2013年7月30日火曜日

「奥義、秘伝」

過去の資料を整理していましたら、非常に興味深いのを見つけました、何らかのご参考にしてください。

人は、おなじ場に入ってしまうと、自分でも想像が出来ないくらい、その場にしばられてしまい、修行を積んだ相手にだと、それを簡単に利用されてしまうと。
そして、その利用の方法を、「奥義、秘伝」と呼ぶのだとも書きました。

以前、「白神山地で遭難し、5日未明に救出されたシンガポール人は、武道家の父親の遺言で、日本人の空手家の所有する秘伝書を譲り受けるためにさまよっていたことが6日、分かった」
と言うような秘伝書がらみのニュースを見ましたが、秘伝を得るのはやはり命がけということのようです。

では、その奥義、秘伝とは何か?と言う話になるのですが。
一流の武芸者が、長年の修行の後にようやく手に入れることの出来る秘伝です。
そう簡単に私などには解かる訳はありません、ですが昔、ある武道書を読んでいてなるほどと思ったことがあります。

それは、武道の真髄「合わせ」の発見でした。

武道では、「先の先」とか、「後の先」とか言ってどちらが先に動くか、と言う事に焦点が当てられるケースが多くあります。

スピードを求めるならば、反射神経を鍛え、体のスピードを鍛えれば、誰しもが「達人」と言うことになってしまいます。
ですが、体力のあるうちは良いとして、人間年老いたら弱くなってしまうのか?
もともと運動神経があまり発達していない人は武道の達人になれないのか?
という素朴な疑問は誰しもが持つものではないでしょうか。

昔の達人は、池波正太郎が絵書く、剣客商売の秋山小兵衛のように、老人でも強い剣客が存在したはずです。そうなると、武道の奥義とは、体力だけでは解決出来ない問題を含んでいると言えそうです。

そこで登場するのが「合わせ」なのです。

それは字の如く、合わせること。

「たとえば、相手の腕と自分の指が糸でつながっているかのように、
相手が刀を振りかぶったら、その振りかぶりに引っ張られるように、腕を上げて
指が相手ののど下を刺す」

これが究極の奥義、合わせです。

相手が動いたときには、もうすでに勝負は付いてしまっている、という恐ろしい程の境地です。

たとえば、相手と瞬時におなじ場に入り相手が右に行ったら、相手に引っ張られながら、一つになり、軽く右に払う、それだけで相手は参ってしまうのです。
相手に合わせる訳ですから、力もそんなにいりません。
相手の力を拝借して、最小限の力で、相手をねじ伏せる。
これが究極の奥義、秘伝なのではないかと思われます。

ですが、この合わせ、そう理屈で見るとおり簡単にはいかないところが、また秘伝の秘伝たる所以ではないかと思っております。

相場に目を転じて見れば、「合わせ」が使える局面が数多くあることに気がつきます。

チャート分析の中で、売り、買いが集まるところ、反対にストップロスオーダーが集まるところ。
そのポイントは然程多くはありません。しばらくその相場にどっぷりと浸かっていると、段々相場の節目、重要なポイントが見えてくるようになります。

たとえばしばらく揉み合いが続いた後の、高値と安値。そのどちらも抜ければそちらの方向に行きやすくなるポイントです。そんな機会に恵まれたら、ポ~んとその流れについてゆく。
そうする事によって、無理に相場を動かそうとしなくても、簡単に流れに乗ってゆくことが可能となります。

周りの人間は同じ場に入ってしまっているのですから、あなたが感じたチャートポイントは、皆も、またヘッジファンドも同じく感じているはずです。

それに、合わせるのです。合わせて、切る。

それが自然に出来るようになれば、あなたも相場の達人の仲間入りとなるかも知れません。

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