ラガルドIMF専務理事は、バーナンキFRB議長がやっていることは「アナウンス、シグナル発信、期待を織り込ませる、期待の管理といった作業」と発言。バーナンキFRB議長の発言で金融市場が動揺し、世界的に金利上昇と株安へと動いたことに対して皮肉を込めたようにも感じられてならない。
それにしても、多くの関係者の肯定・否定は、何ともみっともなく見える。
①ダドリーNY連銀総裁「市場の早期利上げ観測はFOMC声明は大半のメンバーの見通しから離れ、FOMCは買い入れ縮小を遅らせる、もしくは買い入れを拡大させる可能性もある」。
②パウエルFRB理事「資産買い入れ縮小ペースに関するFRBの見通しに市場は過剰に反応し、利上げ開始時期の予想がかなり前倒しされている」
③ロックハート・アトランタ連銀総裁「FRBの資産買い入れは米経済の情勢により決定されるが、経済が予想に沿って推移すれば、買い入れ規模の若干の縮小が適切」、
④ビル・グロース氏(PIMCO)「低水準にあった米債、住宅ローン、社債の利回りは4月下旬に変曲点に達した可能性があるが行き過ぎで、10年債利回りが2.55%ではなく、2.20%にあるべき」
しかし、全てを埋めきれず、ドル高傾向は止まず、株・債券利回りも、引き続き警戒感を示している。終値ベースを株・債券利回り・為替で比較すると
①米株(NYダウ)=6月18日15318.23→6月24日14659.56まで下落→6月27日15024.49と値を戻す。
②10米年債利回り=6月18日2.35%→6月25日2.61%→6月27日2.47%と低下。
③ドルインデックス=6月18日80.612→6月27日82.922と、ドル高傾向は変わらず。
米経済指標は強い。
①米週間新規失業保険申請件数は、前週よりも減少し緩やかな雇用改善傾向が続く「34.6万件(予想34.5万件 35.5←35.4万件)」。
②米個人所得は予想・前回を上回り、個人消費支出は前回・予想通りで緩やかな回復基調を示す「米個人所得=前月比0.5%(予想0.2% 前回0.1%)」、「個人消費支出=前月比0.3%(予想0.3% 前回-0.3%)、PCEデフレーター=前月比0.1%(予想 前回-0.3%)、前年比1.0%(予想1.1% 前回0.7%)、コアPCEデフレーター=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比1.1%(予想1.1% 前回1.1%)」
③米全米リアルター協会 米住宅販売保留指数は、前月より大幅に下方修正されたが、予想・前回を大幅に上回り、約6年半ぶりの高水準「前月比6.7%(予想1.0% 前回-0.5%)」
EURUSDは、「金融緩和拡大又は継続の可能性=ユーロ圏」、「金融緩和継続又は終了の可能性=米国」の理論で、EURUSDの売りが続いている。昨日は、米金融緩和の早期解除の可能性が弱まったとの判断に、1.30台を維持しながらも、強い米経済指標に買も鈍く1.3000~1.3050のレンジで推移し、再び1.30の大台割れへと動く可能性が高くなっている。
USDJPYは、東京証券取引所が公表したデータ「海外投資家が3週連続で日本株を買い越し」、菅官房長官「アベノミクス効果で、経済が上向き、2012年度の税収が1.3兆円上振れを期待」の発言を好感。日経平均株価は終値13213.55(+379.54+2.96%)大幅上昇、日本株先物も13410と米株の上昇に合わせて高値を付けており、今日も、株高=円安のプレッシャーを受けている。ただ、USDJPY98円台後半には引き続き売りが多く、弱い中国株や新興市場国のリスクに、積極的に買い上げることもむずかしい。昨日米経済指標の発表直後に付けた97.80台で底値を確認した可能性があり、結果、緩やかな円安傾向が続くと見ている。
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