11月1日(金曜)の欧米市場では、ECBの追加の緩和策の観測に、EURは全面安へ。EUR売りがリードするドル買いに、強い米ISM製造業景気指数が加わり、ドル買いが加速し、ドル全面高へ。
GBPUSDも下落し、USDJPYとUSDCHFは上昇。健闘していたAUDUSDとNZDUSDも下落し、上昇力を強めていたCADだけが前日と同水準近くで推移。欧州株は下落したが米株は上昇し、米長期金利は上昇した。
直近のユーロ圏経済指標は弱く、前日の10月消費者物価指数は、ECB目標値2.0%を大幅に下回る0.7%まで低下した。あまりにも低いインフレのデーターにデフレリスクが意識され、BOA、UBS、RBSは11月7日のECB理事会で利下げを予想、BNPパリバ、JPモルガン、ソシエテ・ジェネラル、スコシア銀行は12月に利下げを予想。
市場では可能性として流動性の供給、中銀預金金利のマイナスや政策金利のリファイナンス金利の引き下げを予想している。
昨日のドル高加速の理由の一つには、10月30日のFOMC発表を受け、12月のFOMCで量的緩和の縮小を開始する可能性や、今後の可能性を示唆することを期待する動きも含まれている。
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今後の展開予想
米FOMCの量的緩和の縮小期待と、ECBの追加緩和策の観測で、10月17日の米債務上限の一時的引き上げ決定と政府機関の一部閉鎖解除が決定した日の為替レートに戻った。
EURUSD1.35近辺、GBPUSD1.59近辺、USDJPY98.50台近辺と、ほぼ同水準。AUDUSD、NZDUSD、USDCADはまだドル高水準にとどまり、コモディティー通貨安の流れが続いていることになる。
11月7日のECB理事会の結果を見るまでは、投機筋が積極的にEURを買うことも考えにくく、短期投機筋による下値トライは続くことが予想され下振れリスクも残るが、10月17日から続いたドル売りの調整とも考えられる。
長期的なEUR高に変わりなく、1.35割れから極端にドル高思考やEUR安期待感を持つことを控えたい。下値めどは、9月18日のFOMCで市場の期待を裏切る資産買い入れを継続した当時の水準、1.3350~1.3400のボトムは固いと見ている。
12月18日のFOMCでは、10月30日のFOMCの結果を受け、資産買い入れプログラムの縮小開始の可能性がゼロになったわけではないが、今後の可能性を示唆するとの期待感も残り、ドル売りの流れはより緩慢になることも意識したい。
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昨日の経済指標の結果
9:30 AUD 第3四半期 生産者物価指数=前期比予想0.3% 前回0.1%、前年比予想 前回1.2%
23:00 USD 10月 ISM製造業景気指数=56.4(予想55.0 前回56.2)、新規受注60.6(前回60.5)、雇用53.2(前回55.4)、価格55.5(前回56.5)→ 予想と前回を上回る
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昨日の主な発言・その他
11/1 金 USD オバマ米大統領=対米直接投資の行政手続きの簡素化を進め、海外からの直接投資を拡大させる
11/1 金 USD プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=来年のいつかは成長は加速。 来年の年末には失業率は6.5%に低下へ。政府機関の閉鎖が経済に重要な影響を与えると考えていない。FRBの金融緩和の解消リスクを懸念
11/1 金 USD プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=資産買い入れ総額に上限を設けることが量的緩和からの出口の一案になり得る
11/1 金 USD ラッカー・リッチモンド連銀総裁=労働市場の回復に、資産買い入れプログラムの縮小が可能。
11/1 金 USD ブラード・セントルイス連銀総裁=インフレ率は目標値2%を大幅に下回る状況が続き、資産買い入れ縮小の決定を下す前に、インフレ率が目標に向け上昇を始めることを確認する必要がある。資産買い入れを縮小しても金利をゼロ近辺に据え置く方針に変更はない。
11/1 金 EUR 米景気循環調査研究所(ECRI)=インフレ見通しをっ示すユーロ圏未来インフレ指数(EZFIG)は9月89.6(8月89.7)へ低下し、3年10カ月ぶりの低水準
11/1 金 EUR BOA、UBS、RBSは11月7日のECB理事会で利下げを予想、BNPパリバ、JPモルガン、ソシエテ・ジェネラル、スコシア銀行は12月の利下げを予想→ 市場では可能性として流動性の供給、中銀預金金利のマイナスや政策金利のリファイナンス金利の引き下げ
11/1 金 EUR フィッチ=スペインの格付け見通しを、「ネガティブ」→「安定的」に引き上げた。労働市場や年金制度、財政構造、金融セクターの大幅な改革を実施したことが要因。
11/1 金 JPY ムーディーズ=第3四半期が純損失、今期の純利益予想を下方修正したことで、ソニーの信用格付けをジャンク旧に引き下げる可能性を示唆。
11/1 金 GBP 英スカイ・ユース=外国人へキャピタルゲイン税の課税を検討→ 投資目的で保有している不動産の転売による利益は、外国人は免除されていたが、住宅バブル懸念の払しょくもあり課税が検討されている→ オズボーン英財務相はノーコメント
11/1 金 GBP ウィールBOE政策委員=住宅価格の上昇が投資を阻害する可能性はあるが、インフレ動向がより重要で、まだ政策運営上の主要な問題になっていない
11/1 金 GBP 英RBS銀行=分割回避でバッドバンク部門を設立し、約380億ポンドの不良資産を移管へ
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