2013年10月11日金曜日

10月11日、10月10日(木曜)海外市場の動き

10月11日、10月10日(木曜)海外市場の動き


*** ポイント ***

昨日のポイント

米財政協議で、短期間の債務上限の引き上げ法案の合意期待が高まり、VIX指数は-15.92%の16.48と金融市場に安心感が高まる。

次期FRB議長にハト派のイエレン氏がほぼ確実となり、さらに、前日のFOMC議事録で示された「年内の量的緩和縮小の高い可能性」も、財政問題の懸念を織り込めず、「過去のテーマ」となったとの判断に、FRBの金融緩和の縮小は先送り感が強まる。

結果、欧米株は大幅に上昇し(ダウ+2.18%、独DAX+1.99%)、結果として円は全面安(USDJPY+0.84%、EURJPY+0.81%、AUDJPY+0.91%)。

しかし、主要通貨では動きが鈍く、EURUSD-0.03%、GBPUSD+0.09%、AUDUSD+0.07%と終値ベースでは前日とほぼ変わらずで、相場はドル買いを認めず。

アジア時間に発表された、日本の第3次産業活動指数は、予想と前回を上回り3カ月ぶりのプラスへ。機械受注も、予想と前回を大幅に上回り、リーマンショック以来となる8000億円台到達へと絶好調。結果は、円全面安へと動く。

豪雇用統計では、失業率は5.6%(前回・予想5.8%)に改善したことで、直後はAUD買いへと動いたが、労働参加率(就業者の減少)とのことで、逆にAUDは一時下落するも、リスクオンの流れにショートカバーに上昇へ。

米週間新規失業保険申請件数=37.4万人(予想31.0万人 前回30.8万人)→ 前回と予想よりも大幅に悪化し、市場の反応は瞬間ドル売りへ。しかし、カリフォルニア州の未処理分の手続きのテクニカルと判明すると、逆にドル買いへと動く。


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USDJPY
朝から米債務上限の引き上げを期待させる報道が続き、好調な日本の経済指標と大幅な株価上昇に、一日を通じて円全面安。アジア市場の取引開始97.33を安値に、アジア・欧州時間は98.80台まで上昇。米国市場では、米週間新規失業保険の発表後からドル買いが強まり、共和党会員議員が無条件の短期間の債務上限引き上げ案を提出し、ドル買いが加速。米現物株の大幅上昇に98.27まで上昇。対主要通貨に対しても円は下落へ。


EURUSD
アジア市場は1.3520台を高値に、1.3500割れのストップを試しながらも幅広い買いに下げ止まり失敗。EURJPYの買いや株高期待に1.3500台を維持。欧州市場は、欧州株の上昇に1.3530台まで上昇、EURJPYの買いが続き底値を固め1.3540台へ。米国市場は、米週間新規失業保険の発表に一時1.3546まで上昇、理由の判明に、1.3510割れまで下落、欧米株の大幅上昇や米債務上限引き上げ交渉の進展期待いも動けず、結局は1.3510~1.3545のレンジへ。


AUDUSD
アジア市場は豪失業率の予想外の低下に瞬間0.9472まで上昇したが、労働参加率の減少が要因と判明すると逆に売りへと変化し、0.9400の大台を割り込むがAUDJPYの買いに下げ止まる。欧州市場に入ると、欧州株が全面高でリスク資産買いとショートカバーの買いに0.9440台まで上昇。米国市場に入り、米週間新規失業保険の発表の変動の影響も少なく、EURAUDが売りへと変化し、強い米現物株やFRBの量的緩和縮小の先送り期待+米債務上限引き上げ合意期待に、0.9470台まで上昇。


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今日のポイント

引き続き、米財政協議の行方がメインテーマ。多くの発言や報道からは、週末の米債務上限引き上げ交渉の合意期待は強く、リスク回避の動きにリスク資産買いが続きやすく、一時的なドル買いも警戒が必要。

今日は米国発の重要な経済指標の発表はないが、カナダの雇用統計を注目したい。

前日の円売り狙い撃ちの流れがどこまで続くのか? やや、やり過ぎ感もあるが、円相場は金利差と株次第で、米財政協議の楽観的な見通しが続く間は、大幅に買い戻されることは難しそうである。

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今日、10月11日(金曜) 主要な経済指標の発表予定

15:00 GER 9月 消費者物価指数・確報値=前月比予想 前回0.0%、前年比予想 前回1.4%
21:30 USD 9月 生産者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.3%、前年比予想0.6% 前回1.4%、コア前月比予想0.1% 前回0.0%。コア前年比予想1.3% 前回1.1%
21:30 USD 9月 小売売上高=前月比予想0.2% 前回0.2%、除く自動車=前月比0.4% 前回0.1%
21:30 CAD 9月 雇用統計 失業率=予想7.1% 前回7.1%、雇用ネット変化=前月比予想1.5万人 前回5.92万人
22:55 USD 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=予想77.0、前回77.5
23:00 USD 8月 企業在庫=前月比予想0.3% 前回0.4%
アスムセンECB専務理事、黒田日銀総裁の講演

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昨日、10月10日(木曜) 経済指標の結果

8:50 JPY 8月 第3次産業活動指数=前月比0.7%(予想0.4% 前回-0.4%)→ 前回と予想を上回り、3カ月ぶりにプラスへ
8:50 JPY 8月 機械受注=前月比5.4%(予想2.0% 前回0.0%)、前年比10.3%(予想8.5% 前回6.5%)→ 前回と予想を大幅に上回り、リーマンショック以来の8000億円台を回復
9:30 AUD 9月 雇用統計 失業率=5.6%(予想5.8% 前回5.8%)、新雇用者数=前月比9100人(予想1.5万人 前回-1.08万人)、労働参加率64.9%(前回65.0%)→ 失業率が予想外の低下い直後はAUD買いが強まるが、労働参加率の減少が要因とのことに逆に、AUD売りが強まる
20:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.50%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを、全会一致で決定、予想通り。
21:30 CAD 8月 新築住宅価格指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.2%)→ 予想と前回を若干下回る
21:30 USD 週間新規失業保険申請件数=37.4万人(予想31.0万人 前回30.8万人)→ カリフォルニア州の未処理分の手続きが影響に、前回と予想よりも大幅に悪化。市場の反応は瞬間ドル売りから、逆にドル買いへと動く

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昨日、10月10日(木曜) 発言その他

USD 米財政協議の解決に向け、議会の積極的な動きに債務上限引き上げ合意期待が高まり、米株は上昇しドル買いに動く:  米下院共和党=オバマ米大統領が財政問題全般で交渉に応じることを条件に、短期間の債務上限引き上げ法案を提案すると表明→ ベイナー下院議長は10日中に大統領へ提出を予定、複数の上院の共和党議員は、政府機関の再開を含めるべきと主張も。 カーニー・ホワイトハウス報道官=オバマ米大統領は付帯条件なしの債務上限引き上げ法案に署名する意向だが、下院共和党の提案はまだないと発言。 民主党リード上院院内総務=民主党は政府再開後交渉する。オバマ大統領も政府再開が先決とし、交渉には前向きだが政府再開するまで交渉しないが、共和党の如何なる提案も目を通す→ 交渉に向けた駆け引きを続け、まで結論がでず。
USD アジア、欧州、中南米、政府機関など、多くが米国が財政問題を解決するように求めた
USD ルー米財務長官=債務上限の不透明感が市場を圧迫し始めている。 上限引き上げをぎりぎりまで先延ばししようとすれば極めて危険な状況に陥りかねない。
USD ドラギECB総裁=米予算交渉が決裂し、政府機関は10月1日から一部閉鎖に陥っており、17日期限までに債務上限引き上げ交渉が合意できなければ、米国はデフォルトに陥るリスクがあり、これが長期化すれば世界経済に打撃を与える可能性がある。 
USD ラガルドIMF専務理事=米国は量的緩和の出口戦略には慎重を期すべき、財政再建の早期実現に取り組むべき
USD ブラード・セントルイス連銀総裁=世界の中銀はマクロ経済への対応に苦慮、現在のマクロ経済状況へ適切な対応策が必要
USD 米株大幅高=米議会の債務上限引き上げ合意期待に、ダウ工業+2.18%、S&P+2.18%、NASDAQ+2.26%
USD ウイリアムズ・SF連銀総裁=FRBの量的緩和の縮小は確定した日付はなく、「経済活動、雇用の最大化と物価安定の進み具合」に基づき、「時間と共に資産買い入れペースを減少させ、最終的に終了させる」、急ブレーキではなくスピードを緩めていく。 雇用は増加を続け、失業率は穏やかなペースで低下することを予想。
USD ブラード・セントルイス連銀総裁=米財政協議や政府機関一部閉鎖による経済指標の不足で、10月29~30日のFOMCで量的緩和を縮小する可能性は低下


EUR ドラギECB総裁=銀行同盟は極めて重要で、銀行破綻処理メカニズムは2015年までに導入される見通し。
EUR サッコマンニ・イタリア経済・財務相=イタリア政府は、財政赤字抑制の緊急政令を承認
EUR ギリシャ=7月の失業率は27.6%(6月27.5%)から悪化したが、1-9月のギリシャ中央政府の基礎的財政収支は26億ユーロの黒字となり、財政再建に向かっている。
EUR ドラギECB総裁=米国の混乱に反し、ユーロ圏経済はソブリン債危機から立ち直り、回復を続けているが、ペースは一様ではなく、多くのリスクにさらされ、ある程度脆弱
EUR 欧州株大幅高=米議会の債務上限引き上げ合意期待に、独DAX+1.99%、スペインIBEX+2.35%、イタリアFTSEMID+1.54%


JPY 黒田日銀総裁=日本の金融市場は改善し、消費者信頼感は上昇方向へ動いた。 日銀は為替を目標としない


CHN 李克強中国首相=最近の数ヶ月間は中国経済の勢いは拡大。 2013年1~9月期の成長率は目標の7.5%超を維持


OTH ゼイダン・リビア首相=元反政府勢力にトリポリ市内のホテルから連れされる→ 後に開放されるた。
OTH 中銀当局者と元中銀当局者が執筆した論文を基に、ジュネーブの国際通貨銀行研究センター(ICMB)とロンドンの経済政策研究センターがまとめた=金融危機への対応に活用された非標準的な金融政策は、市場の状況が正常化した後でも中央銀行の政策ツールの一部として維持される見通し。
OTH ブラジル中銀=政策金利を0.5%引き上げ9.5%に決定、インフレの低下とトレンド継続に寄与
OTH PIMCOのグロース氏=米国債の保有比率35%を維持しながら、米国以外の先進国の証券保有を2.0%→4.0%と2倍に拡大
OTH G20開催=存在感が弱い
OTH インド政府がグローバル債券インデックスファンドなどに対し投資規制緩和の可能性

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昨日、10月10日(木曜)の値動き

10-Oct-13 Closed 前日比 %change
USDJPY 98.149 +0.822 +0.84%
EURUSD 1.3519 -0.043 -0.03%
USDCHF 0.9114 +0.181 +0.20%
GBPUSD 1.5967 +0.142 +0.09%
AUDUSD 0.9449 +0.068 +0.07%
NZDUSD 0.8283 -0.177 -0.21%
USDCAD 1.0398 +0.046 +0.04%
EURGBP 0.8467 -0.098 -0.12%
EURAUD 1.4303 -0.151 -0.11%
EURJPY 132.698 +1.068 +0.81%
CHFJPY 107.667 +0.720 +0.67%
GBPJPY 156.722 +1.450 +0.93%
AUDJPY 92.746 +0.836 +0.91%
NZDJPY 81.318 +0.516 +0.64%
CADJPY 94.375 +0.738 +0.79%
Nikkei225 14,194.71 +156.870 +1.12%
DJIA 15,126.07 +323.090 +2.18%
STOXX50 2,969.41 +64.680 +2.23%
DAX 8,685.77 +169.080 +1.99%
S&P/ASX200 5147.14 -5.850 -0.11%
 HangSeng 22,951.30 -82.670 -0.36%
Shanghai Stock 2,190.93 -20.840 -0.94%
MSCIEM 1,004.66 +8.360 +0.83%
GOLD 1,284.80 -21.800 -1.67%
WTI 102.77 +1.430 +1.41%
DXY 80.496 +0.120 +0.15%
CRB 287.38 +1.880 +0.66%
VIX 16.48 -3.120 -15.92%
JP10Y 0.660 0.000 0.00%
US10Y 2.680 +0.020 +0.75%
GE10Y 1.870 +0.060 +3.31%
UK10Y 2.750 +0.070 +2.61%
AU10Y 4.160 +0.070 +1.71%
US2y 0.340 -0.020 -5.56%



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