バーナンキFRB議長の議会証言が終わり、残りの焦点となっていた、日本の参議院選挙と、G20。
G20では、予想以上に中国に関しての討議は少なく、シャドーバンキングや貸出金利下限撤廃の議論もなく終了した。
それと、日本に関しては、日米財務相が日本の政策を理解し支持することを再確認し、麻生財務相が「財政再建を着実に実施する方針表明」と、「来年4月の消費税を上げを予定通り実施」する意向を表明(10月ごろ最終決定)した。
結果、今日21日の参議院選挙で大方の予想通り与党が圧勝すれば、一時的な利食いの円買い戻しの可能性があるが(無い可能性も)、中期的に円安方向へ動き始めることも考えたい。
ただ、その後(半年~1年)の実行への不信感や、結果への不満が強まるようになれば、より継続的な円安になることも予想したい。
以下、G20の結果をまとめてみた。
共同声明
財政健全化よりも成長を優先(成長は弱すぎる)
金融緩和の解除は慎重期すと約束
先進国に信頼できる財政戦略を要請、世界需要リバランスを加速
経済不均衡是正にコミット 緩和縮小で市場への配慮約束
→ 中国のシャドーバンキング+貸出金利下限撤廃の議論なし
→ 議論の中心は米緩和縮小問題
→ 日米の緩和政策の効果を認め、ユーロ圏の景気低迷や新興国の景気減速を指摘
→ 金融市場のボラティリティが高まり、金融の状況はひっ迫している
→ 為替問題は影が薄い
→ 多くの国で、失業率は過度に高い状況が続く
その他
シルアノフ・ロシア財務相=◎声明の財政健全化に関する文言は「ソフト」、米欧が低金利政策継続を表明 ◎緩和政策の出口戦略の方を重視 ◎一部に、成長確保が先決との意見
G20各国=◎景気回復に伴う米FRBの緩和縮小は適切、日銀は量的質的緩和を推進 ◎OECDの企業課税ルール抜本的見直し案を支持
日本に関して(日本の脱デフレ策はまだ脱出速度に到達せず)
ショイブレ独財務相=◎日本は信頼できる財政戦略で政策を補完すべき
麻生財務相=◎財政再建を着実に実施する方針表明した ◎来年4月の消費税を上げを予定通り実施する意向を表明(10月ごろ最終決定)
黒田日銀総裁=◎量的・質的緩和は着実に効果、各国の理解がさらに深まった ◎景気回復に伴う米FRBの緩和縮小は適切、日銀は量的質的緩和を推進
日米財務相=日本の政策の理解を再確認
欧州に関して(需要は雇用創出を伴う回復を維持するに不十分)
ドイツが財政健全化の姿勢を軟化
若年層の失業が深刻で、成長と財政緊縮が中心
バイトマン独連銀総裁=◎緩和的金融政策を終了する時期はまだきていない
米国に関して(米経済は回復基調)
民間の需要が強くなってから財政を調整、経済成長と雇用を促進するマクロ経済政策を選択
中国に関して(中国の輸出エンジンが失速)
G20高官(ロイター社)=◎G20が2016年以降の債務削減の数値目標設定を検討し、9月の首脳会議で討議する予定。予想される公的債務の対GDP比率で日本は発表なし。
2012 2013 2016 2017
米国 72.6 75.9 78.1 77.3
英国 75.9 79.2 85.6 84.8
フランス 90.2 93.6 90.7 88.2
ドイツ 81.9 80.5 71.5 69.0
イタリア 127 130.4 121.4 117.3
ユーロ圏 86.9 89.8 85.0 82.7
カナダ 33.5 33.8 29.6 28.1
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