経済の拡大を示唆し、個人消費と小売は楽観的。米財政協議が合意に近いとの報道に、米株も下げ止まり、ドル売りの流れも止まる。そして、ムーディーズがスペインの格付け見通しを安定的に変更し、EURも堅調に推移。

USDJPYは、101.80円台まで下落後に反発へ。EURUSDは、1.3530~1.3600で収れんし、1.3600で変わらず。GBPUSDは、1.6330~1.6400のレンジで収れんし、1.6390で変わらず。。USDCADは、カナダ中銀声明で今後の利下げ観測も浮上し、カナダドル安へ。AUDUSDは、一時0.90の大台を割り込み、続落傾向は止まらず。


*** 今後の見通し ***

週末米雇用統計の前哨戦となるADP全米雇用報告は強く、明日6日の米非農業部門雇用者数の予想を上方修正する動きも見られ、ドル売りが強まる材料はなし。

昨日のISM非製造業景気指数は予想外に弱い数字となったが、それ以外では、米貿易収支の赤字額は前月より減少し輸出は過去最高へ、米新築一戸建て住宅販売は強く33年ぶりの伸び率とプラス材料が続き、ドル売りの材料が出揃っているわけではない。

◎USDJPY、一昨日から、株価と円相場の連想性の比例に若干変化があり、米雇用統計とFOMC前に動きがやや変わってきている。

日銀の追加緩和期待と、国内投資家や公的資金の海外への移動による円安期待に、102.00円のボトム感は変わらず、時間をかけながら103.50円を目指す動きは変わらずながら、短期的なシグナルは売りへと変化し、予想外に時間が必要となってきている。

IMMの円ショートポジションも大幅に拡大、米雇用統計とFOMCを前に巻き戻す動きがより強く支配する動きへと変化し、短期的には101.70~80を割り込むとストップロスの売りが出やすいので注意。

◎EURUSD、1.35台を維持1.36台の上値は重く、完全にロック状態で動けず。1.3650を超えと再びセンチメントはEUR高への動きが期待できるが、最近の強い米経済指標に積極的なEUR買いも続けることはできず。

◎AUDUSD、前日の予想外の弱いGDP、豪ドル高けん制発言の継続に、追加緩和の期待感がまたしても浮上し、一時0.90割れまで下落。過去5日間の安値を完全に割り込み、0.90割れ達成後の買い戻しも力弱く、底値を試さざるを得ない状態になっている。テクニカルでも買いを支持する動きも見られず、0.9040~60が大きな壁になっている。


*** 発言・その他 ***

ムーディーズ=スペインの格付け身とそ日を安定的に変更へ。

CNBC=米議会上院両院の財政協議は、2年で900億ドルの合意に近いと報道。

米地区連銀経済報告書(ベージュブック)=米経済は10月始め~11月半ばにかけて引き続き緩慢ないし、まずまずのペースで拡大。製造業、テクノロジーや住宅の分野で活動が上向く。雇用は緩慢なペースで増加、もしくは横ばい、個人消費は全国的に伸び、小売業者はホリデーシーズンの売り上げについて楽観的。

S&P=経済の持続可能性に対する疑念は払拭できないが、今年これまでの英景気の上振れは驚きで、予想を上回る成長が続けば、英国の格付け見通し「ネガティブ」から「安定的」になる可能性がある→ この報道にGBP買いが強まりドル売りの流れを先導したが
動きは限定的。

カナダ中銀=政策金利1.0%の据え置きを予想通り決定。声明では、ディスインフレに陥る可能性が強まる→ 来年の利下げ観測も浮上へ。

米ADP全米雇用報告は強く、米貿易収支の赤字額は前月より減少し輸出は過去最高へ、米新築一戸建て住宅販売は強く33年ぶりの伸び率とプラス材料が続くが、ISM非製造業景気指数は予想外に弱い数字。

中国共産党政治局=新都市化計画で、土地改革を推進する方針。

バイデン米副大統領=米中は協力を拡大し成果を出す必要がある。習近平国家主席の、素直に意見相違に対処する姿勢に感銘を受けた。

西室日本郵政社長=国債の安定保有は社会的責任で、政府の年金改革への影響は全くない。

三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長=運用資産の6割を占める国内債の比率を引き下げる必要は当面ないが、ある時点で、もう少し落とさざるを得ない。足元の消費者物価上昇は需要超過ではなく、円安で輸入物価高が主因で、日銀の追加金融緩和もあり得る上、米欧ではインフレ率が鈍化傾向にある。長期国債利回りが簡単に上がるとは考えにくい。国内債の構成比率はすでに漸減傾向にあり、意図的に低下させなくても、再来年の3月には60%→52%になる。

三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長=円相場は貿易赤字などを背景に、安くなる方向にある。国内株価の上昇は決してバブルではなく、欧米と比較しても上昇余地は十分ある。

佐藤日銀審議委員=今後追加緩和を実施しても、4月の導入時のようなショックを市場に与えることは難し。 2年で2%の物価安定目標の達成が困難になる場合には、何らかの対応を考える必要がある。

安倍首相=黒田日銀総裁が金融策を適切に判断、躊躇なく動くと発言したのもしいい。

JPモルガン証券会社=米債券投資家は米雇用統計を前に、長期債保有は21%→13%に低下へ。

ウィリアムズ・SF連銀総裁=超過準備金の引き下げは理にかなう。市場の混乱を防ぐために、FRBは利上げに踏み切る条件を積極的に明示すべき。

*** 主な経済指標 ***

9:30 AUD 第3四半期GDP=前期比0.6%(予想0.7% 前回0.6%)、前年比2.3%(予想2.5% 前回2.6%)→ 予想を下回り、前年比は伸びが鈍化しAUD売りが強まる
10:45 CHN 11月 HSBCサービス業PMI=52.5(予想 前回52.6)→ 前回を若干下回ったが、高水準を維持
17:45 ITL 11月 サービス業PMI・改定値=47.2(予想50.4 前回50.5)→ 予想と前回を大幅に下回る
17:50 FRN 11月 総合PMI・改定値=48.0(予想 速報48.5 10月50.5)、サービス業PMI・改定値=48.0(予想48.8 速報48.8  10月50.9)→ 予想と速報値を下回る
17:53 GER 11月 総合PMI・改定値=55.4(予想 速報54.3 10月53.2)、サービス業PMI・改定値=55.7(予想54.5 速報54.5 10月52.9)→ 予想と速報値を上回る
17:58 EUR 11月 総合PMI・改定値=51.7(予想 速報51.5 10月51.9)、サービス業PMI・改定値=51.2(予想50.9 速報50.9 10月51.6)→ 速報値から上方修正
18:30 GBP 11月 サービス業PMI=60(予想62.0 前回62.5)→ 予想と前回を下回り一時GBP売りが強まる
19:00 EUR 第3四半期GDP・改定値=前期比0.1%(予想0.1% 速報値0.1%)、前年比-0.4%(予想-0.4% 速報値-0.4%)
19:00 EUR 10月 小売売上高=前月比-0.2%(予想0.0% 前回-0.6%)、前年比-0.1%(予想0.9% 前回0.3%)→ 予想を下回る
22:15 USD 11月 ADP全米雇用報告=21.5万人(予想16.5万人 前回18.4←13.0万人)→ 前回が上方修正され、予想を大幅に上回り、ドル買いが強まる
22:30 USD 10月 貿易収支=-406.4億ドル(予想-400.1億ドル 9月-429.7億ドル←-417.8億ドル)、輸出1.8%・1926.7億ドル(9月1893.1)、輸入0.4%・2333.1億ドル(9月2322.8億ドル)→ 前月よりも減少し、輸出は過去最高へ
22:30 CAD 10月 貿易収支=750億カナダドル(予想-7.3億カナダドル 前回-3億カナダドル)→ 予想外のプラスへ
0:00 USD 9月、10月 新築一戸建て住宅販売=10月 前月比25.4%・44.4万戸(予想42.8万戸 9月前年比-6.6%・35.4万戸 8月37.9万戸)、前年比21.6%、販売価格・中央値24.58万ドル(9月25.74、8月25.86万ドル)→ 予想と前回を大幅に上回り、33年ぶりの伸び率
0:00 USD 11月 ISM非製造業景気指数=53.9(予想55.0 10月55.4)、景気55.5(10月59.7)、新規受注56.4(10月56.8)、価格52.2(10月56.1)、雇用52.5(10月56.2)→ 予想と前回を下回りる予想外に弱い数字
0:00 CAD カナダ中銀 金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを決定、予想通り
4:00 USD 米地区連銀経済報告書(ベージュブック)公表
USD 11月 総合PMI・改定値=56.2(速報57.1 前月49.6)、サービス業PMI・改定値55.9(前月49.3)→ 速報値から下方修正されたが、前月を大幅に上回る

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