*** ポイント ***
全般、米財政協議の行方次第で、きっとデフォルトに陥る前に、債務上限引き上げで暫定合意ができることを期待した相場展開になっている。
米共和党・民主党の泥仕合は遅かれ早かれ決着がつくと思われるが、できなければ、できないで米国への信認は失墜し、FRBの量的緩和の縮小開始は先送りにならざるをを得ず、ドル売りに動きやすい。
ただ、仮に決着し、めでたし、めでたしとなれば、すわ、次はFRBの量的緩和の順番で、一時的にドル買いになることが予想できるが、とても信頼回復とは言い難い。
米国の強い信頼についた傷は直ぐには治りそうになく、今年の第4四半期のドル相場へ悪影響を与える可能性は否定できない。問題は程度。
*** 今までの材料 ***
長い国慶節休場明けの中国株は上昇し(+1.08%)、アジア株高へ。
米財政協議で打開策の期待が強まる。
日本の経常収支の黒字額が急減(1615億円 予想5481億円)、黒田日銀総裁は、「異次元緩和」の時間軸強化に事前準備を始めたとの思惑が円売りを招いている。
豪信頼感指数は強く、AUD買い材料となる(企業信頼感指数=12前回4、企業景況感指数=-4前回-7)
独鉱工業生産指数が弱く、EURUSDの上値は重くなる(前月比-0.3% 予想1.2%)。
英RICS住宅価格は強く、BRC既存店小売売上高は弱く、英政府の追加の住宅購入支援策に期待。
GBP相場誤報で急変から元の水準へ=「BOEは新たなLTROを通告」との一部報道の影響を受け一時1.6020まで下落、通常の3カ月物オペと判明し1.6090台へ値を戻す。
APEC首脳会議は首脳宣言を発し終了、相場への影響はなし。
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USDJPY
昨日の安値96.60円近辺は、200日SMVとほぼ同水準で、この水準が強く意識されている結果で、この水準以下ではストップの売りが見え隠れしている。この水準以下で今日クローズすると、厄介で円高が続くことになる。
円ショートポジションにとっては、幸いとでもいうのか、朝方の96.56円を底値に、米財政合意期待+安定した株高+日銀の金融緩和策強化の期待に、リスク資産の買い戻し=安全資産の円売りが始まり、97円台を回復している。
昨日割り込み円買いが強まった、145日EMVは、97円近辺にあり、今のところこの水準を上回り、逆にこの水準がUSDPYのサポートになっている。
今後の展開だが、97.00円をを底値し97.45円を高値にしたレンジに入る可能性が高くなっている。ただ、米国市場に入り、メインテーマの米財政協議に行き詰まり感が強まるが、米株が大きく値を下げるようならば、97円を割り込み、続落するリスクは消えそうにない。
EURUSD
最近は、ギリシャ、ポルトガル等の南欧諸国から好材料が多くなっている。また、ドイツの政局安定、イタリアの政局混迷からの脱出など、相場の足を引っ張ったユーロ危機の悪い面影はみられない。
それどころか、量的緩和の縮小期待=ドル高期待の潜在的なリスクは残るが、財政協議すら満足にこなす事のできない、米国為政者の信用失墜いは、仮に債務上限の引き上げが決まっても、一時的なドル買いで終わるリスクを秘めている。
EURUSD1.36~1.37、特に1.37の大台はそう簡単に上抜けするようなポイントではないが、1.36台をすんなり回復し1.36台の売りをこなしながら、時間の経過とともに底値を切り上げることにでもなれば、1.37台~1.40のレンジに上昇することが期待できる。
短期では、1.3520~50をの下限を継続的に(一時的ではなく)割り込むとEUR売りへと変化する可能性が高くなるが、EUR高の流れは続いている。
EURUSDもUSDJPYとご多分にもれず、米国の債務上限引き上げがすんなりきまるか、長引きデフォルトリスクが高まるかに大きく影響を受けることは避けられない。
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