今週の主な経済指標と、為替相場見通し(4月7日~4月11日)
今週の注目点
1.ECBの追加緩和の可能性を確認
2.中国の経済成長とインフレを確認
3.米国の緩和縮小とその程度を確認
4.日銀の追加緩和の可能性を確認
5.豪雇用情勢を確認
6.BOEの金融政策継続を確認
1.ECBの追加緩和の可能性を確認≪4月10日(木)のECB月次報告書、4月11日(金)の独消費者物価指数・確報値≫
4月3日にドラギECB総裁は、ECB理事会後の記者会見で「景気低迷の長期化と、デフレリスクを懸念」し、量的緩和など追加緩和の可能性と、ユーロ相場の重要性を示唆しました。今週は指標の発表は少ないのでが、景気とインフレに関しての経済指標にユーロ相場は過敏に反応することが予想できます。
2.中国の経済成長とインフレを確認≪4月10日(木)の貿易収支、新規融資、4月11日(金)の消費者物価指数、生産者物価指数≫
今週は中国発の重要な経済指標の発表が控えています。中国政府は新たな景気刺激策を発表、市場参加者が危惧している中国経済成長の長期低迷が本当に始まるのか? それとも高成長で安定するのか? インフレが弱まってくるのか? 豪ドル相場への影響が大きくなります。
3.米国の緩和縮小とその程度を確認≪4月9日(水)FOMC議事録≫
イエレンFRB議長は3月31日に「緩和策は当面必要で、緩和縮小はこの取り組みを減らすものではない」と、ややハト派の発言に変化していますが、連銀総裁や理事の多くは、緩和縮小の継続を支持し、早ければ年内に縮小を終了し、来年の利上げ予想も見られます。3月19日のFOMCでイエレンFRB議長が、早期利上げ観測を示していました、議事録の内容が注目され、新たな相場変動の火種となりそうです。
4.日銀の追加緩和の可能性を確認≪4月8日(火)経常収支・貿易収支。日銀金融政策決定会合・黒田日銀総裁の記者会見≫
海外投機筋の円売り着眼点は、「日銀の追加緩和」と「GPIFや機関投資家の海外資産の買い」で、GPIFの外ものへの投資の可能性は高く、円安傾向を続けたい安倍政権の方針ともマッチし、緩やかな円安傾向が続きそうです。問題はその速度だけでは?
日銀の追加緩和は、消費増税の影響が表れるまで当面ありそうもないと思いながらも、それが材料にされれば円安方向へ動くこともまた事実で、今回は105円超えをターゲットにしているようも思えます。しかし、過去何度も大幅な円安期待を裏切られ、最近の円売り戦略の傾向は「夢を追うより、現実の利益」に徹しているようで、早めの円ショートポジションの利食い+押し目で円ショート再開が主流で、USDJPYは押し目買い!
5.豪雇用情勢を確認≪4月10日(木)雇用統計≫
スティーブンス豪中銀総裁は「豪ドルが1年前の高値圏から下落したことがバランスの取れた経済成長を後押しするが、ここ数カ月間の上昇で以前より効果は薄れるだろう」と発言。4月3日には「豪失業率は上昇するが、歴史的には低水準」と付け加えています。それらを考えれば、「雇用統計の悪化は想定内で、豪ドル高の水準だけが問題」と考えられます。今回の豪雇用統計も前回より悪化が予想され、それなりにインパクトはありますが、極端な豪ドル売りの可能性は低いと考えます。今年2月まで続いた、直接的な豪ドル高けん制が突然現れるまでAUDUSDの緩やかな上昇が続きそうです。
6.BOEの金融政策継続を確認≪4月9日(水)貿易収支、4月10日(木)BOE金融政策委員会≫
カーニーBOE総裁は4月2日に「来春の総選挙前の利上げは排除せず」と発言、前回の議事録では「市場は将来の金利上昇の影響お軽視している」と警告。3月27日の金融監督委員会・FPCの四半期会合レポートでは、「住宅バブルが既に一部に起きているとの指摘もあり、市場を注視」とあり、先に、ウィールBOE政策委員は「賃金の伸びが回復し、景気が回復すれば、政策金利を0.5%に据え置くことはできない」と発言。いずれにしても、今回のBOEのMPCでサプライズは期待できそうにありませんが、将来の利上げの可能性だけは強く残ります。
4月7日(月)上海市場は清明節で休場
15:00 GER 2月 鉱工業生産指数=前月比予想0.3% 前回0.8%、前年比予想4.7% 前回5.0%
16:15 CHF 3月 消費者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.1%、前年比予想-0.2% 前回-0.1%
16:30 EUR 4月 センティックス投資家信頼感指数=予想13.6 前回13.9%
22:00 EUR ECB年次報告書の公表
4:00 USD 消費者信用残高=予想141.5億ドル 前回136.98億ドル
4月8日(火)
8:50 JPY 2月 国際収支: 経常収支=予想6,260億円 前回-1兆5890億円、貿易収支=予想-6085億円、前回-2兆3454億円。
7:00 NZD 第1四半期 NZIER企業景況感=予想 前回52%
10:30 AUD 3月 NAB企業景況感指数=予想 前回0、企業信頼感指数=予想 前回7
未定 JPY 日銀金融政策決定会合=政策金利0.1%の据え置きを予想
14:45 CHF 3月 失業率=予想3.2% 前回3.2%
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
16:15 CHF 2月 小売売上高=前年比予想0.9% 前回0.3%
17:30 GBP 2月 鉱工業生産指数=前月比予想0.3% 前回0.1%、前年比予想2.2% 前回2.9%、製造業生産高=前月比予想0.2% 前回0.4%、前年比予想3.1% 前回3.3%
21:15 CAD 3月 住宅着工件数=前月比予想18.8万件 前回19.21万件
21:30 CAD 2月 住宅建設許可件数=前月比予想2.0% 前回8.5%
23:00 GBP 3月 NIESR GDP予測=予想 前回0.8%
4月9日(水)
9:30 AUD 4月 ウエストパック消費者信頼感指数=予想 前回-0.7%
15:00 GER 2月 貿易収支=予想174億ユーロ 前回150億ユーロ、経常収支=予想180億ユーロ 前回162億ユーロ
17:30 GBP 2月 貿易収支=予想-92億ポンド 前回-97.935億ポンド
23:00 USD 2月 卸売在庫=前月比予想0.5% 前回0.7%、卸売売上高=前月比予想1.0% 前回-1.8%
3:00 USD FOMC議事録公表(3月19日分)
4月10日(木)
8:01 GBP 3月 RICS住宅価格=前月比予想4.3% 前回4.5%
10:30 AUD 3月 雇用統計: 失業率=予想6.1% 前回6.0%、新規雇用者数=前月比予想5,000人 前回47,300人
未定 CNY 3月 新規融資=予想1兆元 前回6445億元
11:00 CNY 3月 貿易収支=予想-37億ドル 前回-229.9億ドル、輸出=前年比予想5.0% 前回-18.1%、輸入=前年比予想4.0% 前回10.1%
15:45 FRN 3月 消費者物価指数(EU基準)=前月比予想0.5% 前回0.6%、前年比予想0.8% 前回1.1%
17:00 EUR ECB月次報告書
20:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.5%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを予想
21:30 USD 新規失業保険申請件数=予想 前回32.6万件
21:30 USD 3月 輸入物価指数=前月比予想0.2% 前回0.9%、前年比予想 前回-1.1%
21:30 CAD 2月 新築住宅価格指数=前月比予想 前回0.3%、前年比予想 前回1.5%
3:00 USD 3月 月次財政収支=予想-885億ドル 前回-193.5億ドル
OTH G20財務相・中銀総裁会議(10日~11日)
4月11日(金)
8:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨公表(3月11日分)
10:30 CNY 3月 消費者物価指数=前年比予想-2.2% 前回-2.0%
10:30 CNY 3月 生産者物価指数=前年比予想2.5% 前回2.0%
15:00 GER 3月 消費者物価指数・確報値=前月比予想0.3% 前回0.3%、前年比予想1.0% 前回1.0%、EU基準前月比予想0.3% 前回0.3%、前年比予想0.9% 前回0.9%
17:30 GBP 2月 建設支出=前月比予想 前回1.8%、前年比予想 前回5.4%
21:30 USD 3月 生産者物価指数=前月比予想0.1% 前回-0.1%、前年比予想 前回0.9%、コア前月比予想0.2% 前回-0.2%、コア前年比予想 前回1.1%
22:55 USD 4月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=予想81.0 前回80.0
OTH IMF・世界銀行総会(11日~13日)
OTH G7(非公開)
0 件のコメント:
コメントを投稿