今週は金融政策に関しては珍しく発表はありませんが、政治的には3月24日の核安全保障サミットが最も重要です。
核テロ阻止を目的に開催されるサミットで53カ国の首脳や首脳クラスが出席しますが、ロシアを除いて、G7を開催する予定になっています。
日米共同声明が発表され、日米韓の首脳会議、米中韓の首脳会議など多くの首脳会議が予定されています。ちなみに、米韓首脳はそろってメルケル独首相へ会いに行く予定で、日本バッシングの可能性もあります。
ウクライナ問題や対ロシア制裁も個別に話し合われる可能性が強く、結果によっては為替相場に大きな影響を与える可能性もあります。
今週は、先週のFRB・イエレンショック(早期利上げ観測)の反動が既にマーケットに織り込まれたのか?それとも、今後の為替相場に影響を与え続けるのか? その判断をする一週間だと思われます。
◎USDJPY(101円~103.50円のレンジを予想)
28日(金曜)の全国消費者物価指数は円相場にとって需要で、予想通り上昇を継続できるのかを注目しています。
中国経済への不安感と、ウクライナ情勢を巡るリスク回避のヘッジとして円買いセンチメントは健在で、将来的な円安は横に置いておき、101~103.50円のレンジを両サイド超えることは難しそうです。
◎EURUSD(1.37~1.39のレンジを予想)
24(月曜)欧州製造業・サービス業PMIを皮切りに、25日(火曜)独IFO業況指数、26日(水曜)独GfK消費者信頼感、28日(金曜)のユーロ圏業況感指数を注目しています。
EU首脳は対ロシア制裁を決めましたが、議論は伯仲し一枚岩ではなく、米国との温度差は避けられず、ロシア制裁がユーロ圏に打撃を与えるかは、欧米とロシアの泥試合の途中経過待ちなりそうです。ユーロ圏の経常黒字は過去最高を記録したことを考えれば、潜在的なユーロ買いが強いことも推測できます。
反面、3月3日のドラギECB総裁、10日のノワイエ仏中銀総裁、13日のバイトマン独連銀総裁や、ファンロンパイEUR大統領が21日に漏らした「ユーロ相場は輸出業者にとって高過ぎる」との発言はちょっとだけ気になり、1.40の大台トライは先送りになりそうで、暫くは1.37~1.39の動きが予感されます。
◎AUDUSD(0.8950~0.9180のレンジを予想)
24日(月曜)中国HSBC製造業PMI、26日(火曜)スティーブンス豪中銀総裁の講演を注目しています。
ウクライナ情勢やFRBの早期利上げ観測、中国の景気鈍化や株安・人民元安は、本来ならば豪ドル安の材料なのですが、豪州の1月貿易黒字額は2年半ぶりの高水準で、豪ドル売りは限定的です。今後、豪ドルブル派が目指す0.92を超えてくれば新たな領域へと発展する可能性が高くなるのですが、一筋縄ではいきそうにありません。
3月18の豪中銀日議事録は豪ドルは歴史的に高水準、3月7日にスティーブンス豪中銀総裁が発している「AUDUSD0.9000は歴史的にみて高水準」との警戒信号は、一体どの水準で強硬発言に変わり飛び出すのか? やはり手さぐりで0.8950~0.9180のレンジで一歩一歩、猫に鈴をつけるような歩みで、豪ドル高を試す以外は考えにくそうです。
今週の主要な経済指標・その他は、以下の通りです。(詳細は別表をご覧ください)
3月24日(月曜)
10:45 CNY 3月 HSBC製造業PMI・速報値=予想48.7 前回48.5
16:00 OTH オランダのハーグで核安全保障サミット開催、ロシア・ウクライナ問題についても話し合う
17:58 EUR 3月 総合PMI・速報値=予想52.6 前回53.3、製造業PMI・速報値=予想53.1 前回53.2、サービス業PMI・速報値=予想52.6 前回52.6
3月25日(火曜)
18:00 GER 3月 IFO業況(総合)指数=予想110.9 前回111.3
18:30 GBP 2月 消費者物価指数=前月比予想0.5% 前回-0.6%、前年比予想1.7% 前回1.9%、コア前月比予想 前回-0.9%、コア前年比予想1.6% 前回1.6%
3月26日(水曜)
15:00 AUD スティーブンス豪中銀総裁の講演
21:30 USD 2月 耐久財受注=前月比予想1.0% 前回-1.0%
3月27日(木曜)
6:45 NZD 2月 貿易収支=予想6億NZドル 前回3.06億NZドル
18:30 GBP 2月 小売売上高=前月比予想0.3% 前回-1.5%、前年比予想2.9% 前回4.8%
21:30 USD 第4四半期GDP・確報値=前期比年率予想2.7% 前回2.4%
21:30 USD 新規失業保険申請件数=予想32.6万件 前回32.0万件
3月28日(金曜)
8:30 JPY 2月 全国消費者物価指数=前年比予想1.5% 前回1.4%
18:30 GBP 第4四半期・GDP確報値=前期比予想0.7% 前回0.7%、前年比予想 前回2.7%
19:00 EUR 3月 景況感指数=予想101.3 前回101.2
21:30 USD 1月 個人所得=前月比予想0.3% 前回0.3%、個人消費=前月比予想0.3% 前回0.4%、コア個人消費支出・価格指数=前年比予想1.1% 前回1.1%
0 件のコメント:
コメントを投稿