ドル高傾向が続く為替相場は、FOMC議事録の発表直後から債券利回りの上下に振れながら、ドル高が進行、ついに、堅調な英ポンドもウイールBOE理事発言に陥落。
注目の、7月30~31日のFOMC議事録はやや複雑ながら、「景気が予想通り改善された場合、年内の資産買い入れのペースを年内に縮小」の案をおおむね支持に、9月のFOMCで緩和縮小の期待感が残る。発表後の結果は、「米株は下落し+債券利回りは上昇し+VIXは急上昇し+ドル高へ」。ただし、これも限界的。
※米10年債利回りは、2.89%(+0.08+2.82%)
※独10年債利回りは、1.84%(+0.03+1.63%)
※VIXは大幅上昇、15.94(+1.03+6.91%)、7月の水準へ上昇
※原油価格(WTI)は下落、103.83ドル(-1.30 -1.24%)、金価格は下落、1,366.40(-4.50 -0.33%)
※ダウ平均株価は下落、14897.55ドル(-105.44-0.70%)
※欧州株は下落、EURO STOXX50は、2774.58(-13.40-0.48%)
※日経平均株価は小幅上昇、13424.33円(+27.95+0.21%)
※香港ハンセン株は下落、21817.73(-152.56-0.69%)
※上海総合はほぼ変わらず、2072.96(+0.37+0.02%)
※ジャカルタ総合株価指数は昨日までの下落から、今日は上昇へ、4218.45 (+43.47+1.04%)
USDJPYは、上昇(+0.42%)。アジア市場では、昨日のような97円割れの動くは見られず、かといって、98円台までの上昇も見られず。東京市場の仲値需要が大きかったのか、買いから始まり、仲値過ぎると日本株は弱く97.20円割れまで下落。日本株が終盤で買い戻しが強まると97.60円台まで上昇。欧州市場では、ミスヒットと思われる上下変動にも、大枠97.40~60円の狭いレンジから、米金利上昇に買いが先行。FOMC議事録の発表後の米金利上昇に98円直前まで上昇したが失敗、大枠97.60~90円のレンジへ。
EURUSDは、下落(-0.47%)。1.3420中心の動きから、1.34の大台を割り込み、EURGBPの売りや海外実需筋の売りに1.3380を割り込み、徐々に上値は重くなる。フィキシング後には1.3350台へ下落、FOMC議事録の発表後は一時1.3335まで続落するが、1.3340~1.3390のレンジで売り買い交錯。
AUDUSDは、大幅下落(-1.14%)。アジア・欧州市場は、売りからスタートし、0.9000の大台を試す動きが続き、0.9000~0.9050のレンジで、米FOMC議事録待ち。FOMC議事録の発表後には、ついに0.90の大台を割り込み、大枠0.8980~0.9060のレンジで売り買いが交錯したが、9月のFOMCで緩和策解除の見通しが根強く、0.8970台へ続落し、戻りも弱い。
7月30~31日のFOMC議事録
⇒ 意見の相違が見られたが、9月のFOMCで緩和縮小の期待感が残る内容となった。(6月のFOMCでは、年内に買い入れ規模縮小に着手し、2014年半ばには買い入れを停止することが適切と判断していた)
◎ほぼ全員が、バーナンキFRB議長が計画した、「景気が予想通り改善された場合、年内の資産買い入れのペースを年内に縮小」の案をおおむね支持。
◎2~3人は、「近い内に縮小開始が必要になる可能性」を指摘。
◎2~3人は、「資産買い入れペースを縮小する前に、さらなる情報を評価することが必要」と指摘。
◎資金吸収で新たにレバースレポの導入を検討→ 政策変更に関するメッセージとはならないと説明しているが、現在の超緩和的の縮小した場合、金融システムから資金を吸収し、短期金利を目標水準に維持するための新たな政策手段を検討していることに間違いはない。
米国発の材料は、
⇒ 米7月の中古住宅販売件数は、予想・前回を大幅に上回り、ローン金利の上昇でも2009年11月以来の高水準=539万戸(予想513万戸 前回506万戸←508万戸)、前月比6.5%(予想1.5% 前回-1.6%←-1.2%)
欧州発の材料は、
⇒ バイトマン独連銀総裁は、フォワードガイダンスは、金融政策の方向性についてコミュニケーションを良くするための道具で、時代の変化を示すものではなく、金融政策行動は変わらないだろう
⇒ ECB・IMFのトロイカはギリシャ支援プログラムの調査を秋に実施へ=ギリシャは計2400億ユーロの支援を受けている
⇒ アスムセンECB専務理事は、ギリシャ第3次支援でギリシャ当局者との話し合いはない
⇒ ギリシャ支援で、ショイブレ独財務相はギリシャ支援は追加支援が必要、メルケル独首相は追加支援は時期尚早と、選挙をにらんで対立=ドイツ財務省報道官は追加支援は未定と協調
日本発の材料は、
⇒ 麻生財務相は、日本の経済指標は総じて上向いており、消費増税変更の理由はない
カナダ発の材料は、
⇒ フレアティ・カナダ財務相は、FRBの量的緩和策が次回G20の議題になる可能性がある=カナダは米量的緩和を熱狂的に支持しているわけではなく、インフレリスクを高める、カナダ経済は比較的良好で、住宅市場に対する追加の措置は検討していない
英国発の材料は、
⇒ ウイールBOE理事は、さらなる金融緩和が必要かもしれない、資産買い入れは依然として選択可能なツール
その他
⇒ タイ中銀は政策金2.5%の据え置きを決定、USDTHBは31.75台まで上昇しタイバーツ安が続く
⇒ インドルピーは2%近く下落し、今日も対ドルで最安値を更新
⇒ トンビニ・ブラジル中銀総裁は、ブラジル国内の金融市場が不安定なため、22日~24日のジャクソンホール会合の出席を取りやめる
⇒ シリア活動家は、アサド政権軍のガス攻撃で500人が死亡、国民評議か会いは650人、反政府派の幹部は1300人が死亡と主張
⇒ エジプト裁判所は、ムバラク元エジプト大統領の保釈を命じる
⇒ ブラジル中銀は、通貨レアル安値措置の防衛のために最大40億ドルのドル売り実施
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