2015年9月6日日曜日

今週の為替相場を考える(9月7日~11日)

今週の為替相場を考える(9月7日~11日)

週末のG20は予想通り、中国経済の問題が集中的に討議され、中国に構造改革を迫る声が相次いだ。そして、世界経済回復を維持するため断固とした行動を取ると明記した共同声明を採択し閉幕。

中国経済の減速を懸念し、「中国には政策透明性」を、そして、各国に「輸出振興のための通貨切り下げ競争の回避」を求めた。また、米国の名指しを避けながらも、いつくつかの先進国で「金融政策を引き締める可能性を懸念」。当然、FRBとBOEのことを指していると思うが、日本はいつもながら蚊帳の外!? 

ラガルドIMF専務理事も、「FRBに利上げを慎重に判断」するように求め、「中国経済の減速や金融市場の混乱」が世界経済の足かせとなっていると指摘、構造改革を急ぐように求めた。

さて、今週の為替相場だが、相変わらず「中国経済+株価+原油価格+米利上げの有無とその時期」であることは変わりない。週明けは北米市場が レーバーデー休日となる反面、中国は4連休明けで、中国株価の行方が最初で最も重大な試練となることは間違いない。

周中国人民銀行総裁いわく「バブルははじけた」の発言の真意は? 週明けの中国株式市場は中国政府の威厳をかけサポートするのか? しないのか? それと、今週の中国の貿易収支(8日)+CPI(10日)が相場全体に大きな影響を与えそうである。

それ以外では、円相場への影響が強い日本のGDP(8日)、カナダドルへの影響が大きいカナダ中銀理事会(9日)、NZドルにとって最も重要で、利下げ観測が強い中銀金融政策(10日)、豪ドルへの影響が強い豪雇用統計(10日)と、今週は米国発以外で重要なイベントが多い。

市場参加者の「センチメント+相場感」は、「株式+債権+為替」で、「ブル派とベア派が」入り乱れ混在。ある日はベア、ある日はブルと変化し、値の荒い相場変動が続く可能性を裏付けている。

特に、為替市場の参加者は他力本願で、ポジションを取るに当たり、テクニカルや相場感もさることながら、中国株を見ながら・日経平均株価を見ながら、欧州株の推移や米国株の値動きを見ながらせざるを得ない状況が続いていることも、確かである。

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ドル相場
9月17日のFOMCで利上げはあるのか? 12月16日のFOMCはどうなのか? それとも、10月28日の記者会見が予定されていないFOMCでサプライズの結果となるのか? 相変わらず不透明。FOMCメンバーの中でも意見は分かれる中、イエレンFRB議長は沈黙を守り、じっくりと市場の反応を見極めていることであろう。

IMF要人は先週、人民元の基準値を引き下げは、市場に為替レートを決めさせるという点で、ある意味IMFがこれまで推奨してきたことと合致と容認。ショイブレ独財務相も、中国はSDR採用の目標達成に必要な通貨・金融政策に向け動いていると言う。中国人民元切り下げは、SDR採用に向けた既成事実と思わせる発言が続く。

今週は幸いとでも言うのか、米国発の重要な経済指標はなく、通貨当局者の発言は気になるが、今週のドル相場は、中国発を筆頭に他の主要国の動向に左右されることになりそうである。

EURUSD 予想1.1000~1.1350
先のECB理事会では、成長とインフレ見通しを引き下げ、ドラギECB総裁は必要に応じ追加緩和の可能性を示唆した。それでも何とか1.1000台をサポートし、相変わらず追っかけ売りは禁物。中国株急落直後は、リスク回避にユーロ買いが目立ったが、逆に売りへと変化。最近のユーロ圏発の経済指標は弱さが目立ち始め、中国経済・新興市場国経済の低迷と原油価格の下落を懸念しての動きだけに、今週も中国発の材料に左右される可能が高い。


GBPUSD 予想1.5000~1.5400 
弱い! 9日連続で陰線引け! ただ、何とか6月1日の安値1.5160台でかろうじて下げ止まり、この水準を割り込むと1.5000の大台が目の前に控えている。最近の経済指標は弱く、EURGBPの買い戻しなど、クロスでもGBP売りが目立っているが、弱い指標は英国だけの現象ではなく、売り要因はポジション調整以外見当たらず。早くも英国民投票を意識でもしているのかは不明ながら、10日のBOE金融政策委員会はGBP相場の今後を占う意味で特に重要。

AUDUSD 予想1.6800~1.7050 
中国経済指標+中国株価次第ながら、続落傾向止まらず。1.6870を割り込むと続落の可能性が強まり、1.6800を試す動きが強まる。今週は、中国発の経済指標は多く、先週末は米3連休前で過剰反応した可能性もあり、強い数字となれば株高に1.70500までの戻りの可能性も。台風の目は、豪ドルへの影響が強い豪雇用統計。

USDJPY 予想116.00~120.50
円高の流れ止まらず! 日経平均株価は先週末ついに18,000円を割り込み終了し、円高の流れが続いている。ただ、米3連休と中国市場が休場の影響の可能性もあり、このまま続落するのか? ふと疑問に感じる。一方、テクニカルでは118.40~50円がサポートできるか? 割り込みと8月24日の安値116.14円が視野に入ってくることも考えざるを得ない。いずれにしても、週明けの日本・中国株の動向と、今週発表される日本のGDPと中国発の経済指標である程度、方向性は決まりそうである。

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