11月27日(水曜) 海外市場の動きと、今後の注目点
*** ポイント ***
月末が押し迫り、11月28日(木)米感謝祭で4連休となる市場参加者が多くなり、新たなポジションメークよりもポジション調整の流れが強まる。
中国・日本・欧州・新興国株は弱く、米株は小幅高へ。世界的に長期金利は低下し、原油・金価格も下落へ。
USDは、12月18日(水の)FOMCが今後の最大のテーマとなっており、来週12月6日(金)米雇用統計が注目され、雇用関連の経済指標に反応しやすくなっている。26日も強い米住宅関連の経済指標の反応よりも、弱い米CB消費者信頼感指数に、雇用市場の先行きに不安が生じ、ドル売りが強まる。
AUDは、注目のロウ豪中銀副総裁もAUD高をけん制し「豪ドルはやがて下落する見通し。為替介入は実行の判断基準は高い」と発言、11月末決算を控えたファンド勢のAUD売りは止まらず、一時0.91を割り込む。
GBPは、注目の議会証言で、カーニーBOE総裁は「失業率が7.0%に低下しても利下げを急がず」。ビーンBOE副総裁は「失業率が7.0%に低下しても、新たに目標を6.5%に設定することは可能」と発言、→ 金利は低下し欧州市場ではGBP売りが強まるが、英サービス業界の雇用ペースは過去6年で最大で、投資拡大期待もあり、終盤にかけて1.62台を回復し、強さが目立つ。
EURは、ハト派の「リーカネン・フィンランド中銀総裁+アスムセンECB専務理事」、タカ派のメルシュ・ルクセンブルク中銀総裁+クーレECB専務理事」と混在、市場の注目はユーロ圏のインフレ指標。
JPYは、特に材料はなし。市場の注目は相場に関係のない「中国の防空識別圏の設定」と「秘密法案の衆院通過」で、日経平均株価も弱く、ファンド勢の利食い売りに円高へ、102円近くのオプションバリアを試せず。
*** 今後の見通し ***
28日米感謝祭で発表が早まった、米新規失業保険申請件数を注目。それ以外でも重要米経済指標が目白押し。予想外数字による相場変動に注意しながら、円安傾向は変わらず。
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=予想 前回32.3万件
22:30 USD 10月 シカゴ連銀全米活動指数=予想0.1 前回0.14
22:30 USD 10月 耐久財受注=前月比予想-1.5% 前回3.8%、除く輸送機器前月比=予想0.4% 前回-0.2%、除く航空機・非国防資本財=前月比予想 前回-1.3%
23:45 USD 11月 シカゴ地区購買部協会景気指数=予想62.0 前回65.9
23:45 USD 11月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=予想73.0 速報72.0
0:00 USD 10月 CB 景気先行指数=前月比予想0.1% 前回0.7%
USDJPYは、101.00~102.00のレンジから、102円の上値トライが続き、円売りの流れ変わらず。
EURUSDは、1.3500~1.3600のレンジから、1.3600の上値トライが続き、EUR買いの流れ変わらず。28日の独消費者物価指数・速報値を注目。
AUDUSDは、下がるほど売りの必要性が生じ、続落傾向が止まらず。ただ、0.9100でボトム感が強まれが、0.91~0.93のレンジの可能性が高まる。
*** 発言・その他 ***
FRBの公定歩合議事録(10月開催分)=2地区連銀は1.0%へ引き上げ、8地区連銀は据え置きを主張、1連銀は0.5%へ引き下げを主張と、意見が分かれる。
リーカネン・フィンランド中銀総裁=必要に応じて政策を一段と緩和することはできる。
メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁=過度な流動性政策は有益かつ必要であったが、恒久的な機能にすべきではない。
アスムセンECB専務理事=ユーロ圏の回復は弱く、脆弱でまちまち。
クーレECB専務理事=マイナス預金金利は可能だが、政策措置の一つにすぎず、ECBのメインシナリオはインフレが徐々に上昇することで、現状の0.7%は低水準で注意が必要。
ビーンBOE副総裁(議会財務委員会)=失業率が7.0%に低下しても、新たに目標を6.5%に設定することは可能→ GBP売りの材料となる。
カーニーBOE総裁(議会財務委員会)=失業率7.0%は目安で、利上げ開始の基準ではなく、失業率が低下しても利上げは急がない。フォワードガイダンスの正当性をあらためて主張→ GBP売りの材料となる。
英産業連盟(CBI)=9~11月の英サービス業界の雇用ペースは過去6年で最大で、今後1年間で投資拡大を計画。
木内日銀新議委員=2.0%の物価目標の実現には、3.0%の賃上げが必要で、実現には相当の時間がかかり、目標の再検討余地がある。
ロウ豪中銀副総裁=豪ドルはやがて下落する見通し。為替介入は実行の判断基準は高い。
*** 主な経済指標 ***
22:30 USD 10月 住宅着工許可件数=前月比6.2%(9月5.2% 8月-2.9%)、103.4万件(予想93.0万件 9月97.4万戸 8月92.6万戸)→ 予想を上回る。
23:00 USD 9月 住宅価格指数=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.3%)。
23:00 USD 9月 S&Pケース・シラー米住宅価格指数=前月比1.0%(予想0.9% 前回0.9%)、前年比13.3%(予想13.0% 前回12.8%)→ 予想と前回を上回り2006年2月以来の伸び率
0:00 USD 11月 CB消費者信頼感指数=70.4(予想72.5 前回72.4←71.2)、現況指数72.0(前回72.6←71.5)、期待指数69.3(前回72.2←71.5)→ 前回は上方修正されたが、予想を大幅に下回る4月以来の低水準で、ドル売りが強まる
0:00 USD リッチモンド連銀製造業景気指数=13(予想4 前回1)
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