2013年8月25日日曜日

8月26日の週 今週の為替見通し

8月26日の週 今週の為替見通し

夏枯れ相場で、市場参加者も急減している中で、引き続き市場の注目点は、米FRBのQE3の縮小が始まるのか? 始まるとしたらその開始時期は? 9月19日のFOMCの可能性に事の議論は集中しているが、いつも市場をかき回すだけで、結論は出せず。

もちろん、この問いに対して誰も、間違いないなく明確に答えることはできないことは確か。過去の議論と実施の過程を振り返って見ると、先ののリーマンショックみたいな事変がなければ、遅かれ早かれ、QE3の縮小と解除はやることに間違いない。そのように考えておけば少しは気が楽になる。

多くが消極的な取引に終始し、本来ならば重要な材料にも投機筋は反応できず、先週の値動きはある程度割り引いて考える必要がある。

そして、リスク要因としては、先週に見られた、新興国の金融市場の動向で、現状では事なきを得ているが、これ以上悪化すると話は別。


USDJPYは、97円がボトムでもあるように97円が底堅く、先週末には、新興国の株安・通貨安が収拾しないうちに円売りへ変化し、8月5日の円高がスタートする水準となる99円の大台まで一時上昇した。

底固めし上昇に転じたのか? 97.00~99.00円のレンジなのか? どちらかを試すことになるが、サマーバケーション前に円ショートポジションの整理も相当進み、円高材料となるべく、リスクオンにもあまり動ぜず。つきなみながら、福島原発の放射能汚染水漏れが「レベル3」となり、海外勢には新たな「日本のリスク」として、認識し始めていることも気になり、円売りの流れは変わらず。

もちろん、新興国の金融不安がより拡大すると、好むと好まざるにかかわらず、円買いが強まるリスクが残るが、それでも、元のレンジ水準となる97.00~99.00円に逆戻りするだけ。

円クロスでも、安全資産では円安が進み、リスク資産では円安の進行は鈍い。その中で、一番投機的な影響力が少なく、安全資産として、素直に実勢を反映している、CHFJPYは、7月24日の水準まで戻し円安が進み、終値ベースではこれを上回っており、どこまで下押しできるか? そして、その後の再上昇(円安)を期待できる値動きとなっている。

結果、今週は、21日指数移動平均線の98.04円をボトムに、99円台を維持し、下降トレンドの上限をクリアに超え、新たな円安トレンドを形成できるか注目している。当然、8月2日に100円の大台トライを失敗し、以後、100円超えがなく99.50~100.00円の水準では、大口のドル売りが待ち構えていることは想像しやすく、上昇スピードも初心者ドライバーなみでは?

以下図は、ドル円のチャートで、左からDaily、Weekly、Monthly



EURUSDは、最近の欧州発の経済指標では、ドイツを中心にユーロ圏経済成長がより確かになっていることで、ECBが追加利下げや量的緩和への選択肢もまずないと考えたい。逆に、FRBのQE3の縮小開始によるリスクヘッジとして、ユーロ買いが強く、ボトムを1.32、1.33と切り上げている。

問題は、8月20日に一度1.3452まで上値を試しながらも、1.3500の重要な大台を試す事も出来ず、一時1.33まで値を下げたことである。幸いにも、1.33の大口の買いに、1.33以下のさまざまなストップロスを付けられなかったことで、再上昇ムードが続いている。

今週も、1.3300をボトムに1.3450(本音は1.35と言いたいのですが、無理でしょうか?)のレンジで、メインシナリオは1.3500狙い。逆に、1.3275を割り込んだら、ギブアップ。

GBPUSDが3日続落傾向にあり、1.5500を割り込んだら、EURGBPが買いになったとしても、EURUSDロングには分が悪いので、GBPUSDの動向も合わせて見ておく必要がある。

以下図は、EURUSDのチャートで、左からDaily、Weekly、Monthly





今週の経済指標では、8月30日(金曜)に発表が多い。
※8月27日(火曜) 独8月のIFO景況感指数があり、市場は当然良い数字を予想し、ユーロ買いを待ちかまえている、予想107.0 前回106.2。
※8月27日(火曜) 米消費者信頼感指数は、予想79.3(前回80.3)でやや弱い数字が予想されている。
※8月29日(木曜) 独8月の雇用統計では、失業率予想は6.8%(前回6.8%)と変わらずながら、失業者数予想は-0.5万人と前回の-0.7人からやや悪化が予想されている。
※8月29日(木曜)8月の独消費者物価指数は、速報値で注目度は高い。前月比予想は0.1%で前回の0.5%から低下、前年比予想は1.7%で前回の1.9%から低下が予想されている。
※8月29日(木曜) 米第2四半期GDPは改定値で、前期比年率予想は2.3%と速報値の1.7%から上方修正が予想され、強ければいつもながら、9月のFOMCでQE3解除の圧力が強まる。
※8月30日(金曜) 日本7月の全国消費者物価指数は、前年比予想は0.7%と前回の0.2%から大幅上昇の予想となり、目標の2.0%に着々と向かいつつある。
※8月30日(金曜)のユーロ圏7月の失業率は、予想12.1%で前回の12.1%と同じ数字。
※8月30日(金曜) ユーロ圏8月の消費者物価指数は、速報値で重要。前年比予想は1.4%で前回の1.6%から低下すると思われている。
※8月30日(金曜) カナダ6月と第2四半期GDPがあり、前期比年率予想は1.6%で前回の2.5%から大幅低下が予想され、カナダドルはやや弱気ムードが強い。
※8月30日(金曜)米7月の個人消費支出は重要で、前月比予想0.3%で前回0.5%から低下の予想となっている。特に重要なのか、コアのPCEデフレーターで、前月比予想0.2%で前回0.2%と変わらず、前年比予想は1.3%で前回の1.2%からやや上昇の予想となっている。この数字が強いと、これもいつもながら、9月のFOMCでQE3解除の可能性が高まる。

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