11月20日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の注目点(午前6時現在)
前日に、ダドリーNY連銀総裁が「米経済に一段と希望が持てる」と発言、米国の成長加速が期待され、プラートECB専務理事は「デフレリスクは見られない、主要金利がゼロでもECBには量的緩和など政策の選択肢がある」、19日にアスムセンECB専務理事は「追加緩和措置を実施する用意がある」と発言、追加の緩和策が意識されている。
19日には、OECD経済見通しでは、米国の経済成長を上方修正し逆に、ユーロ圏は下方修正。さらに、FRBは量的緩和の縮小を主張し、ECBには量的緩和の検討を提言した。
これらの両極端な動きにもかかわらず、EURUSDは1.35台を維持し1.3550に迫り、11月6日の高値を上回り、EURJPYの買い要因はるが、非常に健闘していると言わざるを得ない。
要因としては
①周小川中国人民銀行総裁が「外為市場での日々の介入を基本的に停止、管理変動相場制を導入」ことを発表したことで、リスク許容度の高まりにドル売りが強まる。
②次期FRB議長に指名されているイエレン氏は「失業率やインフレ率がFRBの基準値に到達した後も、金融政策は長期間かなり緩和的な状態が続く可能性が高い」と議員宛の書簡で説明。緩和策の継続が長期に渡り続く可能性にドル売りが強まる。
③コンスタンシオECB副総裁は量的緩和の検討を否定。
米株価は買いも弱く前日終値と同水準で推移。前日に、米著名投資家のアイカーン氏が「多くの企業の業績が経営より、低水準の借り入れコストによって押し上げられている」とし、「株価が急落」の恐れを危惧していたことを思い出す。
主な出来事
◎豪中銀議事録=豪ドル高をけん制するも影響は限定的
◎中国=GDPの算出方法を変更し、GDPが押し上げられる可能性
◎中国=人民銀行総裁、外為市場での介入を停止、管理変動相場制の導入へ
◎独ZEW景気期待指数=予想と前回を上回る
◎OECD=2014年の世界経済見通しを5月時点4.0%→3.6%に引き下げる
◎OECD=FRBは来年に量的緩和を縮小すべき
◎OECD=ECBは量的緩和の検討が必要
◎アスムセンECB専務理事=インフレ率が低下すれば追加緩和措置を実施する可能性
◎コンスタンシオECB副総裁=量的緩和は可能性の一つで詳細が検討されたことはない
◎イエレンFRB副議長=失業率やインフレ率がFRBの基準値に到達した後も、金融政策は長期間かなり緩和的な状態が続く可能性が高い
◎ブルムバーグ・エコノミスト調査=多くが、日銀が目指す2年間で2%の物価安定目標の実現は懐疑的で達成できないと見込む。
OECD世界経済の成長率を5月の予想から下方修正=2013年3.1%→2.7%、2014年4.0%→3.6%に引き下げた。米国2013年1.7%、2014年2.8%→2.9%と上方修正し、来年にFRBは量的緩和を縮小すべき。ユーロ圏2013年-0.6→-0.4%、2014年1.1%→1.0%。新興市場国の景気拡大ペースは鈍化へ。ドイツ2014年1.9%→1.7%、フランス2014年0.8%→1.0%。日本2014年1.4%→1.5%。中国2014年8.2%に拡大。(※詳しくは別表を参照)
午前6時現在ですが、ダウ工業株価は-8.99ドル、STOXX50は-32.13で終了。
米10年債利回りは2.71%と+0.04%と上昇。VIX指数は+0.28と小幅上昇。
今日の注目点
USDJPYが、100台を維持し100.60円を超えることができるか。
EURUSDが、1.3550台まで上昇し定着することができるか。
午前9時、バーナンキFRB議長の講演18:30 GBP BOE議事録公表(11月7日分)
午後6時30分、 BOE議事録公表(11月7日分)
午後10時30分、米消費者物価指数
午前4時、FOMC議事録(10月29・30日分)
AUDUSD、豪中銀議事録が公表され、11月5日の理事会後の声明とほぼ変わらず、「豪ドルは不快なほど高水準で、一段の下落が必要」と豪ドル高をけん制し、一時0.9360割れまで下落した。欧州市場に入り、人民元の取引幅拡大との観測報道や、周小川中国人民銀行総裁が「外為市場での日々の介入を基本的に停止、管理変動相場制を導入」と発表、0.9440台まで上昇した。米国市場に入っても動きは見られず0.9410~30の狭いレンジが続いている。
USDJPY、100.00円の大台をまたしても割り込み、一時99.60円割れまで続落したが、実需筋の買いに下げ止まり狭い値動きへ。欧州市場に入り、人民銀行総裁発言に安全資産の円売りが優勢となり100円台を復活、米国市場に入ってもNISA(少額投資非課税制度)による日本の個人資産の海外投資を、円売り材料と見る動きが多く、100.20台まで上昇。
EURUSD、アジア・欧州市場の序盤は1.35以下は買い、1.3520以上は売りと狭いレンジで推移したが、人民銀行総裁発言にEUR買いが強まり、一時昨日の高値水準に並ぶ1.3540台まで上昇したが続かず、1.35中心とした値動きが続いた。米国市場に入ると、オプション絡みの動きに伴い1.3540台を回復し、高値圏で取引が続いている。
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