8月29日(木曜)為替市場の動き
※※※昨日のポイント※※※
「英議会は軍事行動を拒否、調査団の結果待ちのシリア情勢」、「インドルピーが急伸、新興国通貨安は一服」、「米経済指標は強い」、「9月のFOMCで米QE3縮小の期待が続く」。
英米は強硬姿勢を崩さないが、為替相場はひとまず様子見で値動きは狭い。現時点では、英米仏共に確たる証拠を示す事はできず、英下院はシリアへの軍事行動を否決。31日午前にシリアを出国する国連の化学兵器疑惑の調査団の報告を待ってから、結論を見守る動きへ。
米国の良いデータが多かった。米第2四半期の銀行利益は過去最高、米第2四半期GDPは上方修正、週間新規失業保険申請件数は改善傾向が続き、ドルは全面高。ユーロ圏のデータも強い(?)。独雇用統計は改善、独消費者物価指数は低下、スペイン第2四半期GDPは速報値と変わらずながら、マイナス幅は徐々に縮小へ。
弱さが目立っていた、インドネシア・ルピアと、ブラジル・リアルは、共に中銀が利上げを決定、買い戻しに動いている。その結果、多くの新興国は株価が上昇し、インドルピーは大幅上昇し、通貨安も一服。
USDJPYは、新興国通貨は堅調で、安全資産は弱く、資源国通貨で円買いの巻き戻しが始まった。ドル円は97.95~00円のポイントを超え、ストップの買いを誘発し98円台が定着。強い米GDPと新規失業保険申請件数に、98.50台まで上昇したがオプション勢の売りに続かず、大枠98.20~98.50円のレンジへ。
EURUSDは、新興国通貨の買い戻しに、EURAUDやEURGBPなどユーロクロスでの売りが強く、1.3310近辺ポイントを割り込み、短期投機筋の売りに続落。強い米GDPと新規失業保険申請件数に1.3240を割り込み1.3220割れまで小幅下落し、売りも弱まり安値圏で推移。GBPUSDは、英ボーダフォン・米ベライゾン材料にポンドは強くEURGBPの売りが続く。
AUDUSDは、アジアの株価は堅調で、新興国通貨も買い戻しが入り、0.8980近くまで値を戻したが、0.9000の大台を試せず、0.8920近くまで続落へ。強い米経済指標にも買い戻しは限定的で、クロスでの動きが中心で、AUDUSDは売り買いが交錯しながら、0.8920近辺をなんとか死守していた。しかし、終了間際には0.8900近くまで値を下げた。
USDJPY+0.74%
EURUSD-0.74%
AUDUSD-0.12%
GBPUSD-0.14%
NZDUSD-0.36%
USDCAD+0.43%
EURJPY-0.01%
GBPJPY+0.58%
AUDJPY+0.62%
金-0.70%
原油(WTI)-1.24%
DXY+0.65%
VUX+1.94%
ダウ平均株価は小幅上昇、14840.95ドル(+16.44+0.11%)
EURO STOXX 50は上昇、2758.31(+15.70+0.57%)
日経平均株価は上昇、13,459.71円(+121.25+0.91%)
香港ハンセンは上昇、21,704.78(+180.13+0.84%)
上海総合指数は小幅下落、2,097.23(-4.07-0.19%)
豪S&P/ASX200は小幅上昇、5092.41(+5.25+0.10%)
米国発の材料
◎米第2四半期の米銀行利益=損失引き上げ金が減少し、トレーディング利益が拡大し、422億ドルで過去最高
◎米第2四半期のGDP・改定値は、輸出が大幅上方修正され速報値から大幅上方修正へ=前期比年率2.5% (予想2.2% 速報1.7%)、デフレーター0.7%(予想0.7% 前回0.7%)→
◎米週間新規失業保険申請件数は、前週より-6000件減少へ=33.1万件(予想33.2 万件 前回33.7←33.6万件)
◎ラッカー・リッチモンド連銀総裁=労働市場の状況は大幅に改善し、資産買い入れ縮小の条件がすでに整っていると断言
欧州発の材料
◎レーン欧州委員会副委員長=EU、ECB、IMFのギリシャ債権者は、ギリシャ経済の持続可能性の確認作業を9月から強化
◎レーン欧州委員会副委員長(経済会議)=欧州経済はこの夏に転換期を迎えた兆候が多く見られたが、欧州の多くの国の失業率は非常に高く安心できない。少なくとも危機が終わったとの判断は速過ぎる
◎バイトマン独連銀総裁=ECBは原則的には正しいが、継続する低金利で金融緩和の効果は薄れ、金融安定のリスクは増大し、出口戦略の実施も一層困難になる
◎独8月の雇用統計は、 失業率は横ばいで、失業者数は増加=失業率6.8%(予想6.8% 前回6.8%)、失業者数増減=0.7万人(予想-0.5万人 前回-0.7万人)
◎独8月の消費者物価指数・速報値は、前回・予想を下回り、ECB目標値の2.0%を下回る水準で推移し、現行の緩和策が正当化=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.5%)、前年比1.5%(予想1.7% 前回1.9%)、EU基準前月比0.0%(予想0.1% 前回0.4%)、前年比1.6%(予想1.7% 前回1.9%)
英国発の材料
◎カーニーBOE総裁=早すぎる利上げは回復を阻害する
◎英ボーダフォン=合弁の持ち分で米ベライゾンとの協議を認める
中国発の材料
◎香港ハンセンは上昇、21,704.78(+180.13+0.84%)、上海総合指数は小幅下落、2,097.23(-4.07-0.19%)
◎周小川人民銀行総裁=西側諸国の景気は底入れした、新興国経済を注視
その他の材料
◎インドネシア中銀=ルピア安定のために政策金利(BIレート)を0.5%引き上げ7.0%に決定
◎ブラジル中銀=インフレ抑制と投資家への信頼感回復で、政策金利を0.5%引き上げ9.0%に決定、予想通り
◎インドルピー大幅上昇=インド・ルピーは+3.4%上昇、1986年以来の大幅上昇
シリア関係
◎米国と同盟国=アサド・シリア大統領が化学兵器の使用を命令した証拠をつかめず
◎国連事務総長=シリアへ送った化学兵器疑惑の調査団は31日午前にシリアを出国、28日にはオバマ米大統領と電話会談を実施
◎英下院=キャメロン首相のシリアへの軍事行動に関する動議否決
◎アーネスト・ホワイトハウス報道官=米国のシリア攻撃は非常に控えめで限定的
◎レッタ・イタリア首相=国連安全保障理事会の承認なしでシリアへの軍事行動に参加せず
◎英政府=シリア情勢を協議する英国の臨時議会で、キャメロン政権は国連安保理の決議がなくても、限定的な軍事介入であれば法的に正当との見解
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