10月15日、10月14日(月曜)海外市場の動き
*** ポイント ***
サマーズ元米財務長官(英FT紙への寄稿)で、「未来の歴史家は今日の危機を、米国の民主主義が機能しないことが判明した転換点とみるかもしれない」。
日本・米国・カナダ・香港は祭日の薄商の中で、連邦債上限の引き上げと政府機関の再開の合意も不透明で動けず。しかし、合意が近いとの思いに、米株は上昇し円はクロスで全面安で、ドル売りは緩慢。
昨年末の財政の崖のトラブルといい、今回もまたしても、茶番劇とは言え、米国に信認が弱まるのではとの危惧が感じられてならず、米財政協議が仮に合意してもドル買いが長く続くかは不透明。→ ドル買いが弱まり、主要国通貨が買われ、円が売られるという、円クロスで全面安の展開になりやすい。
欧州では、ユーロ圏財務相会合が注目される。特に急変するような材料は見当たらないが、米国のデフォルト懸念をけん制する発言は当然考えられるが、2月の教訓からは1.37台が一つの警戒ゾーン。
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注目点:米財政協議で期待感が強まる
→ 上院与党幹部=民主党のリード上院院内総務と、共和党のマコネル上院院内総務は、連邦債上限の引き上げと政府機関の再開の合意は数日内にまとまる可能性がある。
→ 上院側近=上院では来年1月15日までの暫定予算案を成立させ、政府機関の一部閉鎖を解除を交渉中。
→ 民主党のリード上院院内総務=合意に達すると非常に楽観している。
→ オバマ大統領=上院指導部との協議は進展の兆しがあり、日本時間午前4時の会議で明らかになる。
→ ホワイトハウス=オバマ大統領は議会指導部と日本時間15日午前4時予定会合を、上院指導部に時間的猶予を与えるために延期。
→ 関係筋=上院民主党と共和党は、債務上限引き上げ期限を来年2月15日に確定させるのか、もしくは財務省が緊急措置を通して同日以降も借り入れ継続を交渉。
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10月14日(月曜)の値動き
USDJPY
週末の米財政協議の合意期待はなく、失望感によるドル売りの流れとAUDJPYの売りに、前週NY市場終値98.57から円高でギャップを空けて取引が始まった。開始直後は98.00円以下のストップを試しながらも、98.12を安値に、週末に流れた「米国債など保有債券の貸付を証券会社へも拡大と、外貨準備の一部を民会会社へ委託」との報道に円安期待は見られたが、米株先物は弱く、先週末のポジション調整による円買いに、98.30円超えの上値は重くなった。欧州市場は、米国市場が休場で米財政協議の行方も不透明で動けず。株式市場がオープンの米国では現物株が弱く一時98.10円割れまで下落したが、米財政合意近いととの観測や、オバマ米大統領と議会首脳部との合意期待に、株高=円安へと変化し98.50台まで上昇。
EURUSD
週末の米財政協議の合意期待はなく、失望感によるドル売りの流れに、前週NY市場終値1.3542からEUR高でギャップを空けて取引が始まった。米議会の財政合意期待はが続いたが、EURAUDが先週高値を超えて取引が始まり、クロスのユーロ買いに底堅く、日米市場が休場で取引は閑散で、1.3550~65の狭いレンジで取引が続いた。欧州市場は、米国市場が休場で米財政協議の行方も不透明で動けず。米国市場は、財政協議の行方を見ながらもドル売りから始まり、米株安に1.3600直前まで上昇したが、オバマ米大統領と議会首脳部との合意期待に株高へと変化し、1.3560近くまで下落。
AUDUSD
日曜日発表の中国貿易収支が予想外に弱く、早朝からAUD安でギャップを空けて取引で始まったが、0.9420台の買いは厚く下げ止まり、予想外に低下した豪住ローン許可件数にも売りは弱かった。主要国ではドルは軟調に推移し、中国の消費者物価指数が予想を上回ると買いが強まり、先週NY市場の終値0.9466を超えるも0.9500台を達成できず伸び悩む。欧州市場は、米国市場が休場で米財政協議の行方も不透明で動けず。米国市場は、財政協議の行方を見ながらもドル売りの流れに底堅く、米財政協議で合意期待に株高へと変化し、ついに0.95台を上回るが続かず、0.9485~0.9505のレンジへ。
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10月14日(月曜)主な経済指標の結果
日本休日(体育の日)、米国休日(コロンブスデー)、カナダ休日(感謝祭)
13日 CHN 9月 貿易統計=152億ドル(予想277億ドル 前回286億ドル)、輸出=前月比-2.6%、前年比-0.3%(6.0% 前回7.2%)、輸入=前月比5.1%、前年比7.4%(予想7.0% 前回7.0%)→ 労働日数の減少もあり、輸出が減少し輸入が増加し、予想と前回を大幅に下回り、中国の経済活動の拡大期待が弱まる
9:30 AUD 8月 住宅ローン許可件数=前月比-3.9%(予想-2.5% 前回2.1%←2.4%)→ 前回より大幅に弱く、予想よりもマイナス幅が拡大
10:30 CHN 9月 消費者物価指数=前月比0.8%(予想0.5% 前回0.5%)、前年比3.1%(予想2.9% 前回2.6%)→ 食品価格の上昇に、予想と前回を上回る
10:30 CHN 9月 生産者物価指数=前月比0.2%((予想 前回0.1%)、前年比-1.3%(予想-1.4% 前回-1.6%)→ 前回と予想よりもマイナス幅が縮小
18:00 EUR 8月 鉱工業生産=前月比1.0%(予想0.7% 前回-1.0%←-1.5%)、前年比-2.1%(予想-2.4% 前回-1.9%←-2.1%)→ 前回を大幅に上回り予想よりも強い結果となったが、EUR買いは見られず
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10月14日(月曜)主な発言その他
USD 週末に期待された、米財政協議の合意はなく、週明けのオセアニア市場でドル売りの流れから始まり、米株先も弱く緩やかなドル売りの流れから始まった。
USD フィッシャー・ダラス連銀総裁=FRBの量的緩和縮小は一層遠のいている。 投資家はボラティリティーに備えるべき。
USD イエレン次期FRB議長=短期の失業はより恒久的な構造的失業に変化する恐れがあると繰り返し警告→ ノボトニー・オーストリア中銀総裁がバーゼルの中銀関係者会議の席でイエレン氏が指摘したと発言
USD 米財政協議に関して: ラジャン・インド中銀総裁=米資産を売るつもりはない、長期的な見通しはポジティブ。 シルアノフ・ロシア財務相=外貨準備を見直す重大は必要性は見当たらない。 ムバラク・サウジ中銀総裁=米危機は去るだろう、長期的な投資に影響を与えると考えていない
USD サマーズ元米財務長官(英FT紙への寄稿)=未来の歴史家は今日の危機を、米国の民主主義が機能しないことが判明した転換点とみるかもしれない。
EUR ボニチ・マルタ中銀総裁=ECBは必要があれば中銀預金金利をマイナスにする用意があるが、マイナス金利が悪影響を及ぼす可能性もある。
EUR ノボトニー・オーストリア中銀総裁=一部の南ユーロ圏諸国の高失業状態を抑えることが最優先課題だが、金融政策だけでは問題を解決できない
EUR 関係筋=ポルトガルは国債需要回復で年内の債務交換実施を検討→ アルブケルケ・ポルトガル財務相も、年内に国債を追加発行する可能性と発言をしていた。
EUR ストゥルナラス・ギリシャ財務相=2014年償還期限の国債約45億ユーロをロールオーバーする計画と発表、2012年11月の合意にロールオーバーも含まれていると指摘→ アスムセンECB専務理事は、財政赤字の穴埋め禁止に抵触するため、中銀が保有するギリシャ国債のロールオーバーには応じられないと発言。
JPY 政府筋=米国債など保有債券の貸付を証券会社へも拡大と、外貨準備の一部を民会会社へ委託
GBP カンリフ次期BOE副総裁=米住宅市場にバブルの兆候は見られないが、不動産価格を注意深く見守る必要がある。
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10月14日(月曜)取引変化
4-Oct-13 Closed 前日比 %change
USDJPY 98.554 -0.006 -0.01%
EURUSD 1.3560 +0.186 +0.14%
USDCHF 0.9102 -0.148 -0.16%
GBPUSD 1.5981 +0.265 +0.17%
AUDUSD 0.9487 +0.219 +0.23%
NZDUSD 0.8354 +0.341 +0.41%
USDCAD 1.0353 +0.080 +0.08%
EURGBP 0.8484 -0.008 -0.01%
EURAUD 1.4291 -0.180 -0.13%
EURJPY 133.651 +0.168 +0.13%
CHFJPY 108.242 +0.167 +0.15%
GBPJPY 157.507 +0.293 +0.19%
AUDJPY 93.502 +0.213 +0.23%
NZDJPY 82.380 +0.404 +0.49%
CADJPY 95.182 -0.018 -0.02%
Nikkei225 14,404.74 0.000 0.00%
DJIA 15,301.26 +64.150 +0.42%
STOXX50 2,977.69 +3.410 +0.11%
DAX 8,723.81 -1.020 -0.01%
S&P/ASX200 5207.86 -23.010 -0.44%
HangSeng 23,218.32 0.000 0.00%
Shanghai Stock 2,237.77 +9.620 +0.43%
MSCIEM 1,004.66 -0.560 -0.05%
GOLD 1,272.60 +1.000 +0.08%
WTI 102.13 +0.360 +0.35%
DXY 80.316 -0.046 -0.06%
CRB 287.47 +0.860 +0.30%
VIX 16.70 +0.980 +6.23%
JP10Y 0.660 0.000 0.00%
US10Y 2.690 0.000 0.00%
GE10Y 1.860 0.000 0.00%
UK10Y 2.750 +0.010 +0.36%
AU10Y 4.120 -0.010 -0.24%
US2y 0.350 0.000 0.00%
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