ジャクソンホールの経済シンポジウムも終わったが、大方の予想通りFRBのQE3縮小の手掛かりはつかめず、黒田日銀総裁も期待に反して大規模な追加緩和の示唆発言はなく、バーナンキFRB議長が不参加で、予想通り期待はずれで終わった。
週明けは、一部のアジアの新興国通貨が続落し、最安値を更新する通貨も多く、中国株の上昇だけが救いとなった。欧州市場は、ロンドン市場はサマー・バンクホリデーで休場で動けず、相場が変動したのはNY市場。
午後9時30分に発表された米7月の耐久財受注は悪化、約1年ぶりのマイナス幅にドルは主要国で全面安へ。しかし、積極的な動きも弱くドル売りも長く続かず値を戻す。そして、ケリー米国務長官発言でシリア情勢の緊迫化を懸念、米株も弱まり再びドル売りへ。一部の中南米新興国通貨安が進む中で、終わってみれば先週末とあまり変わらず。
USDJPY=小幅下落(-0.20%)。黒田日銀総裁から大規模な追加緩和の発言はなく新鮮味もなく、前週末終値から円高でギャップを空けて取引を開始したが続かず。株安の中で一時大枠98.45~85円のレンジで全く方向感なし。米耐久財受注の悪化で一時98.30割れまで下落したが、強い米株と実需の買いに98.70円台へ上昇、シリア情勢懸念に米株が下落すると98.40円近くまで下落。
EURUSD=ほぼ変わらず(-0.10%)。アジア市場は大枠1.3365~1.3390のレンジで全く方向感なし。ECBフィキシングで一時1.3360割れまで下落したが、米耐久財受注の悪化で1.3390台へ上昇。1.34台達成できず、オプションカットから値を下げ、シリア情勢の悪化に上下動けず。
AUDUSD=小幅上昇(+0.25%)。アジア市場は、大枠0.9010~0.9040のレンジで方向感なし。欧州市場は一時0.90の大台を試したが失敗。米耐久財受注の悪化で0.9070近くまで上昇したが、新興国の株価も弱く、トルコリラは最安値を連日更新、シリア情勢の悪化に米株は弱く0.9020割れまで値を下げる。
※ダウ平均株価は下落、14946.46(-64.05-0.43%)
※欧州株は小幅下落=EURO STOXX50は2821.45(-4.60-0.16%)、イタリア株は2.1%と大幅下落
※日経平均株価は小幅下落、13,636.28(-24.27 -0.18%)
※豪州株は小幅上昇、豪S&P/ASX200(5135.40+12.04+0.24%)
※香港ハンセンは上昇、22,005.32(+141.81+0.65%)
※上海総合指数は大幅上昇、2,096.47(+39.01+1.90%)
米国発の材料
◎ジャクソンホールの経済シンポジウム(8月24日)では、世界的な超金融緩和策の見直しの動きがある中で、新興国市場は大規模な資金流出への防御が不十分で、金融安定リスクにさらされている。
◎ロックハート・アトランタ連銀総裁(24日ジャクソンホール)=米経済の低下を示す大きな兆候がない限り、FOMCで債券買い入れの縮小で第一歩を示す可能性があるが、縮小開始の時期は何も確定していない
◎米7月の耐久財受注は、悪化し約1年ぶりのマイナス幅に、ドル売りが強まる=前月比-7.3%(予想-3.5%、前回3.9%)、除輸送機器=前月比-0.6%(予想0.5%、前回0.1%)、除航空機・非国防資本財前月比=-3.3%(予想0.5% 前回1.3←0.9%)
◎全米企業エコノミスト協会のアンケート調査(7月18日~8月5日)=企業エコノミストの多くは、2014年末までにFRBの利上げを予想。9月10%、10月か12月40%、2014年第1四半期まで27%
◎ケリー米国務長官(シリア化学兵器使用疑惑)=化学兵器がシリアで使用された。国際社会は責任の所在を明らかにするため立ち上がるべきで、責任の所在明確化が必要と大統領は認識
◎ルー米財務長官=議会に債務上限の引き上げを要請。議会が10月半ばまで行動しないと米国はデフォルトに落ちる恐れ。市場の不安定さと大きな混乱の恐れあると警告
◎米財務省=米国は10月半ばまでに連邦債務が上限に達する
欧州発の材料
◎ギリシャの追加支援問題が、9月の独総選挙の争点の一つとなってい=メルケル独首相はギリシャ債務の追加減免の可能性を否定
◎イタリア政局不安が広まる=ベルルスコーニ元首相の議員資格はく奪の是非と不動産勢の扱いで、連立与党内で対立が激化
◎バイトマン独連銀総裁=政策金利は現行水準で長期間推移と考えは、ECBの金融政策の戦略と経済見通しに基づく→ ECBは7月、政策金利は過去最低の水準に長期間維持することを発表、8月にをワードガイダンスでこれを確認している
◎バイトマン独連銀総裁=銀行破綻の容認が必要、金融政策は未知の危険領域に入った
◎ストゥルナラス・ギリシャ財務相は、ギリシャに追加支援が必要になるとしたら、規模は約100億ユーロで、新規融資ではなく、緊縮条件のない経済支援
英国発の材料
◎ビーンBOE副総裁(24日ジャクソンホール)=フォワードガイダンスは追加的な景気刺激策ではなく、政策効果を高めることを意図としている。近いうちに利上げに利上げすることはないと、明確なシグナルを発している
日本発の材料
◎黒田日銀総裁(24日ジャクソンホール)=日本の異次元緩和は効果を発揮している、金融市場の不安定化が世界経済の足かせ
NZ発の材料
◎NZ7月の貿易収支は、予想・前回より赤字額が拡大し、過去10カ月で最大の赤字額=-7.74億NZドル(予想-0.16億NZドル 前回3.74←4.14億NZドル)
中国発の材料
◎中国国家統計局は(中国経済の減速懸念を意識した会見?)、外部環境の改善で、中国経済は明確な安定化の兆しと、前向きな変化が見られると発表
その他の材料
◎アジア新興国通貨は引き続き下落=USDTRY(ドル・トルコリラ)トルコリラは最安値を連日更新、USDIDR(ドル・インドネシアルピア)ルピア下落し4年ぶりの安値更新し株価も1年ぶりの安値へ、USDINR(ドル・インドルピー)ルピー下落、USDBRL(ドル・ブラジルリアル)リアルは下落、USDMXN(ドル・メキシコドル)メキシコドルは下落
◎ブルムバーグ集計データ=バーナンキFRB議長が、債券買い入れの縮小の可能性を示唆した5月以降では、新興国の株式時価総額は約1兆ドル減少し、新興国の主要20通貨は約4%下落。年初来のMSCI新興市場指数は12%下落、先進国株指数は13%上昇。
◎マンテガ・ブラジル財務相=ブラジル経済は小型の危機に見舞われているが、米国が緩和縮小に着手すると、市場は落ち着きを取り戻す
◎ブラジル政府=先週末に自国通貨防衛で600億ドル規模の為替介入を実施する計画と発表したが、リアル安はと止まらず
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