9月6日(金曜)為替相場を考える
一言、米雇用統計待ち。市場参加者は強い数字を予想し、相場に織り込み始めている。非農業部門雇用者数(NFP)の予想は18万人で、20万超=ドル買いへ。15万割れ=ドル売りへと予想。それと、シリアへの軍事行動の動きの有無。
USDJPY(予想レンジ99.50~100.50)
ついに、トレンドラインの上限を突破。円安を支持する材料は、9月9日の日本のGDP第2次速報値で3.0%~4.0%の数字が予想され、消費増税の道筋が示され、「日銀がそれに合わせて追加の金融緩和を検討する方針と、安倍政権は補正予算や企業減税を検討」との思惑に、円安ムードが高まっている。結果、100円の大台を達成した。
現状は、週末リスクの「シリアへの軍事行動=円買い戻し」のリスクは消えず、7日の東京オリンピックの招致が実現できるか否か? このリスクも当然、今日は考慮に入れなければならない(はっきり言って、招致実現=消費増税前向き=円安なのか、招致失敗=日本の敗退=円安なのか?よくわからない)。
メインリスクの米雇用統計では、強い材料を織り込み、逆に悪い結果に対してのインパクトが大きくなっている。もちろん、NFPの結果で上下どの方向に動くかは不明ながら、USDJPYは100円台を一機に突き進むことは難しく、むしろ利食い千人力のプレーヤーが多いように感じられる。中期的ポジションは円ショートを継続。
EURUSD(予想レンジ1.3050~1.3150)
ドラギECB総裁の声明からは、「欧州経済はまだ弱く、金利は引き上げられませんよ」との声が聞こえてくる。また、FRBがQE3縮小の有無を決める前に、政策を変更して、失敗でもしたら大変! とでも言いたいように思えてならない。結果、市場の声は、長期金利が世界的に上昇する中で、「ユーロ圏は米国より悪いね!」に傾き、ユーロ売りと傾き、下値のポイント1.3150を割り込み、1.3150が今や上限となっている。もちろん、今日の米雇用統計の結果如何で、いかようにも変化することは避けられない。
AUDUSD(予想レンジ0.9050~0.9200)
ドル高の流れや、米金利上昇に勢いを削がれてしまし、8月9日から失敗の連続となった上値0.9200台。またしても、今回も失敗。ただトレンドとしては、0.9030~50を割り込むまでは、引き続きビットと考え、小刻みな取引で0.9050近辺ではAUDロングを維持したい。今日は、鬼門の米雇用統計があり週末。ダブルのリスクに積極的に動くことはできないが、一度方向性がではじめればある程度の期間同一方向へと動くことが多く、今日のNFPの結果を見て、週末リスクがなくなった来週早々にでも勝負することも選択肢。
今後直面するテーマと材料
※ 米8月の雇用統計(9月6日)
※ G20サミット(9月5~6日)
※ IOC総会(9月7日) 2020年オリンピックで東京開催がきまるのか?
※ 米上院外交委員会、シリアへの限定的な軍事行動の決議案を10対7で可決 (軍事行動は最大90日間、決議案は来週に上院本会議で採決)→ これで軍事行動は時間の問題だが実行は来週以降。
※ 新興国(EM)のマーケット→ 落ち着きを取り戻しているが、シリア情勢で変化も
※ 日本の4-6月期GDP2次速報が年率2.6%→3.0%台~4%近くへ上方修正される可能性(9月9日)→ この数字が強ければ消費増税がスムーズに決定される可能性
※ 緊迫のエジプト情勢
※ イタリア政局の混迷
※ 米連邦債務引き上げ問題(10月半ばにデフォルトの恐れ)
※ 米国債の利回り上昇
※ 法裁判所判断の欧州安定メカニズム(ESM)と新財政協定の合憲性判断を発表(9月12日)
※ 米8月の消費者物価(9月17日)
※ ドイツ連邦議会選挙(9月予定)
※ ギリシャ第3次支援の有無、
※ 次期FRB議長にサマーズ氏有力
金融政策
※ NZ中銀理事会(9月12日)
※ 豪中銀理事会議事録(9月17日)
※ BOE・MPC議事録(9月18日)
※ FOMC(9月18日)
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