ドル安傾向と、クロスでは円の独歩安傾向は変わらず。
このシナリオが崩れるリスクは新興国経済の悪化と、世界的な景気鈍化の懸念によるリスク資産の引き上げ。
米債務上限の短期的引き上げと、政府機関再開の暫定予算法案は上下両院で可決され、オバマ米大統領が同法案に署名し正式に成立した。しかし、「シクエスター」と呼ばれる歳出の自動削減措置をめぐり、来年1月まで民主と共和党の対立が続くことに不安を感じる人は多いと思われる。
今回の財政協議では、共和党が多数を占める下院と、民主党が多数を占める上院との泥仕合となり、デフォルトに陥ると思われていた10月17日の期限直前に、予定通り絵に描いた筋書き通りに事が決着するに至った。勝利者は民主党とオバマ米大統領で、来年の米中間選挙では共和党は内部分裂が表面化したことで議席を減らし、下院でも民主党が過半数を得るとの予想が多い。
この泥仕合の影響を考えると、①米経済活動の低下による成長率鈍化の可能性、②FRBの量的緩和の縮小時期が来年1~4月に連れ込む可能性、③米債務上限の時期が再到達する2月までの政局不安が続く可能性、④米ドルの外貨準備離れの恐れなど、為替相場ではドルに対して悪材料が多く、プラス材料を探すのに骨が折れ、ドル安傾向が続くことが予想される。
USDJPY、安値93.79円~高値103.73円のレンジが続き、現在進行中の円ショートポジションの巻き戻しがもう少し続く可能性は高いものの、96円台の買い意欲を10月8日の下げで確認済みで、暫くはレンジ相場を抜け出せそうにない。ただ円は他通貨クロスを見ると、現在9月19日の高値を更新しているのはAUDJPYに限られているが、EURJPYが9月19日の高値134.95円を超えてくると円売りが勢いづくと思われる。
EURUSDは、今年2月の高値1.3711を超えて、1.40台まで上昇することができるか。GBPUSDは、2011年9月以降、越すに越される週足終値ベース1.64台を達成することができるか、大きな目標になっており、それらを試しながらドル安へと動くことが予想される。
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