2013年7月17日水曜日

7月16日の為替相場は、本日のバーナンキFRB議長の議会証言を見守る展開が続いた。債券買入枠の縮小期待がやや遠のくとの思惑が強いのか、米債券利回りはやや低下し、ドルインデックスは82.50を割り込み弱く、ドル売りの流れが続き、AUD+NZDの上昇が目立った。


前日の米小売売上高、企業在庫と弱かったことで、第2四半期のGDP見通しが下方修正されるとの思惑が強いが、昨日の住宅関連の指標は強く、引き続き自信を持てない状況が続いている。

先のQE3縮小の期待の広まりで、金融市場が混乱したことを教訓に、今日の議長の議会証言は、条件がそろえばQE3を縮小する期待感を含ませながらも、予見できる範囲では金融緩和を継続することを証言するとの思惑が広まっている。

FRBの公定歩合(政策金利ではありません)に関する議事録では、2地区連銀が公定歩合を0.25%引き上げ1.0%にすることを要求。ジョージ・カンザスシティー連銀総裁が「債券買い入れプログラムの縮小に着手し、来年の前半の時点で終了すべき」と、主張していた。

EUは19~20日のモスクワG20で、米国に対しては「中期的な信頼性のある財政再建計画への合意がなされていない、これが世界経済にとってリスク」。日本に対しては「、巨額な公的債務についても、日本政府が将来的にどのように債務を押し下げるかを投資家に説明しない限り、リスク」と、説明を求める予定。

EU財務相は「日本が中期的に信頼できる財政再建計画を策定し、そうすることで現行のデフレ脱却プログラムが国内外の金融システムに与え得る波及効果について対処し、持続可能な成長を狙った構造改革を実行することをわれわれは期待する」と、注意を喚起していた。

もっとも、EU財務相が、日本に注意を喚起できるほど、国内の金融システムが安心できることの裏腹なのか、それとも、日本発の材料が、さらなる欧州金融危機を再発させることへの危惧なのか? さあ、どちらでしょうか?

ダウ平均株価は-32.41-0.21%、EURO STOXX 50も-21.08-0.78とやや弱く、日経先物も軟調に推移した。

FRBに外圧が強まる。ラガルドIMF専務理事は「資金フローに影響を与えており、措置解除は段階的にに慎重に行われるべき」と発言。他の中銀からも同様の発言が聞こえてくる。

ムーディーズは、先進国の金融緩和の解除で、アジアの銀行の質が今後2~3年で試されると警告。

USDJPYは、早朝の100円台を高値に、終盤には99円を一時割り込み、結局は99~100円のレンジで、始値・終値のコアでは、ほぼ4日間連続で変わらずで、参院選までは方向感出にくい。ただ、浜田内閣官房参与の「消費税増税について、来春の引き上げは2%にとどめて7%とし、その後、4~5年かけて10%まで税率を小刻みに積み上げるという緩衝策」の提案に、やや財政改善期待が弱まり、外圧が強まるリスクも残る。

EURUSDは、弱いZEW景況感調査にも1.3060割れは底堅く反発、終盤には1.3170台まで続伸したが、EURクロスでは、EURGBPを除き軟調に推移。結局は、7月12日の高値・安値の1.30~1.32のレンジで変わらずだが、1.30を底値に徐々に上値を試している。

GBPUSDは、消費者物価指数が低く、一時1.5050を割り込みながらも、ドル安の流れに、終盤には1.5160台を回復、GBPクロスでは、ほぼ全面安。

AUDUSDは、0.90を試すことなく、英・豪系資源大手リオティントの鉄鋼石増産計画もフォローとなり、0.9080台を底値に、豪中銀議事録で「金融緩和が相当程度実施されており、メンバーは現在の政策スタンスが当面適切と評価」、「豪ドルの急落が時間をかけてインフレをやや押し上げるもが、一段の利下げを妨げるほどではない」との議事録の内容に、8月の追加利下げ期待と、AUD安誘導の期待感が弱まりAUD買いが始まる。結局は、0.9260近くまで続伸し、AUDクロスも上昇へ。

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