2013年9月13日金曜日

9月13日、9月12日(木曜)海外市場の動き

9月13日、9月12日(木曜)海外市場の動き

最近の為替市場はどうも、体力が落ちているとでもいうのか、長くトレンドが続くことができないでいる。当初は、サマーバケーションによる市場参加者の減少によるものと考えていたが、9月に入っても、その傾向が変わることがなかった。

4月4日から始まった、日銀の「量的・質的金融緩和」期待の円安が裏切られ、投機筋が大損した影響なのか? 5月1日から始まった、米国のQE3縮小と緩和策終了の可能性に、米債券市場は大荒れ、投機筋が大損した影響なのか? 次に始まった、新興国の混乱による影響なのか?

すでに、波乱月8月も過ぎ、秋風が目の前にさまっているが、小手先の相場変動に終始し、短期投機筋だけが相場を動かす、流れはまだ変わりそうにない。シリア問題とFRBのQE3の結末まちなのか?

ドル円は、円安期待が盛り上がると、失敗し短命に終わる流れが続いている。しかし、いずれの日に、「円を売っていればよかった」と思う日がくることを願いながら、市場センチメントが円ブルになったらそのチャンス。


***ポイント****

サプライズ3連投。予想外に弱い豪雇用統計、予想外のNZ利上げ示唆発言、予想外に改善した米新規失業保険申請件数は、システム処理問題による過剰な数字とのおまけ付きで、フライングした参加者はショック。

シリアはついに化学兵器保有を認め、ロシア提案の受け入れを表明。ただし、「お前(米国)の脅しに負けたんじゃねえよ!、先にケンカを止めたと言えよ!」、そしたら、「1カ月後にポケットの中身を見せてやってもいいぜ!」に、米国は「ふざけるな!」。さて、どうなることやら。

ただ、早くも、オバマ米大統領は、最優先課題を、シリアから国内の優先課題(予算案、移民問題、医療保険改革)に移す。 シリア問題で結論をみたのかも? それとも、9月末まで必要な暫定予算案が心配なのか?

USDJPYは、日経新聞で「法人税の実効税率を14年度にも引き下げる調整に入った」との円売り材料になんとか99円を維持。

注目のカーニーBOE総裁の財務委員会の証言では、「必要なら利上げすることに問題ない」、「回復が弱まった場合には追加支援を検討」→ 強弱混在でインパクトいかけた。


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USDJPYは、アジア市場の序盤から上値は重く、99.50円を割り込みストップを誘発し続落傾向が続き、99.20円近くまで下落。戻りは99.60円近辺と40ポイントの戻り幅で、買い戻しは限定的。米国市場では、問題の米失業保険申請件数のサプライズに直後は、99.47→99.72まで上昇、理由が判明すると再びドル売りへ。何度も99円割れと試し続けたが、日経新聞の「法人税率引き下げ」との報道に反発、なんとか99円を維持。

USDJPYがだめなら、流行のAUDJPY買い+GBPJPY買いに頼らざるを得なくなる。これも基本的には資金フローという強い錦の御旗があるが、今日は、弱い豪雇用統計に逆に円高へと動き、利上げ示唆発言のサプライズに上昇したNZDの影響に、NZDJPYだけが円安方向へと動く。結果、今日はクロスでも円高の流れへ。

EURUSDは、昨日1.3280を超えてからは久々にEUR買い相場へ。しかし、市場参加者の多くはEURUSDでポジションを持つことを避けている。流行はユーロクロスで、特に、EURAUD+EURGBPだが、円クロス同様に、ポジションを積み増すことではタイミングが今ひとつ悪い。豪雇用統計が弱く利下げ観測に直近はAUDはどうも今は分が悪いが、0.92台を維持、かつて程、AUD売りに勢いがなく、AUDロングが少ないことの裏付けかも。

EURUSDは、アジア市場から1.33台の売りが継続し上値は重く、欧州市場ではEURGBPの売りや実需筋の売りに1.3285近くまで下落。ECBフィキシングでEUR売りが強まり、米失業保険申請件数のサプライズに直後は1.3280→1.3276まで急落、理由が判明すると1.3280台を回復、オプションカットでは買いが強まり1.3320台と朝の水準へ逆戻り。しかし、買いもそれまで、1.3300台の売りは消えず。

AUDUSDは、今日の全ては朝方発表された、豪雇用統計。失業率と雇用者数が弱く、AUD全面安。せっかく続いたAUD買いムードは一変。しかし、0.92台を維持し予想外に堅調とも考えられる。雇用統計の発表直後は、0.9340台→0.9260割れまで下落。欧米市場を通じて安値は0.9227で、サプライズの米失業保険申請件数にも下げ幅は非常に限定的。米国市場では0.9260~80の狭いレンジに終始。

GBPUSDは、ふと思い出したことがある。中東での有事にはポンド買いが強まることである。中東産油国の王様の資金は、ロンドンで運用されることが多く、それぞれのファンドマネジャーによってい、それぞれの国の通貨に必要に応じて交換され、運用されている。シリア情勢の緊迫化=ポンド買いだったんでしょうね!

XXX

USDJYP-0.33%
EURUSD-0.08%
AUDUSD-0.62%
NZDUSD+0.68%
GBPUSD-0.07%
USDCAD-0.30%

EURJPY-0.44%
GBPJPY-0.44%
AUDJPY-0.96%
NZDJPY+0.35%
CADJPY-0.40%

GOLD-3.27%
WTI+0.92%
DXY+0.00%
VIX+3.40%


ダウ工業平均株価は小幅下落、15300.64(-25.96-0.17%)
EURO STOXX 50は横ばい、2862.07(-1.37-0.05%)
日経平均株価は小幅下落、14,387.27(-37.80-0.26%)
香港ハンセンは横ばい、22,953.72(+16.58+0.07%)
上海総合指数は小幅上昇、2,255.60(+14.33+0.64%)
豪S&P/ASX200は横ばい、5242.54 (+8.15+0.16%)

XXXX

米国発の材料
◎ 米議会下院の共和党指導部(11日)=オバマ米大統領が進める、医療制度改革実施の阻止で、意見集約のめどが立たず、今週を予定していた継続予算法案の決議を延期する方針→ 10月1日から新予算年度が始まり、9月末までに何らかの財政資金を手当てする法案を議会が承認しなければ、政府機関が閉鎖される恐れがある
◎ 米新規失業保険申請件数は、予想外の減少で、2006年以来の低水準、しかし、減少の要因は2州でのコンピューター・システム処理問題、2日の祝日が正確に反映されていない可能性もあり=29.2万人(予想33.0万件 前回32.3万件)
◎ オバマ米大統領=最優先課題を、シリアから国内の優先課題(予算案、移民問題、医療保険改革)に移行する
◎ 米下院=23日から1週間の休会を取りやめ暫定予算案の策定に当たる


欧州発の材料
◎ ギリシャ財務省(ギリシャ紙)=2013年GDPは-3.8%と予想、IMFやEUは-4.2%を予想、ギリシャは6年間リセッションに陥り、2012年GDPは-6.4%
◎ 独8月の卸売物価は、前回を大幅に下回り約4年ぶりの大幅な下げ率、EURは軟調に推移=前月比-0.6%(7月-0.3%)、前年比-1.7%(7月0.0%)
◎ 欧州議会=ECBの銀行監督一元化を承認
◎ ノワイエ仏中銀総裁=米量的緩和の解除(金融政策の正常化)は、過大評価されている一部新興市場の収縮につながっても必要な措置。 ECBの緩和政策は域内の経済状況を考えれば正当化される
◎ ドラギECB総裁(講演)=最近の短期金利上昇は正当化できない水準にあり、フォワードガイダンスを維持する、経済指標は改善しているが、実体経済を測るハードデータは改善しておらず、現行のスタンスを維持する

日本発の材料
◎ 日本政府=2013年4月に消費税を5%→8%に予定通り3%引き上げる方針を固めた。2%の増税分に相当する5兆円規模の経済対策を検討
ソフトバンク1兆9800億円を借り換える=12月17日返済期日1兆2849億円、スプリント買収金、イー・アクセスの一部債務の返済に借り換え資金
◎ 日経新聞=政府は2014年4月に消費税率を8%に引き上げることを前提に、法人税の実効税率を14年度にも引き下げる調整に入ったと報道→ 弱いながら一時円売りへと動く

英国発の材料
◎ カーニーBOE総裁(財務委員会の証言)=「フォワードガイダンスにより、景気刺激策は効果を上げ、経済は勢いを増し、インフレ率が2%に戻る道を進んでいる」、「投資家は失業率が中銀見通しよりも速いペースで低下することを見込み、これが市場金利上昇につながっている」、「必要なら利上げすることに問題ない」、「回復が弱まった場合には追加支援を検討」→ 強弱混在でインパクトいかけるが、GBP売りが弱まり小幅上昇へ

豪州発の材料
◎ 豪8月の雇用統計は、失業率は上昇し、就業者数が予想を大幅に下回るマイナスで、利下げ観測が強まる、AUD売りが加速しAUDUSDは0.9340→0.9240割れまで約100ポイント近く下落。 利上げ観測に上昇したNZDと対象的で、AUDNZDは1.1470→1.1380→1.1350台へ下落。失業率=5.8%(予想5.8% 前回5.7%)、就業者増減=-10800人(予想10000人 前回-10200人)

NZ発の材料
◎ NZ中銀は政策金利2.5%の据え置きを決定、予想通り。声明=「年内は金融政策を据え置くが、2014年には利上げの可能性がある」、 「NZDは高過ぎ、経済の再調整を困難にしている」、「第3四半期までのGDPは3.0%を予想」、「2014年のインフレ見通しは1.9%で維持」、「オークランドとカンタベリーで住宅価格上昇によるインフレ傾向が見られる」
◎ NZ中銀は、過熱している住宅市場を抑制するため、住宅融資規制を導入したばかりで、利上げの可能性を示唆したことの意外性が高くNZD買いが強まる、ウィーラーNZ中銀総裁は、FRBが量的緩和縮小の可能性を示唆して以来、新興市場の資産売却が加速、世界的な金利上昇を指摘

カナダ発の材料
◎ カナダ7月の新築住宅価格指数は、予想を上回る=前月比0.2%(予想0.1% 前回0.2%)

シリア発の材料
◎ 外交筋=国連のシリア査察団の報告書は、化学兵器使用の犯人を特定しない見通しで近く公表される予定
◎ シリア情勢に明るい兆しが見られるが、米国の態度は不透明。ハク国連報道官=シリアから「化学兵器禁止条約加盟申請となる文書を受理」→ アサド・シリア大統領=「シリアはロシアからの提案を受け、化学兵器を国際管理下に置くことに合意」、「米国が軍事介入を取り下げたら化学兵器を国債管理下に置くことを実行する」、「情報の提供開始は化学兵器禁止条約に署名後1カ月」、「ロシアから提案を受け合意、米国の軍事介入の脅威からではない」→ 米ロ会談で、ケリー米国務長官は、ロシア提案でシリア前提条件は受けられないと批判
◎ 米国=「ロシアとの協議が続けられている間は、武力行使の選択肢は排除されない」とコメント
◎ ラブロフ・ロシア外相とケリー米国務長官の会談=ケリー米国務長官は、ロシア提案でシリア前提条件は受けられないと批判

その他
◎ インドネシア中銀=政策金利を0.25%引き上げ7.25%に決定、予想外。 今年に入り5.75%→7.25%へ計5回利上げを実施、経常赤字は98億ドルでGDP比4.4%、インフレ率は前年比8.79%に加速、ルピアは年初から16%近く下落
◎ エジプト大統領府=8月14日に発令した非常事態宣言を、治安状況を理由に2カ月間延長することを発表
◎ S&P=外貨準備に対する短期債務の比率が高水準で、中東欧の新興国のほとんどは短期的な投資資金の引き揚げに耐えることができる






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