*** ポイント ***
フィッチ=米国市場クローズ間際に、米国の格付けををネガティブウオッチに指定し、財政協議の膠着に「AAA」格付けを引き下げる可能性を警告。今後の相場への影響が危惧されるがドル相場は動かず。
米財政協議(米連邦債務上限引き上げと政府機関の再開)は進展するが、下院が上院と異なる独自案を提示し、米上院の財政協議は中断。
17日が米デフォルトに陥る日が来週後半になるとの観測も強もあり、楽観的な見通しと悲観的な見通しが混在。
VIX指数は、18.66と+11.74%と大幅に上昇、デフォルトリスク警戒、反面、為替相場は方向性を示す事はできず、長いレンジ相場の中で値幅も少なく変動率は低下し、オプションのボラティリティーは低下。
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注目点:米財政協議(米連邦債務上限引き上げと政府機関の再開)は進展するが混迷が続く:
→ 米上院交渉を中断=下院が上院と異なる独自案を提示し、米上院の財政協議は中断。
→ 下院の共和党案の独自案は(1月15日まで予算を手当て、2月7日までに債務上限を引き上げる、上院案とは異なるオバマケアを実施するが医療機器税の2年延期)、党内の支持が不十分で、共和党のベイナー下院議長が法案を煮詰めるまで協議停止。
→ ベイナー議長は多くの意見が存在し具体的にどの方向に進むのか、何も決定されていないが債務不履行はない、党メンバーの反応待ち。
→ ホワイトハウスと上院民主党=下院共和党案は実行不可能と直ちに拒否。
→ 民主党のリード上院院内総務=下院共和党案は極端な法案で我々の交渉案に含まれていない、時間の無駄で、二大政党制に対する攻撃にほかならない、ベイナー議長が米国を犠牲にして自身の立場を保全しようとしていることに憤慨と批判。
→ カーニー・ホワイトハウス報道官=上院は交渉が進展しているが、現時点では合意に程遠い。
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10月15日(火曜)の値動き
USDJPY
アジア市場は、早朝の98.69円を高値に、株高の流れにも海外勢の利食い売りが強く、仲値過ぎからは売りが加速し、日経平均株価も高値から値を下げると、98.40円近くまで緩やかに下落へ。欧州市場は、ドル全面安の流れの影響に98.40割れから98.69まで上昇したが、円クロスの巻き戻しに大枠98.40~70のレンジへ。米国市場は、米財政協議が合意に近いとの観測に、98.70超えを試したが失敗、上院の財政協議は中断、クロスで円買い戻しが強まり、米株が値を下げると一時98.00近くまで下落。
EURUSD
アジア市場は、米財政協議の行方待ちで動けず。1.3560を中心に上下10ポイントの狭いレンジで推移。欧州市場は、1.3560中心の狭い値動きから、前日NY市場と同じテーマの米議会財政協議の合意期待に欧州株高=ドル買いのムードが強く、独ZEWの景気期待指数にもEUR買いに反応できず、逆に、ポジションの巻き戻しのEUR売りが強まり、目先のストップロスを狙う動きへと変化し、1.3480まで下落した。米国市場は、米財政協議が合意に近いとの観測にも、1.3480割れを試せず、上院の財政協議は中断、米株が値を下げると1.3530台まで値を戻す。
AUDUSD
アジア市場は、前日の米国市場からの上昇の流れが続き、豪S&P/ASX200株は上昇し、豪中銀議事録への反応は鈍い中で0.9500台を上抜け、EURAUDでのAUD買いが続き、0.9540台まで緩やかに上昇。 NZDUSDやUSDCADでも同じドル売りの流れが継続し、コモディティー通貨高が続いている。欧州市場は、欧州株高の流れとアジア市場から続いたコモディティー通貨買いの動きが続き、AUDクロスの買いが先行して一時0.9550近くまで上昇したが、続かず、大枠0.9520~30のレンジで推移した。米国市場は、上院の財政協議は中断、EURAUDの売りも弱まり、弱い米株にAUD売りへと変化し一時0.9500近くまで値を下げたが、AUDの押し目買いが続き底堅く推移。
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10月15日(火曜)主な経済指標の結果
13:30 JPY 8月 鉱工業生産・確報値=前月比-0.9%(予想 前回-0.7%)、設備稼働率=前月比-2.1%(予想 前回3.7%)→ 鉱工業生産は下方修正、設備稼働率は上方修正されたが、市場の反応は鈍い
15:45 FRA 9月 消費者物価指数(EU基準)=前月比-0.2%(予想-0.2% 前回0.5%)、前年比1.0%(予想1.0% 前回1.0%)→ 速報値と変わらず
GER 8月 輸入物価指数=前月比0.1%(前回0.1%)、前年比-3.4%(前回-2.6%)
17:30 GBP 9月 消費者物価指数(EU基準)=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.4%)、前年比2.7%(予想2.6% 前回2.7%)、コア前月比0.4%(予想 前回0.4%)、コア前年比2.2%(予想 前回2.0%)、小売物価指数(RPI)=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.5%)、前年比3.2%(予想3.2% 前回3.3%)、実勢インフレ率(RPIX)=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.5%)、前年比3.2%(予想3.2% 前回3.3%)→ 前年比は前年比変わらずながら、予想を若干上回る
17:30 GBP 9月 生産者物価指数=産出指数前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.2←0.1%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回1.7←1.6%)、コア前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.0%)、コア前年比0.7%(予想0.9% 前回1.0%)、投入指数前月比-1.2%(予想-0.4%、前回-0.7←-0.2%)、前年比1.1%(予想2.6% 前回2.4←2.8%)、コア前月比-0.6%(前回0.2←0.4%)、コア前年比1.7%(前回2.7←3.0%)→ 前回と予想を下回る低い伸び
18:00 GER 10月 ZEW 景況感調査:景気期待指数=52.8(予想51.0 前回49.6)、現況指数=29.7(予想31.0 前回30.6)→ 前回と予想より、期待指数は上昇したが現況指数は低下
18:00 EUR 10月 ZEW 景況感調査:景気期待指数=59.1(予想59.4 前回58.6)→ 前回を上回るが予想より弱い
21:30 USD 10月 NY連銀製造業景気指数:業況指数=1.52(予想7.5 前回6.29) 支払価格=21.69(前回21.51)、新規受注=7.75(前回2.35)、従業員数=3.61(前回7.53)→ 前回と予想を大幅に下回り、5月以来の低水準
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10月15日(火曜)主な発言その他
USD NY大学のルービニ教授=経済がリセッションに陥る可能性が強まっている。投資家は今のところ平静を保っているが、こうした行き詰まりに伴う不透明感はドルからの資産分散化を海外投資家に促し、ドル安や借り入れコスト上昇を招く恐れがあると警告。米経済は不透明感があり、それがすでにビジネスや投資家、消費者信頼感に影響を及ぼし、小売売上高や企業セクターの設備投資減少につながっている。 債務上限に達して米国債がテクニカルなデフォルトに陥り、政府機関の一部閉鎖が今後数週間続いた場合、リセッションに陥る重大なリスクが生じるだろう。
USD 世界各国中銀は米国債デフォルトの不測事態に備え、金融市場の機能維持に緊急時対応策を協議へ
USD 米財政協議(米連邦債務上限引き上げと政府機関の再開)は進展するが混迷が続く: 米上院交渉を中断=下院が上院と異なる独自案を提示し、米上院の財政協議は中断。下院の共和党案の独自案は(1月15日まで予算を手当て、2月7日までに債務上限を引き上げる、上院案とは異なるオバマケアを実施するが医療機器税の2年延期)、党内の支持が不十分で、共和党のベイナー下院議長が法案を煮詰めるまで協議停止→ ベイナー議長は党メンバーの反応待ち。 共和党のベイナー下院議長=多くの意見が存在し具体的にどの方向に進むのか、何も決定されていないが債務不履行はない。ホワイトハウスと上院民主党=下院共和党案は実行不可能と直ちに拒否。民主党のリード上院院内総務=下院共和党案は極端な法案で我々の交渉案に含まれていない、時間の無駄で、二大政党制に対する攻撃にほかならない、ベイナー議長が米国を犠牲にして自身の立場を保全しようとしていることに憤慨と批判。カーニー・ホワイトハウス報道官=上院は交渉が進展しているが、現時点では合意に程遠い。
USD フィッチ=米国の格付けををネガティブウオッチに指定し、財政協議の膠着に「AAA」格付けを引き下げる可能性を警告
USD 米ゴールドマン・サックス=米財務省は来週後半まで少なくとも100億ドルの資金があると思われるが、支払の遅延リスクは高まる
USD FRBの公定歩合議事録公表(8月12日~9月16日分)=経済活動は緩やかなペースで拡大。 製造業、住宅、自動車部門の最近の指標は概して前向き。消費者支出は引き続き伸びたが借り入れと消費に慎重。長期金利上昇で住宅市場鈍化。ミネアポリス連銀が公定歩合0.5%へ引き下げ要求。フィラデルフィア連銀が公定歩合1%へ引き上げ要求。カンザスシティー連銀が公定歩合1%へ引き上げ要求。ダラス連銀が公定歩合1%へ引き上げ要求。
USD ダドリーNY連銀総裁=FRBは米政府の金利負担を抑制しているが、恒久的ではなく一時的と見るべき。 現行の低金利は入れで、累積債務の増大し、債務返済コスト上昇は極めて大きくなる可能性がある
USD フィッシャー・ダラス連銀総裁=10月のFOMCで量的緩和縮小を予想していない
EUR ユーロ圏財務相会合=アイルランドとスペインへの金融支援が近く終了することを発表し、ギリシャ債務は今後返済が見込める→ 4年に渡る混乱へ暫定的な勝利宣言を発表
EUR プラートECB専務理事=通貨ユーロは比較的正常なレンジ内
JPY 安倍首相の所信表明演説=用拡大・賃金上昇を進めて消費拡大、新規投資につなげる経済の好循環を実現するため、労使とも連携して取り組む決意を示した。 経済再生、財政再建、社会保障改革を同時に達成しなければならない。
JPY 政府=産業競争力強化法案を閣議決定
GBP ウィールBOE政策委員=最近の住宅価格の上昇を懸念→ (15日の英消費者物価統計で、1-8月の住宅価格が3.8%上昇し、2010年10月以来約3年ぶりの大幅な伸びを記録していた)。 一段のポンド安はインフレ目標達成を遅らせる。 フォーワードガイダンスでインフレ期待が上昇する可能性。
AUD 豪中銀理事会議事録(10月1日分)=理事会は追加利下げの可能性をオープンにしておきつつ、早急な利下げのシグナルは発信しないことで合意→ 10月1日の声明と変わらずだが、AUD買い戻し局面の流れにAUD買いが優勢となる。
NZD スペンサーNZ中銀副総裁=10月1日から始まった、ローン資産価値比率(LVR)の高い住宅ローンに対する新規制により、利上げの必要性が減り、通貨の上昇圧力が収まる可能性がある→ NZ金利引き上げ期待がやや弱まるが、市場の反応は鈍い
NZD NZ不動産協会(REINZ)調査=9月までの一年間で、住宅価格は9.8%上昇した。
CHN 中国の国際化が進む: 中国と英国=人民元とポンドの直接取引を許可。 中国は香港以外で初めて、ロンドン拠点の機関投資家に人民元適格外国機関投資家(RQFII)制度で信用枠を付与、 英国は中国の銀行が英国でホールセール部門の設立を認可。
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10月15日(火曜)取引変化
15-Oct-13 Closed 前日比 %change
USDJPY 98.143 -0.411 -0.42%
EURUSD 1.3523 -0.375 -0.28%
USDCHF 0.9123 +0.219 +0.24%
GBPUSD 1.5996 +0.159 +0.10%
AUDUSD 0.9525 +0.381 +0.40%
NZDUSD 0.8365 +0.113 +0.14%
USDCAD 1.0380 +0.273 +0.26%
EURGBP 0.8453 -0.312 -0.37%
EURAUD 1.4194 -0.965 -0.68%
EURJPY 132.721 -0.930 -0.70%
CHFJPY 107.523 -0.719 -0.66%
GBPJPY 156.978 -0.529 -0.34%
AUDJPY 93.477 -0.025 -0.03%
NZDJPY 82.117 -0.263 -0.32%
CADJPY 94.500 -0.682 -0.72%
Nikkei225 14,441.54 +36.800 +0.26%
DJIA 15,168.01 -133.250 -0.87%
STOXX50 3,004.56 +26.870 +0.90%
DAX 8,804.44 +80.630 +0.92%
S&P/ASX200 5259.15 +51.290 +0.98%
HangSeng 23,336.52 +118.200 +0.51%
Shanghai Stock 2,233.41 -4.360 -0.19%
MSCIEM 1,004.66 +7.200 +0.70%
GOLD 1,280.90 +8.300 +0.65%
WTI 100.90 -1.210 -1.18%
DXY 80.511 +0.248 +0.31%
CRB 286.31 -1.160 -0.40%
VIX 18.66 +1.960 +11.74%
JP10Y 0.670 +0.010 +1.52%
US10Y 2.730 +0.040 +1.49%
GE10Y 1.910 +0.050 +2.69%
UK10Y 2.810 +0.060 +2.18%
AU10Y 4.200 +0.080 +1.94%
US2y 0.350 0.000 0.00%
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