11月30日(土曜) 昨日の海外為替市場と、今後の見通し
*** ポイント ***
週末・月末、米感謝祭翌日(ブラックフライデー)で基本は「値動きは少なく取引閑散」。
ロンドンフィキシングでGBP買いに、GBPUSD1.6350→1.6380台へ上昇、EURGBPは下落。
ヒーローは英ポンド。GBPUSDは1月2日の高値1.6380に並ぶ、1.6384まで上昇。EURGBPは11月7日の0.8230に並ぶ、0.8297まで下落。GBPJPYは167円台と2008年10月の水準へ上昇を継続。
米株はブラックフライデーの短縮取引、米株高=リスクオン=弱いながら円売りへ→ 引け間際米株下落へ=円売が弱まり、EURUSDは1.3610→1.3580台まで下落。
カナダGDPは前年比2.7%(前回1.6%)と強かったが、USDCAD一時的1.5060割れ、ロンドンフィキシング後に1.0620台へ上昇、結局はカナダドル安へ。
注目のユーロ圏のCPIは前年比0.9%(前回0.7%)に加速、失業率は12.1%(前回12.2%)に低下し3年ぶりとなる久々の改善で、ECBの量的緩和+マイナス金利への圧力低下期待で、EUR買いへ材料ながら、為替への反応は鈍い。
S&Pは、オランダの格付けを「AAA」→「AA+」に引き下げ、スペインの格付け見通しを「安定的」に引き上げる(ユーロ圏でトリプルA格付け国は1ヵ国減少し、ドイツ、ルクセンブルク、フィンランド)→ スペイン長期債利回り低下、為替への反応は特になし。
注目の日本のCPIは、除く生鮮食品・エネルギー前年比0.3%(前回0.0%)→ コアコアは5年ぶりにプラスへ転換へ。円売り材料ながら株価への影響も限定的で、為替への反応は鈍い。
*** 今後の見通し ***
米感謝祭も終わり、12月のリパトリ時期に突入し、12月5日には米第3四半期GDP・速報値、12月6日の米雇用統計、12月18日のFOMCが視野に入ってくる。その影響もあり、11月後半に続いた流れが継続するかは、チャートのトレンドとは別により難しくなっている。
来週は、2日にバーナンキFRB議長の記者会見、ISM製造業景気指数。4日に米雇用統計を占う、ADP民間雇用者数と、最近FRBの政策で注目されている、非農業部門労働生産性の発表、ISM非製造業景気指数、新築住宅販売、ベージュブック。5日には米第3四半期GDP・速報値、新規失業保険申請件数。6日には個人所得・個人消費支出、ミシガン大消費者信頼感指数、そして、雇用統計が控えている。
USDJPY、102.50超えを狙う当面のターゲットは達成。102.20、102.10、101.95と各水準にポイントがあり、いずれかで下げ止まり、来週、週明けに再び上値トライが強まることが期待できるが、一機に103円は達成が難しく、101円台での揉み合い後に上昇したつてを踏みそう。
EURUSD、1.3600の大台を維持し、続伸傾向は変わらずで、改善したユーロ圏失業率、上昇したユーロ圏消費者物価指数もユーロにとってはプラス材料となっている。しかし、12月の時期的な変動やFRBの量的緩和縮小という、EUR圏発の材料以外のところで変動するリスクが高くなっており、固定概念で相場を考えるとやや危険では? GBPがリードするドル安によるEUR高がどこまで続くのか、Dailyベースで1.3650をクリアに上回るまでは、EUR買いも慎重に。
AUDUSD、戻りも限定的で安値を更新し0.9150を超えるまでは、ベアセンチメント変わらず。ただ、AUDロングポジションの調整が終われば、高金利と斑ながら強い経済指標も見られ、上昇に転じる材料もある。0.91から積極的に新規ポジションで売る理由も見当たらず、現状の弱さに反して、相場感は0.9050~0.9150のレンジから0.9050~0.9250のレンジへ。
*** 発言・その他 ***
BOE10月の住宅ローン承認件数は記録的な水準となっているが、企業向け融資は3.0%超下落し、中銀の住宅ローン支援策の縮小に、企業向け低迷が続く。
ビスコ・イタリア中銀総裁=危機局面では中銀の金融政策に過度の負担がかかり、金利による対処の必要性が過度に大きくなる恐れがあり、このリスクを認識している。
トロイカギリシャ訪問予定を中止=2014年度のギリシャ予算案では、基礎的財政収支の黒字対GDP比1.5%達成できずと、トロイカとギリシャ政府で対立中。
沖縄県・尖閣諸島で緊張が高まる=中国が設定した防空識別圏に自衛隊・米軍機が入り、中国空軍がスクランブル発進。
欧州の銀行は3年物LTRO72億ユーロ(予想45億ユーロ)を来週返済=返済金額の増加が続いている。
PIMCOのグロス氏=資産市場はバブルで、リスク資産の解消を推奨。
クーレECB専務理事=インフレはプラス圏にあり、デフレの脅威はなく、FRBの量的緩和政策は可能ながら、実施する妥当性はない。
S&P=オランダの格付けを「AAA」→「AA+」に格下げ。スペインの格付けを据え置き、見通しを「安定的」に引き上げた→ ユーロ圏でトリプルA格付け国は、ドイツ、ルクセンブルク、フィンランドとなる。
財政制度等審議会=国際公約の基礎的財政収支の赤字半減に、既に決めた4兆円を上回る圧縮を建議提出。債務残高の対GDPは先進国で最悪、太平洋戦争末期を超える水準で、極めて憂慮する事態。
*** 主な経済指標の結果 ***
6:45 NZD 10月 住宅建設許可件数=前月比-0.6%(予想1.7% 前回1.4%)→ 予想外のマイナスに悪化
8:30 JPY 10月 雇用統計=失業率4.0%(予想3.9% 前回4.0%)、有効求人倍率=0.98(予想0.96 前回0.95)→ 有効求人倍率が拡大
8:30 JPY 10月 全国消費者物価指数=前年比1.1%(予想1.1% 前回1.1%)、除く生鮮食品=前年比0.9%(予想0.9% 前回0.7%)、除く生鮮食品・エネルギー=前年比0.3%(予想0.2% 前回0.0%)→ コアコアは5年ぶりにプラスへ転換
8:30 JPY 11月 東京都消費者物価指数=前年比0.9%(予想0.7% 前回0.6%)、除く生鮮食品=前年比0.6%(0.4% 前回0.3%)、除く生鮮食品・エネルギー前年比0.2%(予想-1.0%予想 前回-0.2%)→ コアコアは約5年ぶりにプラスへ転換
8:30 JPY 10月 鉱工業生産・速報値=前月比0.5%(予想2.0% 前回1.3%)、前年比4.7%(予想6.3% 前回5.1%)→ 前回と予想を下回る
9:01 GBP 11月 GfK 消費者信頼感=-12(予想-10 前回-11)
16:00 GER 10月 小売売上=前月比-0.8%(予想0.5% 前回-0.2%←-0.4%)、前年比-0.2%(予想1.5% 前回0.3%←0.2%)
16:00 GBP 11月 ネーションワイド住宅価格=前月比0.6%(予想0.6% 前回1.0%)、前年比6.5%(予想6.2% 前回5.8%)→ 予想を前回を上回り、2010年7月以来の伸び率。
17:00 CHF 11月 KOF先行指数=1.85(予想1.81 前回1.71←1.72)
18:30 GBP 10月 BOE住宅ローン承認件数=67701件(予想68500件 前回66891件)→ 2008年2月以来の高水準
19:00 EUR 10月 失業率=12.1%(予想12.2% 前回12.2%)、失業者数-61000人→ 2011年2月以来、初めて低下へ
19:00 EUR 11月 消費者物価指数(HICP)・速報値=前年比0.9%(予想0.8% 10月0.7% 9月1.1%)、コア前年比1.0%(予想0.9% 10月0.8% 9月1.0%)→ 予想と前回を上回る
22:30 CAD 第3四半期 GDP=前月比0.3%(予想0.2% 前回0.3%)、前年比予想 前回2.0%、前期比年率2.7%(予想2.5% 前回1.6%←1.7%)→ 予想と前期を上回り、2年ぶりの高成長となる
デンマーク 第3四半期GDP=前期比0.4%(予想0.3% 前期0.6%)、前年比0.5%(予想0.2%)
スウェーデン 第3四半期GDP=前期比0.1%(予想0.5% 前期-0.1%←-0.2%)、前年比0.3%(予想0.4% 前期0.6%←0.1%)
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