先週は、前週に中国が利下げした影響が続く中で、ロウ豪中銀副総裁は豪ドル安への誘導を続け、カーニーBOE総裁は市場に利上げ期待を持たせ、豪ドル売り+ポンド買いの流れが続いていました。
米国発の経済指標で弱気なムードが高まりながらも、米国が感謝祭の休暇もあり、動きにくい展開が続いていました。その中で、予想外にOPECは減産を見送り、原油価格は急落、カナダドルなどの産油国通貨の下落が始まり、ドル高の流れへと変化し、USDJPYは週終値で高値を更新して、現在に至っています。
【今週は、米株+米金利はもちろん、ECB理事会と米雇用統計がメインイベント】
≪今週は政策金利の発表が多くそれぞれで注意が必要です】
1.豪中銀は、最近の豪ドル安にもかかわらず、豪ドル安への誘導の発言が続いています。声明でインフレに関して、通貨に関してどのようなことが飛び出すのか、注目しています。
2.カナダ中銀は、直近の原油安の影響をどのように判断しているのか、気にまります。
3.英中銀は、政策金利と資産買入枠の据え置きが予想されており、変更がなければ記者会見はなく、決定に至る詳細も不明で、次回の議事録を待つ必要があります。
4.欧州中銀は、、低インフレと低成長が続き、量的緩和が望まれる中で、暫くは現在の緩和策の影響を見守るとお思われていますが、今年最後の会合だけに、サプライズがないとも限りません。ドラギECB総裁の記者会見は、相場変動のリスクは高く、年末年始の相場を安定させるためにも、今後の量的緩和を含め、市場に緩和期待を残す発言をする可能性は高いと考えます。
※米雇用統計ですが、市場の予想は失業率5.8%で変わらず、非農業部門雇用者数は22.5万人前後で、9月の21.4万人からは増加が見込まれています。今週最後のお祭りのようなイベントで、FRBの政策決定に影響の大きな雇用統計だけに、どのような結果になろうと、相場を動かそうとすることでしょう。
2日(火曜)豪中銀理事会
3日(水曜)カナダ中銀理事会
4日(木曜)英中銀(BOE)金融政策委員会、欧州中銀(ECB)理事会と、ドラギECB総裁記者会見
5日(金曜)米雇用統計
≪USDJPY≫
円売り変わらず、最高値トライへ。株と選挙を気にしながらも、来週の日本GDP第2次速報値を注目。
衆議院選挙は12月2日公示、14日投票日です。12月8日には日本7-8月期GDPの第2次速報値が発表されます。第2次速報値が上ブレする可能性が高く、どこまで上方修正されるのでしょうか? その結果によっては自民党に有利に動く可能性もあります。いずれにしても、「与党有利=株高=円安」の方程式は続きそうです。
また、週終値ベースでは118円台で高値を更新してドル高の流れは変わらず、「原油価格の下落が株高=円安」になっています。今までは「原油価格下落=貿易赤字縮小=円高」が定番だったのが、先週では逆に、「原油価格下落=株高=円安」へとなぜか変化。市場参加者の円安思考が強い結果なのでしょう。
≪EURUSD≫
売り変わらずだが。4週連続し1.23台半ばをボトムに下げ止まり、ECB理事会でこれを破れるか? それ以外では特に重要な発表はありません。
1日(月曜)ユーロ圏各国の製造業PMI・確報値
3日(水曜)総合・サービス業PMI・確報値、独第3四半期GDP・確報値。
≪GBPUSD≫
続落傾向は止まらないが、3週連続し1.56近辺をボトムに下げ止まる。
今週もこの水準をボトムで維持し反転することができるか? 英中銀の金融政策委員会以外で、英国発の材料は少ない。
1日(月曜)英製造業PMI
2日(火曜)建設業PMI
3日(水曜)サービス業PMI
≪AUDUSD≫
週終値ベースで0.87を割り込み続落、下落傾向止まらず。
豪中銀理事会以外では、中国発の材料が多い。
1日(月曜)中国国家統計局、HSBC製造業PMI
3日(水曜)中国国家統計局、HSBCサービス業PMI、第3四半期GDP
4日(木曜)小売売上高
≪USDCAD≫
目先は続落するも、週終値ベースで1.14台の高値を更新し終了。11月7日週の1.1466が目の前えで折り返すが?
原油価格の動向が最も気なるが、それ以外でも材料が多い。
カナダ中銀理事会以外では、ボロズ・カナダ中銀総裁の発言と、雇用統計が重要で相場が変動する可能性が高い。
4日(木曜)Ivey購買部協会指数、ボロズ・カナダ中銀総裁講演
5日(金曜)雇用統計
≪米経済指標・その他≫
今週も米国発の材料は多い。
1日(月曜)米ISM製造業景況指数
2日(火曜)イエレンFRB議長講演
3日(水曜)米ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、ベージュブック
4日(木曜)米週間新規失業保険申請件数
5日(金曜)米貿易収支、米製造業受注指数、米消費者信用残高
0 件のコメント:
コメントを投稿